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学校・教育施設

No.5

新しい学びを支えるICT

ICT化推進をコンサルティング

鎌倉学園は、時代のニーズや新たな学習の在り方に対応すべく、校舎のICT化推進を最重要課題とされていました。そこで2014年春の中央棟改修工事の着手に併せて、ICT化推進のための構想づくりから実現に至るまでのコンサルティング業務を担当させていただくことになりました。

まずは先生方の代表で構成されるICT委員会を設立し、現状のICT環境を調査。他校の事例なども紹介しながら意見交換をし、今後の課題抽出を行っていく中、「校内どこでも利用可能なネットワークで、学習のチャンスを増やす」という共通目標を定め、委員会内でさらに議論を進めていきました。

各教室にどのようなICT環境を整備すべきなのか、授業利用時のイメージを膨らますことができるよう、改修後の授業風景をいくつか想定し、教室ごとに提案を行いました。例えば、マルチスペースと命名された特別教室では、アクティブラーニングが実現可能な教室として、板書とパソコン画面を併用できるICT環境をご紹介しました。

この中で最も注目が集まったのは普通教室の検討です。タブレット端末の画面をすぐに映し出せる環境がほしいとのご要望には、無線LAN環境の整備に加え、電子黒板機能付きのディスプレイやプロジェクタを使った設置案を数種類ご提案しました。例えば、黒板中央にプロジェクタを取付ける案、黒板の隣に壁付でディスプレイを設置する案、両方を設置するハイブリッド案などです。しかし、教室によっては日当たりにより画面が見づらくなるのではないか、ディスプレイは高精細だが、果たして後方からもはっきり見えるのか等々、実際に使ってみないと評価がしにくいとのご要望があり、複数メーカの協力を得て試験的に1か月ほど実機を設置し、試行できる環境をご提供しました。これにはメンバー以外の先生も参加いただき、普通教室用のICT機器を設置した中央棟特別教室にて十分に検討の上、ご納得のいく結論をされたのではないかと思います。

2014年秋からは、具体的な機種選定や見積精査などの多様な業務について、専門的な立場からサポートをさせて頂くことになりました。たとえば、各先生と個別にヒアリングを行い、プロジェクタやディスプレイ、LANコンセントなどの最適な位置を決定し、それが工事の照明や空調と干渉が生じないかなど、現場事務所と密に連携し、限られたスペースの中でご要望の場所に設置ができるよう調整を行いました。

改ページ

新たな環境で始まった授業や校務のICT活用

ICT環境は、校舎の改修工事に合わせて3期に分けて整備されます。1期工事として2015年春に改修工事が終了した中央棟では、全館無線LAN環境の整備を始め、全普通教室、特別教室、図書館にプロジェクタ導入、校門前のピロティや職員室前、カフェテリアにデジタルサイネージ(電子掲示板)を設置し、授業変更や部活動の連絡周知などの情報発信が活発に行われています。

2016年春には2期目となる東棟の改修工事が完了し、ICT機器を利用できる環境がさらに拡大しました。美術教室や社会科教室、音楽教室などの特別教室では、授業のみならず部活動でも積極的にICT機器を活用されているようです。

図版:普段の授業からタブレット端末を利用し、先生と生徒の双方向な授業が実現

普段の授業からタブレット端末を利用し、先生と生徒の双方向な授業が実現

図版:特別教室で反転授業を試行し、生徒ひとりひとりの学びのペースにあわせた授業スタイルを実施

特別教室で反転授業を試行し、生徒ひとりひとりの学びのペースにあわせた授業スタイルを実施

図版:デジタルサイネージで、登校時にその日の予定を確認できるようになり、生徒・先生の円滑な情報伝達が実現

デジタルサイネージで、登校時にその日の予定を確認できるようになり、生徒・先生の円滑な情報伝達が実現

図版:職員会議などでタブレット端末を活用し、短い時間での情報伝達、ペーパレス化による校務の効率化が実現

職員会議などでタブレット端末を活用し、短い時間での情報伝達、ペーパレス化による校務の効率化が実現

進化を続けるカマガクのICT環境

2015年春の中央棟竣工後からは、生徒と一緒にこれからの鎌倉学園ICTを創り上げたいという先生方の想いから、ICT委員会に生徒代表が加わりました。ICT機器の活用を織り交ぜた新しい授業スタイルの検討に加え、先生や生徒が安全で快適にICT環境を使うためのルールづくりなども生徒の意見を加味して議論されています。また、すべての改修工事が完了する2017年春以降を見据えて、タブレット端末の追加導入や生徒の持込端末利用など、ICT環境の拡充も議論が始められています。

先生と生徒が共に取り組むICT化の推進によって、これからどんな新しい「カマガクスタイル」が創り出されるのか、鹿島ICTチームとしても今後の展開に期待を寄せています。

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