プロジェクトストーリー
生産工場新設の基本計画プロジェクトで、
プラントの核心部分、プロセス設計を担当
【プロジェクトストーリー01】入社以来、物流設備の施工や設計を担当してきましたが、入社2年目に、食品・医薬品原薬メーカーの生産設備新設の基本計画プロジェクトで、はじめてプロセス設計を担当。私にとって、技術者として一つの節目となるプロジェクトであり、強く印象に残るものとなりました。プロセス担当とは、原料から製品に至る一連の生産プロセス全体を設計することであり、プラント建設で最も重要な核心部分ともいえます。プロジェクトは、50m×50mの敷地に製糖プラントを建設するという大規模なもので、まずは設計に向けた要件を設定していく作業から着手しました。お客様の漠然とした要望を明確化して、仕様・スペックに落とし込んでいく取組みです。それらを通じて、生産設備仕様、レイアウト、生産設備間の配管を検討し決定、基本計画書を策定しました。
製品の安心・安全を確保する
「GMP」に準拠した新工場を創出する
【プロジェクトストーリー02】このプロジェクトのテーマの一つが、プラントとしての要求水準を満たすだけでなく、「GMP(Good Manufacturing Practice)」に準拠した生産設備とすることでした。GMPは、医薬品や食品等に関する国際的な製造管理及び品質管理基準。たとえば、製品の汚染や品質低下を防止するため、工場内の各ゾーニングで清浄度を明確に分けるなど、医薬品製造においてGMP準拠は必須のこととされています。GMPに準拠した生産体制であることは、製品の安心・安全を確保し、製品の信頼を担保する重要な要素。したがって、単に生産設備を設置し配管でつなぐだけなく、GMPを念頭に設計を進める必要がありました。そのため、稼働中の工場での、品質管理や操作性、安全性の課題を検討・把握し、改善点を基本計画に盛り込むなど、多面的なアプローチでプロセス設計を進めました。
配管、計装の設計図「P&ID」の取組み
プラントそのものの図面を完成させた達成感
【プロジェクトストーリー03】プラント設計者として一つのカタチにしたのが、P&ID(Piping & InstructionDiagram)という配管、計装及び機器の機能的関係の設計図です。P&IDはプラントの基本設計を表わす図面であり、そこにプラントの構造や要素、制御がすべて明記される、プラントそのものといえる図面。これを書くためには、機械のみならず、流体や化学、電気、制御など多岐にわたる、幅広い知識が求められます。はじめての取組みであり、非常に苦労しましたが、要望変更による膨大な修正作業をクリアして完成。大きな達成感があり、技術者として成長を実感できました。今回は基本計画までが鹿島の担当であり、客先のプロジェクト実施判定後に、建設に向けた設計・施工の業者選定が行われます。是非、当社の手による設計・施工でプラントの完成を見たいと思っています。
※原稿は取材当時のものです。