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台湾 鹿島の伝統とブランドが息づく地

台湾に営業所を設けて115年。台湾縦貫鉄道にはじまった台湾と鹿島のかかわりは19世紀まで遡る。
日月潭水力発電所などの重要なプロジェクトに携わり,
近年でも地下鉄網構築や電力シールド工事で社会資本整備に協力している。
民間建築を担う現地法人の中鹿営造は昨年創立30周年を迎えた。従前より高品質の建物を提供し続け,
現在では中鹿が施工者に名を連ねることでマンションの売れ行きが変わるとさえいわれている。
台湾には,鹿島の伝統が息づき,鹿島ブランドが根づいている。
今月の特集では,当社が台湾で行っている工事の特徴と,現地で活躍する社員を紹介する。

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特別寄稿 歴史ある鹿島に期待する

図版:丁 育群 氏

行政院顧問
(前内政部營建署署長)
※建設庁長官に相当
丁 育群

学歴:
美國加州柏克萊分校博士後研究
University of California, Berkeley
中國文化大學實業計劃研究所工學博士
中國文化大學實業計劃研究所工學碩士
中國文化大學建築及都市設計學系
工學士

経歴:
内政部營建署署長
台北市政府都市發展局局長
台北市都市更新推動中心董事/執行長
中國文化大學建築及
都市設計研究所所長兼主任
國立故宮博物院副院長
内政部建築研究所所長
内政部營建署代理署長
行政院921震災災後重建推動委員會
副執行長
内政部營建署副署長
内政部建築研究所副所長
内政部建築研究所主任秘書
内政部營建署建築管理組副組長,組長

私は,若い頃に栄民工程処(国営)に勤務していましたので,台湾での鹿島の歴史を良く存じています。鹿島は1899年に営業所を設立し数多くの重大建設に携わってきました。鉄道工事を始め,嘉南大圳工事,日月潭発電所工事,台北州烏来発電所などに参画し,これらは現在でも現役で使用されている構造物が少なくありません。

鹿島は戦後の1960年代に台湾に復帰し,曾文水庫,台中港,中国造船,中国鋼鉄,北回り鉄道,南回り鉄道,明湖,明潭地下発電所など,台湾経済発展の原動力となった十大建設を始め多くの国家的インフラ建設に参画しました。近年では台北,高雄の地下鉄工事,基隆河洪水調節導水トンネルや国道工事などのインフラ工事を手掛け,「鹿島建設」の名前は多くの台湾人の心に深く刻まれるところとなっています。

また,1983年には民間建築に対応するため現地法人の中鹿営造を設立しました。日系の工場建設に始まり,高層オフィスビル,ホテル,商業ビル,地震に強い高級住宅,バイオ関連,物流関連施設と,数多くの物件を施工しています。いずれの物件も顧客からの高い評価を得ており,「中鹿」の名前も「鹿島」同様に,日本の技術に裏付けられた高品質のブランドとして台湾社会で定着しております。

私は,以前建設庁に在籍した時に,台湾での国家級建設研究所及び財団法人台湾建築センターを設立するために鹿島の技術研究所を訪問したことがあり,その後台北市都市発展局在籍中に,台北市の都市再開発政策策定の一環として海外を訪問した際には,鹿島の開発事業と施工実績を視察したこともあります。このような機会を通して,私は鹿島が土木及び建築の方面において,技術研究所や技術関係部署で時代のニーズを先取りした,先端的な建設技術や管理手法の研究と開発に取り組んでおり,多くの経験とノウハウを蓄積していることを知りました。そして,台湾社会の行政制度や法規の実務において参考となるべき多くの事を学ぶことができました。

建設庁長官に就任後は,私は最近の気候変動やゲリラ豪雨に対処できるよう台湾の国土開発及び都市計画を防災・防治的な観点から充実すること,特に都市での排水を始めとしたインフラの整備計画とその管理を一層有効に整合することに取り組んでおります。また台湾の直轄六都市の将来の発展,とりわけ台北市と新北市の公有・私有土地の活性化に依る再開発や社会住宅政策等を推進する所存であります。このような政策を推進するに当たっては,日本の制度や政策の良い面を参考にしたいと考えておりますし,鹿島と中鹿営造がその技術と経験を活用し,台湾のさらなる発展へ力添えをされるよう心より期待するところであります。

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