プロジェクトストーリー
全国から注目を集める
「フルBIM」採用のパイオニア的建物
【プロジェクトストーリー01】現在、私は大阪・御堂筋に建築中の超高層ビルの設備施工を担当しています。同ビルは、地上25階、高さ116.35m、商業施設やオフィス、ホテルなどからなる複合ビルで、同業他社も含め全国的に注目されている建物。というのも、国内で「フルBIM」を設計・施工に採用したパイオニア的建築物だからです。「BIM(Building Information Modeling)」は設計や構造計算だけでなく、建築部材の選定、施工計画、コストなども含めて3次元モデルで総合的に管理するシステム。3次元の形状情報のみを扱うのではなく、建物に関するさまざまな情報をデータベースとして一元的に管理することで、業務効率化や意思共有を図ることができる画期的なツールです。業界各社ともに「BIM」の取組みを推進していますが、今回当社は設計から施工、さらには建物管理まで「フルBIM」の導入に挑戦しました。
合理化施工、最新のIT導入
新しい建築現場のカタチを目指して
【プロジェクトストーリー02】私はこの現場に途中から参加しましたが、上司から言われたのが、とにかく新しいことにチャレンジして欲しいということでした。その一つが合理化施工。たとえば、縦方向の排水管を通すために床、天井を貫通して設けられるパイプシャフト。物量が多いため、予め組み立てて現場に搬入し据え付けることで作業の合理化や不安全作業の低減を実現しました。また現場の報告、検査等で必要となる写真を情報端末で撮影し、そのまま書類に反映できる仕組みを採用し業務効率化を進めました。さらにVR(Virtual Reality=仮想現実)による完成パース、施工図面を建設現場に3次元で投影するMR(Mixed Reality=複合現実)など、最新のITツールを導入。設計や建築施工のメンバーとも連携する中で、働き方改革にもつながるような、新しい建築生産システムのカタチを模索しました。
何が最も大切なのか、自分の考えを持つ
周囲から信頼される技術者へ成長したい
【プロジェクトストーリー03】新しいことへのチャレンジは、立案、計画、検討、実行と非常にパワーが必要になります。さまざまな課題に対して、一人で抱え込んでいては解決できないことがほとんどであり、多くの人の意見を聞き、周囲を巻き込んでいくことを心がけています。その過程でより良いアイデアが生まれることも少なくありません。また、最適な設備環境のために何が最も適切なのか、自分の考えを持つことを大切にしています。現在工事を進めている建物は、2020年1月に竣工予定。完成すれば、御堂筋沿いで最大規模の超高層ビルとなります。この現場は「フルBIM」というはじめての取組みであり、技術者として多くの知識を吸収し、新しい経験を積む貴重な機会となりました。今後、多くの現場を経験し、「あいつに任せておけば大丈夫」と信頼される技術者に成長していきたいと思っています。
※原稿は取材当時のものです。