鹿島グループのマテリアリティ(重要課題)
2019年7月に、当社グループの事業活動や中期経営計画の施策などをSDGsに紐付けて7項目に取り纏め、社会課題の解決と当社グループの持続的成長を両立させるためのマテリアリティ(重要課題)として定めました。 その後定期的に見直しており、中期経営計画(2024~2026)並びに鹿島環境ビジョン2050plusの検討と並行して、マテリアリティの見直しを議論しました。社会環境の変化、外部有識者及び社内各部署からの意見等を踏まえて検討した結果、2024年に環境に関する項目をはじめ一部を更新しています。
マテリアリティの特定
上図における「社会への影響度が高く、当社グループにおける重要度が大きい課題」について内容を統合・再整理し、言語化を行い、当社グループのマテリアリティとして事業を通じて貢献する4項目、事業継続の基盤となる3項目の計7項目に取りまとめています。
マテリアリティ見直しのプロセス
7つのマテリアリティ(重要課題)と関連する主なSDGs項目
1.
新たなニーズに応える機能的な都市・地域・産業基盤の構築
鹿島は、価値観・行動様式の変化に伴い多様化するニーズを捉え、建物・インフラの構築、まちづくり・産業基盤整備の分野において、先進的な価値を提案します。これまで培った経験と新たな技術を融合させて、住みやすさ・働きやすさ・ウェルネスなど機能性を実現します。
顧客の事業を通じた貢献
- 快適で魅力ある空間の創造
- エンジニアリング技術による生産性・品質向上
- 知的生産性・ウェルネス価値の向上
自社の事業を通じた貢献
- 大規模複合再開発プロジェクト
- スマートシティ・スマートソサエティ
- スマートビル
取組み事例
社会課題:地域社会の活性化、ワークスタイル変化への対応、都市機能の高度化
鹿島を代表とする羽田みらい開発株式会社は、羽田空港の第3ターミナルから1駅の「天空橋駅」に直結する、延床面積13万m2を超える複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」を整備・運営をしています。日本の玄関口エリアの広大な敷地において、「先端」と「文化」の2つのコア産業の融合をテーマに、世界をリードする国際産業拠点の集積と日本独自の、食や音楽、アートや習慣などの文化の発信拠点となることを目指します。研究開発施設、先端医療センター、イベントホール、日本文化体験施設、飲食施設など多彩な複合施設を整備・運営するもので、未来志向の体験や価値を創出・発信する都市づくりを推進し、日本初のスマートエアポートシティを実現します。
(SDGsのターゲット:9-4、11-3)
北海道河東郡鹿追町において、国内初のカーボンニュートラルな家畜ふん尿由来のバイオガスから水素を製造し販売するサプライチェーンモデルの実証事業を実施しました(2015~2021年度)。鹿島はその後2022年にエア・ウォーター北海道株式会社との合弁会社を設立、2025年6月末まで両社で水素事業を実施し実証モデルを実践しました。
2025年7月からは、水素の製造・販売事業はエア・ウォーター北海道が実施、しかおい水素ファームは環境にやさしい水素利活用のコンサルティング業務に取り組みながら、持続的な地域づくりに貢献する企業づくりを進めていきます。
(SDGsのターゲット:11-3)
2.
長く使い続けられる社会インフラの追求
鹿島は、建物・インフラの長寿命化をはじめ、改修・維持更新分野における技術開発を推進し、将来にわたり安心して使い続けられる優良な社会インフラの整備を担います。
顧客の事業を通じた貢献
- 建造物の長寿命化技術
- インフラ維持・リニューアル技術
- 施設・建物管理業務の高度化
自社の事業を通じた貢献
- 良質な開発事業資産の積上げ
- インフラ運営・PPPへの参画
取組み事例
社会課題:社会インフラの維持更新
高度経済成長期に整備された道路橋は、現在急速に劣化が進行しており、適切な維持管理および更新が喫緊の課題となっています。鹿島は道路橋床版更新工事に伴う交通規制等の大幅な低減を可能にする「スマート床版更新(SDR)システム®」を開発し、実工事に導入しています。工事の社会的影響(ソーシャルロス)を最小限にとどめ、社会インフラの長寿命化に貢献します。
(SDGsのターゲット:9-1)
地震国日本では、多くの超高層ビルは長周期地震動による大きく長い揺れの不安を抱えており、スクラップアンドビルドの一因にもなっています。鹿島では超高層ビル向けの制震改修技術として「D3SKY®(ディースカイ)」を開発し運用実績を重ねています。当技術はTMDと呼ばれる巨大な振り子型のおもりを屋上に設置することで建物全体の揺れを抑える技術です。屋上に装置を設置するため眺望の阻害や有効床面積の減少もなく、主な工事が屋外に限られるためテナントへの影響を大幅に低減することができます。新築の建物にも導入可能で、建物の規模・用途に応じ「D3SKY」シリーズとして豊富なバリエーションを揃えています。
(SDGsのターゲット:11-11b)
3.
安全・安心を支える防災技術・サービスの提供
鹿島は、災害に強い建物・インフラの建設や技術開発を推進するとともに、災害が発生した場合には、復旧や復興に貢献します。気候変動による影響も踏まえ、防災技術の高度化に努め、安心して暮らせる安全な社会を追求します。
顧客の事業を通じた貢献
- 制震・免震技術の高度化
- 気候変動を踏まえた強靭な建物・ 構造物の建設
- BCPソリューションの提案
自社の事業を通じた貢献
- BCPを考慮したサプライチェーンの構築
- 災害発生時の対応力強化
取組み事例
社会課題:社会インフラの維持更新
⼈々の暮らしを脅かす⾃然災害は企業活動にも多⼤な影響を与えます。鹿島はグループが有する建設周辺分野の技術力を結集して、ハード・ソフトの両⾯から各種自然災害に対する「リスク評価」「対策立案」「対策工事」「運用支援」等のサービスを提供します。社会や企業にとって最適なBCPをサポートすることでレジリエントな社会の実現に貢献していきます。
(SDGsのターゲット:11-11b)
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災害復旧は建設会社の使命です。緊急時における適材適所の人員配置や資機材の調達とともに、技術・マネジメント力・機動力などの総合力で一刻も早い復旧工事の完遂を目指します。
(SDGsのターゲット:11-5、13-1)
4.
脱炭素・資源循環・自然再興への貢献
鹿島は、脱炭素社会の実現に向けて、工事中のCO2排出量の削減、省エネ技術・環境配慮型材料の開発や再生可能エネルギー発電施設の建設及び開発・運営、グリーンビルディングの開発やエネルギーの効率的なマネジメントなどを推進します。また、再生材利用や再資源化の推進により資源循環(サーキュラーエコノミー)に、サンゴ・藻場の保全・再生や社有林の利活用などを通じて自然再興(ネイチャーポジティブ)に貢献します。脱炭素・資源循環・自然再興の3つの要素の相乗効果、トレードオフを認識し取り組みます。
顧客の事業を通じた貢献
- ZEBなど省エネ建物の提供
- 最適なエネルギーシステムの構築
- 再生可能エネルギー施設の建設
- グリーンインフラの推進
- 環境配慮型コンクリートの普及促進
- サンゴ・藻場の保全・再生技術
自社の事業を通じた貢献
- 工事中のCO2排出量の削減
- グリーンビルディングの開発
- 再生可能エネルギー発電事業/施設開発事業
- 環境配慮型材料の開発・活用
- 再生建設資材の採用
- 社有林の利活用
- 「鹿島環境ビジョン2050plus」
取組み事例
社会課題:気候変動への対応、エネルギーの有効活用と安定供給、脱炭素社会の構築、 生物多様性の保全、資源循環の推進
「CO2-SUICOM®」(スイコム)はCO2排出量をゼロ以下に抑制する究極の環境配慮型コンクリートです。セメントの半分以上を特殊な混和剤(γ-C2S)や産業副産物に置き換えることで、コンクリートが固まる過程で内部にCO2を大量に吸い込み固定します。スイコム1m3が製造時に吸収するCO2の量は、高さ20mの杉の木が1年間に吸収するCO2に相当します。さらなる適用拡大に向けて、現在、供給体制やコスト面、場所打ちへの対応などの課題に取り組んでいます。
(SDGsのターゲット:9-4、13-1)
⿅島は、秋田県が管理する港湾区域2ヵ所、秋田港および能代港に、ブレード直径117mの大型風車を13基と20基、合計33基設置する「秋田港・能代工洋上風力発電施設建設工事」を実施しました。今後、需要が見込まれる洋上風力発電施設工事への対応をさらに強化し、エネルギー問題の改善に貢献していきます。
(SDGsのターゲット:7-2、13-1)
カーボンニュートラル実現への貢献として、ZEB(Zero Energy Building)の評価・認証取得の動きが活発化しています。鹿島は広い視点でZEBに取組み、省エネルギー建築であるとともに、安全・安心・ウェルネス・知的生産性などに寄与する空間を創出します。また、森林資源の循環利用、建材製造時のCO2排出量削減を促進するために、木造・木質建築の普及に向けた取組みも推進しています。「ジューテック本社ビル」は、鹿島が開発した純木質耐火集成材「FRウッド®」を多層型建築物に初めて採用しました。
(SDGsのターゲット:9-4、13-1)
5.
たゆまぬ技術革新と鹿島品質へのこだわり
鹿島は、グローバルなR&Dネットワークを活用した技術開発とDXを推進し、生産性・安全性の向上などにより持続可能な次世代の建設システムを構築するとともに、新たな価値の創出に取り組みます。また、高品質で安全な建物・インフラをお客様に自信をもってお引き渡しするため、品質検査・保証の仕組みの不断の改善を図ります。
事業継続の基盤
- 技術開発とDXの推進、生産性・安全性の向上と新たな価値の創出
- 高品質で安全な建造物を担保する品質確認体制の徹底
- グローバルなR&Dネットワーク
6と共通の取組み
- 施工の機械化・自動化・ICT化
- 「鹿島スマート生産」
取組み事例
社会課題:品質の確保・向上
⿅島は、生産性の向上や建設現場の働き⽅改⾰の実現に向けて、建築⼯事にかかわるあらゆる⽣産プロセスを変⾰する「鹿島スマート生産」を推進しています。「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「全てのプロセスをデジタルに」の3つのコアコンセプトのもと、先端ICT・各種ロボットの活用と現場管理手法の革新で、建設業をより魅力的で夢のあるものにしていきます。
(SDGsのターゲット:11-3、12-5)
建設業界が直面する「人手不足」、「低い労働生産性」、「高い労働災害割合」を抜本的に解決するため、鹿島は、建設機械の自動運転を核とした次世代建設生産システム「A4CSEL®(クワッドアクセル)」の開発を進めています。少ない人数で複数の自動化建設機械を動かし、安全に施工を行うことを目指し、ダムやトンネル工事に適用を拡大しています。
(SDGsのターゲット:11-3、12-5)
6.
人とパートナーシップを重視したものづくり
鹿島は、建設現場の働き方改革、担い手確保の推進と、人材の確保・育成、様々な人が活躍できる魅力ある就労環境の整備を進めます。国内外で、事業に係るパートナーとの価値共創と、大学・研究機関や異業種・スタートアップ等の外部との連携を活用したイノベーションの推進に取り組みます。
事業継続の基盤
- 労働安全衛生の確保
- 働き方改革
- 担い手確保の推進、重層下請構造の改革
- ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
- 人材育成・人材開発
- オープンイノベーションの活用
5と共通の取組み
- 施工の機械化・自動化・ICT化
- 「鹿島スマート生産」
取組み事例
社会課題:労働生産性の向上、技能労働者の処遇改善、人材育成、パートナーシップ強化、 労働安全の確保、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
持続可能な建設業を実現するために「次世代の担い手確保」は建設業が取り組むべき喫緊の課題です。鹿島はサプライチェーン全体の共存共栄を目指し、就労環境の整備や賃金水準の向上といった処遇改善を図りつつ、働く人にとって安全・安心な労働環境を追求し、建設業を魅力的な産業へと発展させていきます。
(SDGsのターゲット:8-5)
鹿島は性別や国籍、障がいの有無など、多様な属性や価値観を認めた上で、社員各々が能力を発揮できる労働環境を創造し、活力ある企業グループを目指しています。また、ワーク・ライフ・バランスを推進し、全ての社員とその家族が公私ともに健康で充実した生活が送れるよう、仕事と家庭を両立できる多様な働き方の実現をサポートしています。
(SDGsのターゲット:5-5)
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7.
企業倫理の実践
鹿島は、コンプライアンスの徹底とリスク管理のための施策を通じて、公正で誠実な企業活動を推進します。グループの役員・社員一人ひとりが高い倫理感をもって行動するとともに、サプライチェーン全体を通じた取組みにより、お客様と社会からの信頼向上に努めます。また、サプライチェーンも含めたすべてのステークホルダーの人権尊重に取り組みます。
事業継続の基盤
- コンプライアンスの徹底
- リスク管理体制とプロセス管理の強化
- 担い手確保の推進、重層下請構造の改革
- 適正なサプライチェーンマネジメント
- 人権の尊重
取組み事例
社会課題:労働生産性の向上、技能労働者の処遇改善、人材育成、パートナーシップ強化、 労働安全の確保、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
⿅島は、コンプライアンスの徹底、リスク管理のための施策に基づく活動を通じて、公正で誠実な企業活動を推進します。また、「鹿島グループ人権方針」を定め遵守に努めています。グループの役員・社員⼀⼈ひとりが⾼い倫理感をもって⾏動するとともに、サプライチェーン全体を通じて、お客様と社会からの信頼向上に努めます。
(SDGsのターゲット:16)