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筋交い固化による
液状化対策工法の開発

本年1月17日に起きた兵庫県南部地震は、臨海部を中心に地盤の液状化による大きな被害をもたらした。
そのため、従来にも増してより有効で確実な液状化対策工法の開発が、強く望まれるようになった。
当社では以前から液状化対策のさまざまな研究開発を行ってきたが、このたびコストを抑えながらも大地震に対処できる新しい液状化対策工法「筋交い固化工法」を開発した。
- 液状化対策工法
地震のような強い振動を受けると、間隙(すき間)を水で満たされた緩い砂地盤は密度増加しようとする。
この時、水は急に排水できないため、間隙水圧(土と土の粒子の間にある水の水圧)が上昇し、ついには地盤全体が液体のようになってしまう現象が液状化現象である。
液状化対策工法には、(1)砂地盤の密度を増大させる方法、(2)間隙水圧の消散を図る方法、(3)地盤を固結する方法などがある。
このうちの方法は、大地震にも対処できる最も確実な方法であるが、コストが高いという欠点があった。
このたび開発された筋交い固化工法は、鉛直(縦方向)の固化体の他に斜めや筋交いの固体化を組み合わせたものである。
地震への抵抗力を効率的に高め、部分固化で全体固化とほぼ同等の効果を狙った工法であり、大幅なコストダウンを図ることができた。


- 解析と実験で有効性を検証
この筋交い固化工法について、10m厚の液状化対象層を想定して解析を行った。
解析には当社が米国プリンストン大学との共同研究で開発した液状化解析プログラム“Dynaflow”を使った。
これらの結果から、通常の鉛直固化壁だけでは液状化の防止効果は小さく、筋交い固化を導入することにより、液状化防止の効果が顕著に見られ、当工法の有効性が確認された。
さらに、当社技術研究所にある遠心模型実験装置を用いた実験で有効性を検証した。
現在は、実規模での施工性を確認するため、斜め固化体の品質確認をはじめとする現場実証施工実験を計画中である。
また、この種の固化工法は低強度(一軸圧縮強さ10kgf/程度)であるため、固化体の品質管理の重要なポイントとなる。
そこで、固化体の品質管理のために、掘削機の先端部に装着した中性子センサー(RI計器)による管理手法を既に開発している。
この管理手法は、施工時の固化剤混合撹拌の度合や固化体の連続性をリアルタイムに把握し、施工にフィードバックできるシステムである。
当社では「筋交い固化工法」を、これら一連の技術を合わせ持つ液状化対策工法として、実用化に向けてさらに研究開発を続けている。



写真は鹿島月報より転載
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