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ダム技術

画像粒度モニタリング®システム

デジタルカメラ画像解析で地盤材料の粒度分布を迅速に判定

ダムなどの建設工事では、工事現場周辺で入手できる材料を有効的に使用することが基本であり、工事中は使用材料の品質管理を入念に行います。アースダムやロックフィルダム、台形CSGダムなどでは、使用材料の粒度分布を定期的に測定し、使用できる材料か否かを判断します。

鹿島では、市販のデジタルカメラで撮影した材料の画像を解析することで、使用材料の粒度分布を推定し、所定の品質を満足するか否かを瞬時に判定するシステム(画像粒度モニタリング)を開発しました。

本システムを活用することで、使用材料のリアルタイムな品質管理が可能となり、ダムなどの建設工事の高度化ならびに合理化に貢献できます。

平成23年度ダム工学会賞技術開発賞
特許登録済

図版:画像粒度モニタリングのイメージ

画像粒度モニタリングのイメージ

キーワード

デジタルカメラ、画像解析、粒度分布、品質管理、土質材料、ロックフィルダム、アースダム、CSG工法

システムの概要

ダムなどの建設現場に従事する技術者は、現場で使用する材料(例えば、砕石など)の表面状況を見て、粒度が「粗い」または「細かい」という評価を行っています。画像粒度モニタリングは、このような使用材料の表面状況(二次元情報)を定量化することで、粒度分布の判定を行います。

測定手順は、対象材料を水平かつ薄く敷き均してデジタルカメラで撮影し、画像をコンピュータに取り込みます。この画像を解析して各粒子の輪郭を識別し、複数の監視粒径(例えば、40mm、20mm、10mmなど)毎に粒子を抽出した後、二次元画像情報の定量化指標である粒度インデックスIiを算出します。粒度インデックスIiと各粒径の通過質量百分率の関係を近似した相関式を介することで、粒度インデックスIiから監視粒径毎に通過質量百分率を推定します。デジタルカメラ撮影~画像解析~粒度分布の推定に要する時間は10秒程度です。

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図版:システムの構成

システムの構成

図版:粒度インデックスと通過質量百分率の関係例

粒度インデックスと通過質量百分率の関係例

特長・メリットココがポイント

実際の施工現場での適用実績あり

画像粒度モニタリングはすでに鹿島の建設現場で活躍しています。

  • CSG製造時のCSG材品質管理(最大粒径80mm)
  • ロック材の品質管理(最大粒径500mm)
  • CSG材製造管理(最大粒径80mm)

迅速な判定が可能

従来の粒度試験方法に比べて、粒度分布を得るために要する時間を大幅に短縮できます。

  • CSG材の場合、15分程度(従来の簡易方法による試験の場合は1時間)
  • ロック材の場合、2~3時間程度(従来の試験方法の場合1日程度)

図版:ロック材の撮影画像の例

ロック材の撮影画像の例

新しい品質管理方法で試験回数を大幅低減

台形CSGダム建設工事のCSG材品質管理に導入し、新しく構築したCSG材品質管理フローに従って管理を行いました。

  • 本システムでCSG材粒度の変動を検知した場合に、従来方法による試験を実施(従来は、品質変動の有無を考慮せずに、定時または定量毎に試験を実施していた)
  • リアルタイムに品質変動を監視することにより、品質変動の大小に応じた試験頻度の設定が可能となった(実績として、従来方法による試験回数が約40%低減)

図版:画像粒度モニタリングを使った新しい品質管理方法

画像粒度モニタリングを使った新しい品質管理方法

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適用実績

図版:当別ダム

当別ダム

場所:北海道石狩郡

竣工年:2012年11月

発注者:北海道

型式:台形CSGダム

規模:堤高52m 堤頂長432m
堤体積81.3万m3

図版:殿ダム

殿ダム

場所:鳥取県鳥取市

竣工年:2012年1月

発注者:国土交通省中国地方整備局

型式:中央コア型ロックフィルダム

規模:堤高75m 堤頂長294m
堤体積211万m3

図版:胆沢ダム

胆沢ダム

場所:岩手県奥州市

発注者:国土交通省東北地方整備局

型式:中央コア型ロックフィルダム

規模:堤高132m 堤頂長723m
堤体積1,350万m3

学会論文発表実績

  • 「デジタルカメラ画像を用いたCSG材の粒度変動監視システム ─当別ダム本体工事での適用事例─」,ダム工学研究発表会,2011年
  • 「デジタルカメラ画像を用いた粒状材料の粒度変動監視システム」,電力土木,2012年
  • 「デジタルカメラ画像を用いたロック材の粒度解析システム」,土木学会第67回年次学術講演会,2012年

落球探査による地盤物性評価手法
「トリクレーター®

簡便かつ迅速に道路や盛土の品質を確認

盛土や地山の物性評価として一般に実施されている平板載荷試験や現場CBR試験などは、比較的大掛かりな反力装置を要し時間や労力がかかることから、試験頻度に限界があります。一方、品質管理の観点では、盛土などの物性を全体的に評価しうる多点測定のニーズが高まっています。

トリクレーターは、加速度センサーを内蔵した球状底面の金属製重錘を地表に落下させ、着地時に得られる加速度応答から地盤の変形・強度特性を理論的で迅速に評価できる手法です。Hertz理論に基づき変形係数を同定し、地盤反力係数や現場CBR等へ変換できるほか、Vesić理論を応用して地盤の粘着力や内部摩擦角の評価にも展開できます。

特許出願中

図版:トリクレーターの実施状況

トリクレーターの実施状況

キーワード

落球探査、加速度応答、変形係数、強度定数、理論、迅速、簡便
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システム概要と測定原理

トリクレーターでは、迅速性や機動性を追及する一方、測定深度や精度などの性能面を重視し、重錘の質量約21kg、落下高さ50cmを標準仕様としています。これにより、操作や移動が人力で無理なく行われ、一般的な盛土施工で実施される層厚(30cm)以上の深度を測定対象とすることができます。システムとしては、加速度センサーを内蔵した重錘とパソコンを接続した機器から構成され、1回の測定はほぼ瞬時に終了し、同時に加速度波形や変形係数などの計算値が表示されます。

変形係数の評価は、Hertzによる弾性球体(重錘と地球)の衝突理論に立脚しており、地盤が軟らかいほど重錘着地時の接触時間は長く、硬いほど短くなる挙動(加速度応答)を利用して変形係数を評価します。また、Vesićによる球空洞の拡張理論に基づき、強度定数である粘着力や内部摩擦角も評価可能となります。

以上のように、地盤物性の理論的評価に加え、操作の迅速性から1地点につき落下位置を移動させながら多数回の繰返し測定を行う平均処理により、測定値の信頼性が一層高まるので、道路や鉄道をはじめとする土工現場で豊富な適用実績を有しています。

図版:システムとしての機器構成

システムとしての機器構成

図版:変形係数に関する測定原理

変形係数に関する測定原理

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特長・メリットココがポイント

変形係数の評価

各種の盛土において、トリクレーターと平板載荷試験で測定された変形係数を比較しました。

  • 粘性土から礫質土までの幅広い地盤材料および安定処理土に対して良好な相関性を示しています。
  • 重錘の底面が球状で落下エネルギーが大きいため、礫粒子や地盤面不陸の影響が緩和されます。
  • 締固めの従来管理指標である乾燥密度に比較して、変形係数は、転圧回数に伴う変化が敏感で、性能設計の面からも今後のニーズが期待されます。

図版:変形係数の比較

変形係数の比較

地盤反力係数の評価

変形係数は、地盤反力係数をはじめ現場CBRやN値などに変換できます。変形係数から理論的に地盤反力係数へ換算した結果と実測結果を比較しました。

  • 広範囲な地盤材料に対して、良好な相関性が得られています。
  • 平板載荷試験や現場CBR試験と同等の結果を迅速に評価できるので、補完または代用として有効です。

図版:地盤反力係数の比較

地盤反力係数の比較

強度定数の評価

強度定数である粘着力や内部摩擦角を、三軸圧縮試験結果と比較しました。

  • 内部摩擦角が卓越するφ材に対して、別途評価した内粘着力cを仮定(c材に対してはφを仮定)することで、強度定数を評価できることを確認しました。

図版:内部摩擦角の比較

内部摩擦角の比較

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適用実績

図版:南武線稲城長沼駅付近高架橋

南武線稲城長沼駅付近高架橋

場所:東京都稲城市

竣工年:2012年9月

発注者:東日本旅客鉄道

規模:延長4.3km

図版:常磐自動車道石神

常磐自動車道石神

場所:福島県南相馬市

竣工年:2011年12月

発注者:東日本高速道路

規模:延長8,367m

図版:北陸新幹線白山総合車両基地路盤他

北陸新幹線
白山総合車両基地路盤他

場所:石川県白山市

発注者:鉄道建設・運輸施設整備支援機構

図版:舗装構造評価に関する簡易試験法の適用検討業務/重錘落下試験の空港舗装への適用性検討業務

舗装構造評価に関する
簡易試験法の適用検討業務/
重錘落下試験の空港舗装への
適用性検討業務

場所:東京都大田区

調査日時:2009年11月

発注者:港湾空港技術研究所

規模:コンクリート床板および床板間の間詰めコンクリートを調査対象

学会論文発表実績

  • 「落球探査を用いた土構造物の施工管理に関する一考察」,土木学会第61回年次学術講演会Ⅲ,2006年
  • 「落球探査手法による砂礫盛土の締固め管理」,地盤工学会第42回地盤工学研究発表会,2007年
  • 「落球探査による盛土の施工管理」,土木学会第64回年次学術講演会Ⅲ,2009年
  • 「落球探査による支持地盤の地耐力評価」,土木学会第66回年次学術講演会,2011年
  • 「落球探査法による地盤物性の迅速評価」,電力土木,No.360,2012年7月

空隙自己充填材「FSB®

自然流下状態で使用できる地盤中の空隙充填材

地盤や土構造物では、変形や地震などによって微細な空隙やクラックが生じることがあります。このようなクラックの補修方法としては、一度撤去して再び復旧する方法、セメントや薬液などの固化材を充填する方法がありますが、施工期間の長期化、充填時の圧力によってクラックがさらに広がる可能性、地盤との強度差による不連続面の形成が懸念されます。

そこで、このような地盤や土構造物に生じたクラックなどの補修を目的として、自然流下で施工できる安価な自己充填材FSB(Flexible Soil Blend filler)を開発するとともに、水中施工を可能にした水中用FSBも開発しました。

特許登録済

図版:FSBの外観

FSBの外観

キーワード

自己充填材、自然流下、クラック、補修、土構造物、盛土、水中不分離性、水中施工
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他工法との比較

地盤や土構造物にクラックが生じた場合は固化材充填による補修が一般的ですが、岩盤やコンクリートと比較すると強度が弱い地盤や土構造物は、高い圧力で固化材を充填することで既存のクラックを拡げる恐れがあります。一方、高密度で高流動性を保有するFSBは圧力を作用させずに自然流下状態で充填できるため、クラックの拡大や既存構造物への影響を懸念することなく補修することができます。さらに、強度は任意に調整可能であり、現場に応じた最適な特性とすることができます。また、このFSBの特性を生かして、フィルダム堤体の地震によるクラック等の被災状況調査に利用することができます。

図版:クラックへのFSB充填状況

クラックへのFSB充填状況

図版:他工法との比較

他工法との比較

特長・メリットココがポイント

優れた物理特性

圧力をかけることなく自然流下状態で使用できます。

  • 高密度
  • 高流動性
  • 材料分離抵抗性
  • 水中不分離性(水中での使用時のみ付与)

図版:1mmスリット通過試験

1mmスリット通過試験

施工に適した力学特性

破壊ひずみが大きく、脆性的に破壊されることがありません。また、強度は自由に調整できるため、現場に応じた調整が可能です。

図版:応力~ひずみ曲線の一例

応力~ひずみ曲線の一例

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水中施工も可能

水中用FSBは混和剤を添加することで実現しました。写真に示すとおり、混和剤添加によって水中不分離性が向上することが分かります。

図版:混和剤の添加有無による水中不分離性の違い

混和剤の添加有無による水中不分離性の違い

適用実績

図版:山倉ダム第一堰堤強化

山倉ダム第一堰堤強化

場所:千葉県市原市

竣工年:2004年3月

発注者:千葉県

規模:堤体積53万m3

図版:首都圏中央連絡自動車道新治

首都圏中央連絡自動車道新治

場所:千葉県茂原市

発注者:東日本高速道路

規模:延長21.6km

学会論文発表実績

  • 「岩手・宮城内陸地震による胆沢ダムフィル堤体の被災復旧概要」,ダム工学,2008年

近赤外線水分計による水分量モニタリングシステム

盛土材料の水分量をリアルタイムに計測

水分量モニタリングシステムは、近赤外線水分計を用いて土砂の水分量をリアルタイム(迅速かつ連続的)に測定するシステムです。セメント改良土を用いた盛土やCSG(Cemented Sand & Gravel)ダムなどの施工において、工事現場周辺で発生する土砂を盛土材料として用いる際、盛土材料の選別や水分量管理に本システムを活用することができます。

従来の炉乾燥法などでは、測定時間が掛かり測定頻度も少なかったのに対し、本システムにより含水比のばらつきを迅速に把握できるので、密度や止水性といった盛土のばらつきを低減する品質管理に反映できます。

特許出願中

図版:CSG製造プラントに設置した近赤外線水分計

CSG製造プラントに設置した近赤外線水分計

キーワード

水分計、近赤外線水分計、水分量、含水量、含水比、品質管理、土質材料、セメント改良土、CSG工法、台形CSGダム

システムの概要

近赤外線水分計は、対象材料に含まれる水分量に応じて波長が減衰するという近赤外線の特性を利用して水分量を迅速に測定する計測方法です。鹿島は、食品分野などで実績がある近赤外線水分計を、建設現場の施工環境下で使用できるように改良しました。本システムによって、ベルトコンベア上を移動する盛土材料の水分量を連続的に測定することができます。

従来、盛土材料の品質管理では、使用する盛土材料の水分量(含水比)を1~2回/日の頻度で測定しています。また、台形CSGダムでは、CSG製造時の品質管理として、1回/1~2時間の頻度で水分量を測定します。鹿島では、本システムをCSG製造プラントやセメント改良土製造プラントなどにおける盛土材料のリアルタイム水分量モニタリングに利用し、盛土材料の選別や水分量管理に活用することで、盛土の品質を高めることができます。

図版:CSG製造プラントにおける水分量モニタリングシステム活用状況(大滝地区地すべり対策工事)

CSG製造プラントにおける水分量モニタリングシステム活用状況
(大滝地区地すべり対策工事)

図版:水分量(含水比)のリアルタイム測定結果例

水分量(含水比)のリアルタイム測定結果例

特長・メリットココがポイント

リアルタイムの
水分量把握による詳細な品質管理

従来の測定方法では困難だった水分量のリアルタイムな把握が可能となり、これによってより詳細な品質管理が可能となります。

  • JISで規定される炉乾燥法の測定時間は12~24時間/1回試料、電子レンジ法の測定時間は5~10分/1回、RI法の測定時間は1分程度/1回
  • 近赤外線水分計は10秒程度/試料

図版:水分量(含水比)の測定に要する時間の比較

水分量(含水比)の測定に要する時間の比較

様々な地盤材料への適用が可能

これまでに、以下に示すような多様な地盤材料に対して適用しています。

  • 砂質土
  • 砂礫、CSG材
  • 粘性土
  • セメントなどによる改良土、安定処理土

図版:適用した地盤材料の例

適用した地盤材料の例

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適用実績

図版:大滝地区地すべり対策

大滝地区地すべり対策

場所:奈良県吉野郡

竣工年:2011年12月

発注者:国土交通省近畿地方整備局

規模:CSG盛土工22.5万m3
水中不分離コンクリート2.5万m3
鋼管杭工64本(Φ800 L=33.5~55.5m)

ダム技術 インデックス

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