伝統的な日本の形式を踏襲した外観「ひさし」と「のれん」が
銀座らしさを護り人々を迎え入れる。

東京の顔ともいうべき繁華街「銀座」。2017年4月20日、銀座エリア最大規模の複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」が誕生した。その名称は銀座6丁目というロケーションに由来するが、同時に「五感を超越した喜びや満足など新たな価値を提案する」「6つ星級の価値をもった施設である」ことを表現している。設計は日本を代表する建築家の谷口吉生氏と当社建築設計本部の協働で行われた。銀座のあらゆる路地から見えてくる建物が一目でGINZA SIXだとわかるように、ステンレス製のひさしがオフィスの入る上層階をぐるりと巡る。建築全体を統一する「ひさし」が変わらないのに対し、「のれん」は将来、店舗や流行が変化した場合に掛け替えることで新しいイメージを生み出すことが可能となり、時代とともに風景を変える。

GINZA SIX

GINZA SIX誕生

江戸時代初期に銀貨鋳造所が設置されたことからその地名がついた「銀座」。日本一地価が高いことでも知られ、言うまでもなく日本の商業をけん引する最先端の街だ。全国各地の商店街に「○○銀座」と呼ばれる所がそこかしこに見受けられることからも、銀座という名のブランド力がうかがえる。

GINZA SIXは松坂屋銀座店跡地を含む街区(銀座6丁目10番)と、隣接する街区(銀座6丁目11番)の2つの街区約1.4haを一体的に整備した市街地再開発事業によって建てられた施設である。2街区の間を走る区道を敷地西側の三原通りに付け替え、新しい大きな街区を創出したことで銀座エリア最大級の複合施設が誕生した。

GINZA SIX 周辺地図 GINZA SIX 周辺図

ユニバーサルデザインに対応
観世能楽堂

銀座を訪れる人々に憩いや
交流の場を提供する

銀座の空に浮かぶ屋上庭園「GINZA SIX ガーデン」。イベントなどへの活用を重視した広場空間であり、広場は芝生敷きと水を抜くことで平面利用も可能な水盤の2種で構成され多様なアクティビティを実現する。国内外の観光客向けには、全国各地の魅力を発信するツーリストサービスセンター「TERMINAL GINZA」を設置し、観光案内や外貨両替、手荷物一時預かり・宅配などの便利な機能をワンストップで備え「観光案内所の観光地化」を図る新しい旅の楽しさと出会う場所となる。また、日本の伝統芸能「能楽」の活動拠点である「観世能楽堂」を渋谷区松濤から「GINZA SIX」に移転。これまで数々の演技を支えた総檜の舞台をそのまま移築したたけではなく、座席数は480席、多目的ホールとしてさまざまな催しへの貸出しも予定しており、創造的な舞台として活用できるようになっている。さらに、段差を極力無くし、多目的トイレや車椅子席を設置するなどユニバーサルデザインに対応。日本の伝統文化の発信拠点として、国際的な観光地の銀座を支える役割を果たす。

GINZA SIX ガーデン TERMINAL GINZA

FLOW

作業工程

解体前の銀座6丁目計画
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解体前の
銀座6丁目計画

作業構台上で作業が進む
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作業構台上で
作業が進む
(2015年4月)

地下躯体解体の様子
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地下躯体解体の様子
(2015年6月)

逆内工法での地下掘削工事の様子
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逆内工法での
地下掘削工事の様子

地下スロープを支える柱部分の掘削
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地下スロープを
支える
柱部分の掘削

4基のタワークレーンで躯体工事を行った
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4基のタワークレーンで
躯体工事を行った
(2016年2月)

地下連絡道路掘進用の泥土圧式
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地下連絡道路
掘進用の
泥土圧式
シールドマシン

シールドマシンが掘削した短形断面地下道路
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シールドマシンが
掘削した短形断面地下道路

GINZAを造る

2013年7月松坂屋銀座店を含む一帯の解体工事に着手、2014年4月に新築工事が始まった。工程のクリティカルになるのが地下工事。地下水位が深さ10.9mに対して、建物の深さが34.5m。万が一地下水が場内に流入すると工事に影響が出る。水の侵入を防ぐ山留壁を地下65mの難透水層まで貫入させ、ドライな環境を確保することが必要不可欠だった。また、短工期を実現すために、躯体工事は逆打工法を採用した。1階床を先行して構築し、地上階と地下階を同時に施工する工法。地下は1フロアごと順々に下がって躯体を構築していくのが一般的だが、当現場では、1階~地下2階~地下4階と2フロアごとに施工を実施。そうすることで構築した地下2階部分から地下1階の躯体工事施工が可能となり、より効率的に工事が進められた。また、逆打工法を採用することで、順打工法と比べて大幅に工事中の粉じんの飛散や騒音の低減や、周辺地盤への影響も最小限に抑えるなど、銀座の地で工事をする上で最大限の工夫を行った。

地下工事図 地下工事図

地下連絡通路工事、
建築と土木の融合で
さらなる利便性の向上へ

さらなる利便性向上のため「GINZA SIX」までの地下連絡通路の整備も実施。新たにできた地下通路は、晴海通り直下の既存地下通路とGINZA SIXの地下2階を結ぶ歩行者専用通路。地上に出ることなく東京メトロ「銀座駅」、東京メトロ・都営地下鉄「東銀座駅」との往来が可能となった。矩形断面の通路は、当社の独自工法である「EXMAC工法」で構築する(シールド掘進距離109m)。2016年12月14日に晴海通り側の立坑からシールド機が発進。周辺の交通量が多いことから夜間に限定して掘進作業を進めた。

地下連絡通路図

GINZA SIX

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