二次部材(天井・設備)の耐震化

天井の破損や落下の原因


東日本大震災では、建物の構造体から吊られた天井材や設備機器は、地震動により揺れが増幅され、構造体よりも大きな加速度を受けました。天井自体の崩落やこれまで耐震対策の検討から除外されていた範囲の設備機器等で被害がみられました。

段差のある天井部や天井内の設備機器は、それぞれが異なる周期で揺れることにより、相互干渉も発生します。

このような要因が複合して、天井の破損や落下の原因となりました。

図版:天井の損傷原因と対策例

天井の損傷原因と対策例

【対策前(非耐震)】


下の映像は耐震性が考慮されていない天井を東日本大震災で得られた地震波を用いて、鹿島の大型振動台で揺らした場合です。地震により地盤から建物内に伝搬して来る地震力は、天井面においては段差部等の天井の吊り長さが異なるエリアに集中しやすくなり、次の順序で天井の崩壊や設備機器の落下が発生しています。

  1. ①:天井の段差部分(中央部のやや右側)と低い方の天井(段差部から左側)で下地金物が外れる。
  2. ②:低い方の天井が一体となり崩落する。
  3. ③:高い方の天井(段差部から右側)が大きくゆれ始める。
  4. ④:高い方の天井が右端部の壁に激しく衝突し、壁が崩壊する。
  5. ⑤:天井内設備機器(左側箱状の機器)を吊っているボルトが切れ、天井裏面に落下する。(実験の安全のため、ワイヤー吊りしています)

▼ 既存天井の被害状況(鹿島が実施した振動台実験より)

【対策後(耐震)】


右の映像は、非耐震の天井実験の結果をもとに、損傷した部分に対策を施した天井を同様の地震波で揺らした場合です。対策により天井は崩壊しません。実施した対策は以下のような内容です。

  1. ①:天井を揺れにくくするために、天井内に2対の斜め補強材を設置。
  2. ②:段差部分の補強。
  3. ③:下地金物を滑りにくいものに変更。
  4. ④:設備機器を揺れにくくするために、吊っているボルトに斜め補強を襷掛けに設置。

▼ 対策後の天井の状況(鹿島が実施した振動台実験より)