engineering

機械工学を専攻したことから、当初はメーカーへの就職をイメージしていました。しかし、スケールの大きなものづくりがしたいという想いが強くなり、ゼネコンを志望するように。多彩なバッグランドを持った人が多いこと、エンジニアリングに力を入れていることに惹かれ、鹿島に入社しました。以来、食品や医薬品メーカーの物流に関連する設備の設計を担当しています。

工場プラントと呼ばれるスケールの大きなものづくりは、多数の関係者と調整し進める必要があります。そこが難しさであり、やりがいでもあります。2年目には早くも、食品・医薬品原薬メーカーの生産設備新設の基本計画プロジェクトで、プラント建設の核心であるプロセス設計を担当。稼働中の工場での品質管理や操作性、安全性の改善点を盛り込むなど、多面的なアプローチで取り組みました。

プラントの基本設計を表わす図面がP&ID（※）です。プラントの構造や要素、制御がすべて明記される図面で、これを書くためには、機械のみならず、流体や化学、電気、制御など多岐にわたる、幅広い知識が求められます。非常に苦労しましたが、要望変更による膨大な修正作業をクリアして完成。大きな達成感があり、技術者としての成長を実感しました。

P&ID= Piping & Instruction Diagram。配管、計装及び機器の機能的関係の設計図。

学生時代、人力飛行機の製作を通じて、プロジェクト製作全体をコントロールする面白さを知りました。それがエンジニアリングに興味を抱くようになった大きなきっかけです。就職活動ではプラントエンジニアリング会社を考えたものの、鹿島ならば設計から施工まで幅広く関わることができると知り、第一志望に。主体的に取り組める環境があること、グローバルに活躍できるチャンスがあることにも惹かれました。

私は現在、医薬品を容器に充填し、包装するまでの充填包装設備の設計・施工を担当しています。このプロジェクトでは、入社当時に取り組んできた3Dモデルを反映させました。自分でBIM（※）を勉強し、工場の機器配置を3D化。工場内の作業者の運用が視覚的にわかりやすくなり、施主から喜ばれました。施主の意思決定を早めることもでき、社内でも評価されています。

BIM= Building Information Modeling。コンピューター上に建物の3次元形状や属性情報を統合したモデルを構築するシステム。

今後の目標は、顧客のニーズを的確に形にできる技術者に成長することです。生産の現場である各工場の内部は、まだまだ効率化できる要素が多く、自動化や省人化を通じて、より品質の良いものを生み出せる環境をつくり出したいと思っています。また、プログラミングなどを使って部内の業務改革を進めていきたいと考えています。

エンジニアリング業界に興味を持っていた私がゼネコンを志望するようになったのは、取り組むフィールドの広さに惹かれたためでした。エンジニアリング業界が石油や化学プラントといった限定的なエンジニアリングを行っているのに対し、ゼネコンはより広くアプローチしていると感じたのです。鹿島を選んだのは、面接などで接した方々の雰囲気やキャラクターに惹かれたためでした。

最初にアサインされたプロジェクトは今でも印象に残っています。酒類メーカーの案件でした。何もわからない中での実務スタートとなりましたが、配管や電気計装という設備の基礎となる技術の知識を、現物を見ながら学んでいくことができました。自分の考えや設計が具体的に形になり、試運転で想定通りの仕様であることが確認できる瞬間は、エンジニアリングならではの醍醐味です。

エンジニアリング事業本部では、医薬品、化粧品、食品、化学といった工場建屋の建築・建築設備計画、配管や電気計装を含む製造装置・ラインの設計や導入などを、トータルに手がけています。今後は設計業務で経験を積み、大きなプロジェクトを任せてもらえる、熟達のプロジェクトエンジニアを目指していきます。