環境事業

藻場再生技術で未来を守る鹿島の挑戦

高校生による再生活動の風景

地域と連携した藻場再生活動で、脱炭素および自然再興に貢献

鹿島は、技術研究所の「葉山水域環境実験場」において1981年に魚介類養殖技術を開始し、2000年以降は20年以上にわたり藻場の再生技術についても研究してきました。2006年からは神奈川県三浦郡葉山町において地域と連携し、自社技術を活用した藻場再生活動を継続、持続可能な仕組み構築に取り組んでいます。

2024年からは熊本県葦北郡芦北町でアマモ場再生活動に取り組む高校生に対して、技術支援を行っています。本取組みでは、自治体や漁業協同組合、地域金融機関や地元団体などの様々なステークホルダーと共にふるさとの里海を守り、「産官学民金」連携により資金面や人材育成面での好循環の創出を目指しています。


葉山での取組


当社は、葉山水域環境実験場を拠点に、海草類であるアマモや大型藻類であるアラメ・カジメ等の種苗生産技術や移植技術などを開発してきました。

これらの保有技術を活用し、神奈川県三浦郡葉山町の沿岸域で進行する藻場の減退に対し、藻場の保全・再生活動を進めています。葉山水域環境実験場を拠点に、地域固有の大型海藻類であるアラメやカジメの種苗を採取・保存・培養し、葉山町漁業協同組合の協力のもと再生試験を実施、藻場の復活と機能回復を目指しています。

2006年に葉山町漁業協同組合、地元ダイビングショップ、葉山町立一色小学校と共に「葉山アマモ協議会」を設立し、ウニの除去活動やカジメの胞子散布、種苗設置などの藻場再生活動を展開しています。環境保全だけでなく、小学校での特別授業や児童によるアマモ苗づくりを通じて地域の教育活動にも貢献しています。

さらに、2023年には葉山町、湘南漁業協同組合葉山支所と「藻場の保全・再生及び漁業資源増殖のための連携協定」を締結し、地域連携を強化しました。これらの活動により、2022年度から2025年度まで、Jブルークレジット®を累計203.1 t-CO2獲得、今後も地域と連携した藻場再生活動を継続していきます。

葉山町の回復したカジメ場と群れる魚

葉山町の回復したカジメ場と群れる魚
撮影:山木克則(葉山水域環境実験場)

Jブルークレジット発行証書

Jブルークレジット®発行証書

熊本県芦北での取組


当社は、熊本県芦北町における藻場再生活動を支援し、地域環境の改善、持続可能なアマモ場再生活動の形成に取組んでいます。本取組みでは芦北町、芦北漁協、芦北高校、肥後銀行・水とみどりの愛護基金が連携し、アマモ場の再生やブルーカーボンクレジットの創出、環境教育などに取り組んでいます。2024年11月には6者による「芦北地域におけるアマモ場等の再生に関する連携協定」を締結しました。

芦北高校が長年継続している藻場再生活動に対して、当社の技術を活用し、アマモの種苗生産や環境調査など技術支援を行っています。また、アマモ場を題材とした出前授業や生徒の研究活動に対する技術的な助言などにより、次世代の教育育成の役割も担っています。さらに、温暖化による海水温の上昇に対応するため、「コアマモ」など暑さに強い種の研究も進めるなど新しい取り組みにも挑戦しています。2025年には熊本県初となるJブルークレジット® 31 t-CO2の創出に貢献しました。

本取組は環境省「令和の里海づくり基盤構築事業」にも採択されており、地域金融機関等と連携し、持続可能な自然環境の保全・再生の仕組みづくりの構築を図っています。

芦北町におけるアマモの分布調査

芦北町におけるアマモの分布調査

Jブルークレジット証書交付式に出席したプロジェクト関係者とJBE桑江朝比呂理事長

Jブルークレジット®証書交付式に出席したプロジェクト関係者とJBE桑江朝比呂理事長

芦北における取組みを構成するステークホルダー

芦北における取組みを構成するステークホルダー

今後の展開


当社は、これまでの藻場再生活動で培った技術と知見を活かし、今後も地域と連携してアマモ場等の再生を通じた海域環境の改善、生物多様性の保全およびカーボンニュートラル推進に尽力してまいります。