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液状化対策技術

部分固化による液状化対策

3次元液状化解析で最適な対策形状を検討し対策コストを低減

従来、機械撹拌工法や高圧噴射撹拌工法による液状化対策は、対象地盤の全面的な改良を前提としていましたが、近年、既設構造物の対策をはじめ高度で多様な液状化対策が求められており、合理的かつ経済的な改良形式が重要となっています。

改良形式にはブロック状、壁状、格子状、杭状などがあり、水平固化盤と鉛直固化壁を組み合わせたJAMPS工法、アーチ状に改良するグラウナーチ工法など複雑な形式を開発・適用してきました。部分的な改良による液状化対策は、改良のレベル、規模、形状に応じて、各改良形式の有する安定性、施工性、経済性などを十分評価した上で、適切な形式を選定する必要があります。

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図版:平面的な全面改良と部分改良の例

平面的な全面改良と部分改良の例

キーワード

液状化対策、機械撹拌工法、高圧噴射撹拌工法、全面改良、部分固化、接円、千鳥、格子状、沈下抑制、
水圧抑制、コスト低減
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3次元液状化解析システムによる部分固化地盤の液状化評価

部分固化改良工法による液状化対策の効果を評価するには、液状化地盤や液状化対策範囲をモデル化して地震時の動的挙動を確認する模型実験や数値解析が有効です。また設計では、模型実験で得られた地盤の挙動を再現できる解析手法・解析ノウハウをベースにした数値解析による評価が欠かせません。例えば、液状化対策として固化改良体を杭状で千鳥配置した場合、3次元または2次元で対象改良地盤をモデル化し、改良地盤全体の液状化抵抗性を定量的に評価することができます。

3次元液状化解析システムは、港湾空港技術研究所が開発した液状化解析プログラムFLIPの液状化構成モデルを3次元に拡張して、鹿島開発の汎用非線形動的解析プログラムに導入したものです。当社では、部分固化で改良した地盤の液状化実験を通じ、モデル化手法並びに数値解析手法の妥当性を確認しています。本解析システムにより、構造物・地盤・改良体の3次元形状を考慮した液状化解析による改良地盤の過剰間隙水圧、変形、応答加速度等の評価が可能となるため、より安全で合理的な液状化対策工の評価・提案が可能になります。

図版:杭状の改良体を配置した地盤モデルの3次元解析結果の例

杭状の改良体を配置した地盤モデルの3次元解析結果の例

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特長・メリットココがポイント

模型実験/数値解析による液状化対策効果の検証

部分固化改良形式の違い(杭状、格子状)による未改良地盤の沈下性状を、動的遠心模型実験で確認しました。杭状形式では、改良率の増加に伴い、改良体によるせん断変形の抑制や摩擦抵抗の増大に起因して沈下が抑制され、同じ改良率の格子状形式に比べても沈下の低下する傾向がみられました。この挙動は数値解析でも再現できることを確認しました。一方、杭状形式に比べ、未改良部を閉合されている格子状形式の方が、過剰間隙水圧の上昇はやや抑制され、消散速度も速い傾向がみられました。

図版:遠心加速度を利用した模型実験(動的遠心模型実験)で確認した各改良形式による地表面の沈下状況

遠心加速度を利用した模型実験(動的遠心模型実験)で確認した各改良形式による地表面の沈下状況

図版:杭状形式/格子状形式における過剰間隙水圧の変化性状

杭状形式/格子状形式における過剰間隙水圧の変化性状

対策工のコストダウン

2次元解析では効果を十分に評価できない液状化対策工も、3次元解析を行うことで、効果を適切に評価できます。3次元解析技術に基づく評価により、より合理的な液状化対策工を選定し、かつ設計できるようになります。その結果、液状化対策工のコストダウンを実現できます。

構造物の地震時安全性向上

3次元液状化解析システムは地盤だけでなく、それに支持される構造物の動的非線形特性も詳細にモデル化することができます。これにより液状化時における構造物の地震時安定性を高精度に解析・評価できるため、構造物の安全性向上にもつながります。

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適用実績

図版:震災液状化対策路盤改良

震災液状化対策路盤改良
(格子状配置)(衣浦ヤード)

場所:愛知県碧南市

竣工年:2007年9月

発注者:トヨタ自動車

規模:地盤改良工 
タイプⅠ φ2.5m 1,055本 造成延長6,712m
タイプⅡ φ3.5m 32本 造成延長271m
タイプⅢ φ4.5m 46本  造成延長527m

図版:名港LPG基地護岸流動化対策

名港LPG基地護岸流動化対策
(格子状配置)

場所:愛知県名古屋市

竣工年:2009年2月

発注者:東邦液化ガス

規模: 地盤改良工
Φ2.5m L=16.5m 135本
Φ2.5m L= 1.6m 2本
Φ3.0m L=16.5m 10本
Φ3.5m L=16.5m 7本

図版:大阪港北港南地区岸壁改良

大阪港北港南地区岸壁改良
(接円配置)

場所:大阪府大阪市

竣工年:2011年3月

発注者:国土交通省近畿地方整備局

規模:タイプⅡ,Ⅲ34,700m3
地盤改良工
φ3.2m 135本 造成延長2,397.9m
φ4.5m 45本 造成延長686.4m

図版:岸壁の液状化対策

岸壁の液状化対策(接円配置)

場所:愛媛県

竣工年:2012年6月

規模:施工対象土量8,579m3
地盤改良工 φ3.0m L=8.0m 17本

学会論文発表実績

  • 「遠心力載荷試験装置による杭式改良地盤の液状化実験─その1 実験概要・水圧挙動─」,第46 回地盤工学研究発表会,2011年
  • 「遠心力載荷試験装置による杭状改良地盤の液状化実験─その2 地表面沈下─」,第46 回地盤工学研究発表会,2011年

薬液改良地盤の性能評価技術

性能を評価することで、設計を合理化しコストを低減

近年、注入材の性能やカーベックス工法等の注入技術の向上によって、薬液注入工法を液状化対策として適用する事例が増加しています。鹿島はこれまで、注入材、注入技術、注入管理技術(注入工事の3次元管理・支援システム)といった施工技術の他に、薬液改良地盤の性能評価技術の開発に取り組んできました。薬液改良地盤の性能を適切に評価することで、液状化対策が必要な施設において、品質並びにコストに優れた対策を行うことができます。

図版:薬液注入工法のイメージ図

薬液注入工法のイメージ図

キーワード

薬液、注入、物性、設計、評価、施工管理、品質管理、試験
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各種技術の内容

鹿島では、薬液改良地盤の物性評価から性能評価までの各種技術を活用することで、品質を確保しつつコストを抑えた液状化対策を行うことができます。性能評価技術は大きく分けて、薬液改良地盤の改良範囲確認技術、物性評価技術、簡便な変形性能評価技術、高精度な挙動評価技術(三次元液状化解析)であり、これらの技術は設計、施工、品質確認の各段階で活用できます。

例えば、薬液改良地盤の液状化対策効果を確認する際は、以下のような流れで検討します。まず、①注入工事の3次元管理・支援システム等で可視化した注入実績を参考にして、ボーリング調査や非破壊調査等を行って改良範囲を把握します。次に、②サンプリングした試料土を対象に室内試験を行って、薬液改良地盤の物性値を評価します。そして必要に応じて、③数値解析等を行って薬液改良地盤の変形性能を把握することで、薬液改良による効果を適切に評価できます。

図版:薬液改良地盤に関する保有技術

薬液改良地盤に関する保有技術

図版:薬液改良地盤の液状化対策効果確認フローの一例

薬液改良地盤の液状化対策効果確認フローの一例

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特長・メリットココがポイント

薬液改良地盤の様々な物性を適切に評価

薬液改良地盤からサンプリングした試料土を対象に各種室内試験を行うことで、性能評価に必要となる様々な物性を適切に評価できます。

  • 一軸圧縮試験、多機能繰返し三軸試験によって、薬液改良地盤の強度性能、変形性能を評価できます。
  • 針貫入試験、シリカ含有量試験によって、薬液改良地盤の詳細な強度分布を把握できます。
  • 超音波速度測定試験、ベンダーエレメントによって、薬液改良土の変形性能を評価できます。

図版:針貫入試験

針貫入試験
※針を貫入したときの貫入抵抗を計測する試験

改良範囲を的確に把握

技術を組み合わせることで、薬液改良地盤の改良範囲を的確に把握できます。

  • 注入工事の3次元管理・支援システムによって、注入実績を可視化して把握できます。
  • 比抵抗トモグラフィによって、定性的に改良範囲を把握できます。
  • 上記技術に基づいてボーリング調査を行うことで、改良範囲を的確に把握できます。

図版:比抵抗トモグラフィーによる改良範囲の確認

比抵抗トモグラフィーによる改良範囲の確認
図中の白破線は改良地盤の形状を示す。薬液改良地盤の比抵抗は、未改良地盤と比べて小さくなる。トモグラフィーで地盤の比抵抗の分布を計測すると、改良範囲を確認できる。

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簡易かつ迅速に必要な改良範囲を評価

構造物や地盤の変形量(鉛直変位、水平変位)を目標の変形量に抑えるための改良範囲を、簡易かつ迅速に評価できます。

  • 性能評価チャートを用いることで、必要な改良範囲を簡易かつ迅速に評価できます。
  • 設計検討の初期段階で本手法を用いることで、液状化対策の概略の効果とコストを把握でき、工法の選定に役立てることができます。
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杭基礎・液状化層厚7.0mに対する改良範囲の設計例

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直接基礎・液状化層厚5.0mに対する改良範囲の設計例

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高精度で地盤の挙動を評価

高い信頼性が求められる場合には、液状化解析を行うことで、高精度に地盤挙動を再現できます。

  • 3次元液状化解析システムを用いることで、薬液改良地盤の優れた変形抑制効果を再現し、地盤や構造物の応答を高精度に予測できます。
  • 巨大地震、重要構造物を対象とする場合に、信頼性の高い評価が可能です。

図版:薬液改良地盤のモデル化

薬液改良地盤のモデル化
繰返しせん断応力が作用したときのせん断応力とせん断ひずみの関係を整理しています。薬液で改良された地盤は、大きなせん断力が作用しても液状化しません。数値解析で、粘り強い薬液改良地盤の応力~ひずみ関係を再現することができます。

図版:数値解析例

数値解析例
地震力が作用したときの地盤の応答変位の分布図です。薬液で改良された地盤の応答変位は、未改良地盤に比べ低減します。

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適用実績

図版:旧法特定タンク(T-206)新基準適合化

旧法特定タンク(T-206)
新基準適合化

場所:三重県四日市市

竣工年:2011年1月

発注者:三菱化学

施工目的:液状化対策

規模:Ф1,200~2,250 総本数32本
総削孔長1,300m 総注入量197m3

学会論文発表実績

  • 「液状化地盤の薬液改良による変形抑制効果(その1)」,地盤工学会第36回地盤工学研究発表会,2001年
  • 「液状化地盤の薬液改良による変形抑制効果(その2)」,地盤工学会第36回地盤工学研究発表会,2001年
  • 「薬液注入による液状化対策の性能設計」,KTIシートTX-056

液状化対策技術 インデックス

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