脱炭素

建設物のライフサイクルCO2排出は、建材製造時CO2が中心のサプライチェーン上流排出、施工時CO2が中心の自社排出、建物運用時CO2が中心のサプライチェーン下流排出があります。

施工時CO2(スコープ1、2)はライフサイクル全体の3%程度ですが、建設会社として直接的な責任があるため施工現場を中心に主体的な削減活動を実施します。

ライフサイクルCO2排出の多くを占めるのはサプライチェーン排出(スコープ3)です。この削減は鹿島グループだけでは難しく、建材メーカーや発注者などの関係他社との協働が必要となります。

鹿島グループのサプライチェーンCO2排出の概要

鹿島グループのサプライチェーンCO2排出の概要図。 左側の円グラフでは、CO2排出量内訳としてScope 3(サプライチェーン上流)が49%、Scope 3(サプライチェーン下流)が48%と、Scope 3が全体の9割以上を占め、自社排出(Scope 1+2)は3%であることを示しています。 右側のフロー図では、建材製造などの「上流排出」、施工時の「自社排出」、建物運用時の「下流排出」のプロセスに分け、それぞれ建材メーカー、自社努力、発注者等と協働して削減に取り組む姿勢を説明しています。

※ 1 主要な排出はカテゴリー1 購入した製品・サービス

※ 2 主要な排出はカテゴリー11 製品の使用

海外建設工事においては、施工時CO2のうち協力会社が排出する分はScope3となる。

  • スコープ1・2(施工時)排出量は、全排出量に対して3%程度
  • スコープ1・2は、施工現場を中心に主体的な削減活動を実施
  • スコープ3(建材製造時と建物運用時)排出量の削減には、関係他社との協働が必要

自社排出削減の取組み


KPIと目標

2050年度のカーボンニュートラルに向けて、2030年度および2026年度の削減目標を設定しました。建物/構造物の長寿命化や建物の省エネ改修など、SCOPE1・2・3に含まれないソリューション提供によるCO2排出の「削減貢献量」について、2026年度までに定量化と開示を目指します。

鹿島グループのCO2削減目標ロードマップ。 スコープ1+2(自社排出)、スコープ3(サプライチェーン排出)、および削減貢献量の3つの柱で構成されています。 スコープ1+2は2026年度に23%削減、2030年度に42%削減、2050年度にカーボンニュートラルを目指すグラフ。 スコープ3は2026年度に10%削減、2030年度に25%削減、2050年度に全カテゴリでカーボンニュートラルを目指すグラフ。 加えて、建物寿命の長期化や省エネ改修による「削減貢献量」の定量化・開示を目標として掲げています。

ロードマップ

スコープ1+2(自社排出)のCO2削減に向けた具体的な取り組みと削減比率のグラフ。 2050年のカーボンニュートラル達成に向けた削減の内訳として、①省エネ(30%)、②電力の脱炭素化(35%)、③燃料の脱炭素化(35%)の3つを掲げ、残りの排出を森林吸収やブルーカーボンなどの「CO2固定」およびオフセット(10%)で補完する計画を示しています。 具体的なアクションとして、現場の生産性向上、再エネ電力の導入、建設重機の電動化、水素・バイオ燃料の活用などが挙げられています。

電力と燃料の脱炭素化

電力の脱炭素化|スコープ2(電力)CO2排出量削減計画

スコープ2(電力)CO2排出量削減計画のグラフ。 2021年度の実績12.9万tに対し、対策を行わない場合は事業拡大に伴い2030年度には15.5万tまで排出量が増加すると予測。 しかし、電力グリーン化率100%を目指す「取組みによる削減」を実行することで、2026年度に6.4万tまで減らし、2030年度および2050年度には実質ゼロ(カーボンニュートラル)を達成する計画を示しています。

2030年に電力グリーン化100%

電力会社から再生エネ電力を購入
⇒ 外部電源の電力証書の使用
⇒ 将来的には自社電源の証書を利用
⇒ 自社電源の自己託送による直接使用

国内自社使用電力を賄う
再生エネルギー電源への投資

2030年に、国内必要電力量以上の再エネ電力電源の確保を目指し、投資を継続
当社が出資する男鹿風力発電(株)の風車

当社が出資する
男鹿風力発電(株)の風車

燃料の脱炭素化|スコープ1(燃料)CO2排出量削減計画

スコープ1(燃料)CO2排出量削減計画のグラフ。 2021年度の実績24.5万tに対し、対策を行わない場合は事業拡大に伴い2030年度には29.5万tまで排出量が増加すると予測。 これに対し、バイオ燃料転換率65%を目指す「取組みによる削減」を推進することで、2026年度に22.4万t、2030年度に21.7万tまで抑制し、2050年度には大幅な削減とカーボンニュートラルを目指すロードマップを示しています。

※1 生産性向上や工場における省エネなどの燃料使用量低減も含む

2030年にバイオ燃料転換率65%※2

【動力用燃料】
バイオ燃料を混合した軽油を使用
⇒ 順次混合率をアップ
⇒ 将来的に合成燃料/水素燃料を使用
⇒ 社内炭素価格制度を導入

【熱利用燃料】
A重油は排出係数の低いLNGへの転換やバイオ燃料の混焼を計画
⇒ 将来的に水素燃料を使用

※2 鹿島単体における目標

鹿島グループの都市環境エンジニアリングが廃食油からバイオ燃料を製造し、鹿島の建設現場などで使用

鹿島グループの都市環境エンジニアリングが廃食油からバイオ燃料を製造し、鹿島の建設現場などで使用

サプライチェーン排出削減の取組み


スコープ3(サプライチェーン排出)削減は関係他社との協働が必要となり、実行には時間がかかります。そのため、まずは自社努力が可能な範囲に注力することとし、「低炭素建材の開発/使用」、「ZEBの拡大」を削減の取組み対象に定めました。

スコープ3のカテゴリー1(上流)および11(下流)におけるCO2削減計画のグラフ。 2021年度(基準年)の合計1,231万t(上流615万t、下流616万t)に対し、削減の取組みによって、2026年度には10%減の1,108万t、2030年度には25%減の923万tまで段階的に削減する目標を示しています。 ※スコープ3全体では2021年度実績で1,345万tであることを注釈しています。

スコープ3削減に向けた具体的施策と目標。 上流(カテゴリ1:建材製造時)では、低炭素コンクリートの使用率40%以上、鉄骨での電炉鋼使用率20%以上を目標とし、2025年日本国際博覧会でのカーボンネガティブコンクリートドーム建設などの実例を紹介。 下流(カテゴリ11:建物運用時)では、省エネ設計により2030年度に設計施工建物の運用段階CO2を50%削減(2013年度比)する目標を掲げ、設計する全建物をZEB水準とすることを目指しています。

ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)

鹿島は、2025年度に受注する設計業務のうちZEBが占める割合を50%以上、2030年度以降に新築する建物はZEB/ZEH水準を実現することを目標に掲げ、技術開発や自社施設を用いた実証を進めています。

2024年度ZEB受注実績割合(延べ面積ランク別のZEB受注割合等)

  省エネ適合性判定 ZEB建築物 ZEB建築物比率
建物規模 件数 床面積 件数 床面積 件数比 床面積比
300m2以下 0 0m2 0 0m2 0% 0%
300m2以上2,000m2未満 2 1,363m2 1 648m2 50% 48%
2,000m2以上10,000m2未満 14 84,973m2 3 20,355m2 21% 24%
10,000m2以上 32 1,314,710m2 18 837,162m2 56% 64%
合計 48 1,401,046m2 22 858,164m2 46% 61%

2030年度ZEB普及目標

登録
種別
工事
種別
設定する
目標値
建物規模/建物用途
10,000m2未満 10,000m2以上
事務所、学校、
工場 等
ホテル、病院、
百貨店、飲食店、
集会所 等
事務所、学校、
工場 等
ホテル、病院、
百貨店、飲食店、
集会所 等
設計 新築 A)ZEB普及率 90%以上 90%以上 100% 100%
既存 B)実績成長率 +20% +20% +20% +20%