仕事内容

【仕事内容】私は現在、技術研究所の建築解析グループに所属しています。機械学習を活用した新しい建設技術の研究開発と、行動シミュレーションシステムの開発、建設プロジェクトへの適用が主な業務です。行動シミュレーションとは人間の行動をモデル化してそれらを相互作用させることで複雑な現象をコンピュータ上で再現するものです。たとえば駅の改良工事では、駅構内の一部を仮囲いし歩行スペースを制限する必要があります。その際、歩くスピードなど歩行者一人ひとりの行動特性を設定してシミュレーションすることにより、現実に近い人の流れを再現し、混雑の激しい場所や危険な場所を推測することが可能です。また設計においては、建物の揺れや風の流れの数値シミュレーションが行われますが、その精度向上と高速化を目指した、機械学習と数値シミュレーションの融合にも取り組んでいます。

ONE DAY SCHEDULE

  • 9:30

    出社。フレックスタイムを利用。

  • 10:00

    機械学習に関する論文を読むなど思考する時間。

  • 11:00

    アイデアに基づいてプログラムを書く。

  • 13:00

    社内から寄せられるAIに関する相談に対応。

  • 15:00

    東京・赤坂の本社とSkype会議。

  • 17:00

    機械学習の勉強会開催。

  • 19:00

    退社。

プロジェクトストーリー

自らの興味と社会のニーズ、
その一致が、新たなプロジェクトを生んだ

【プロジェクトストーリー01】現在、私が取り組んでいる機械学習は、AI(人工知能)の研究分野の一つであり、コンピュータにデータを学習させ、そこに潜むパターンや法則を見つけ出す技術です。私はかつてITソリューション部に所属していましたが、当時個人的に興味を持っていたのがAI分野。仲間と開催していた自主勉強会をきっかけに、調査・研究プロジェクトが発足し、業務として携わるようになりました。自分がやりたいと思っていたことと、社会・会社のニーズが合致してプロジェクトはスタート。現在、さまざまな分野でAIの活用が進みつつありますが、それは建設業界も同様です。たとえば、建設業界では人手不足が慢性的な課題となっており、また危険な作業も少なくありません。機械学習を活用した重機の自動運転など、さまざまな課題解決にAIの力が求められています。

建設における生産性、品質の向上
建設プロセスを変える革新的な技術を

【プロジェクトストーリー02】プロジェクトでは一つのテーマを追求するのではなく、機械学習の技術を建設業に適用するさまざまな研究開発を行っています。先に述べた、重機の自動運転や数値解析と機械学習の融合、建設プロセスで発生するさまざまなデータの統合・分析など、多岐に及びます。2018年には研究グループ横断で「AI×ICTラボ」という組織を編成、これらの研究開発をさらに加速させています。それらの成果として期待されているのが、建設における生産性、品質の向上や建設プロセス自体を変えるような革新的な技術の創出です。また、機械学習に関しては私が他のメンバーを技術的にリードする立場であり、自身の研究テーマの遂行以外にも、継続的な勉強会の開催や技術情報の共有など、機械学習技術の普及・展開も積極的に行っています。そのため、自身の能力向上に向けて必死で勉強する日々です。

建設業の課題解決にAIを活用し
建設業全体の大きな前進を夢見る

【プロジェクトストーリー03】まだ誰もやったことがない分野にチャレンジできることにやりがいを感じています。AIは急速に進歩しており、社会全体にインパクトを与えつつあります。一方で、建設業はまだそれらの恩恵をあまり受けられていないように思われます。しかし、それは裏を返せば、まだまだ伸び代ろがたくさんあるということです。AIが建設業の課題解決に有効に活用できることを示し、そのノウハウが確立できれば、鹿島のみならず建設業全体が大きく前進できると思っています。その実現に向けて更なる専門性を身に着けるため、海外留学と博士号取得を直近の目標にしています。高度な知識と技術を身に付け、国内外のAIの専門家とも対等に話せる存在として、建設業におけるAI活用の最先端を切り拓いていきたいと考えています。

※原稿は取材当時のものです。

※原稿は取材当時のものです。

社員紹介
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