最終処分場と廃棄物処理

再生・閉鎖関連技術

状況や目的に最適な技術をご提案


既存の最終処分場に対して埋立容量の回復を図る再生対策技術として「掘起し選別工法」と「TLT工法(無排土孔壁圧密工法)」を、不適切な最終処分場に対して施設機能の改善を図る閉鎖整備技術として「ACTMウォール工法(低排土粘土遮水壁工法)」と「キャッピング技術」を紹介します。

掘起し選別工法

品目が混在したまま埋設されている廃棄物を掘起し、品目別に選別を行います。

リサイクル可能なものも多く含まれており、結果として最終処分量が低減します。

図版:掘起し選別事例(鴨島町一般廃棄物最終処分場)

掘起し選別事例(鴨島町一般廃棄物最終処分場)

掘起し選別フロー例

図版:掘起し選別フロー例
  1. 粗選別:バックホウなどにより、掘削した廃棄物から「粗大ごみ、大塊、危険物」を撤去します。
  2. 機械選別:トロンメルや振動スクリーンにて設定粒径以上と以下に分別・分級します。
  3. 手選別:人力にて「岩石・コンクリート塊、可燃物、金属類(磁選別)」を分別します。
  4. 破砕:「岩石・コンクリート塊」は、破砕など粒度調整により有効利用を図ります。その他の廃棄物については、必要に応じて破砕などにより減容化を図ります。
  5. 圧縮梱包:可燃物を圧縮梱包し、安全に保管・移送して焼却します。

TLT工法(無排土孔壁圧密工法)

TLT工法は、土砂を排出せずに穴を削孔する「無排土孔壁工法」を応用し、埋立廃棄物を押し固め圧縮して減容化するものです。従来、ブルドーザーなどを使用し鉛直方向の転圧締固めを行って廃棄物を埋立てますが、十分な締固めを行ったとしても埋立廃棄物層地盤には40%程度の空隙が残ります。

この工法では、従来の方法で締固めた埋立廃棄物層地盤に圧縮翼をもつ特殊スクリューで水平方向から締固め、残存する空隙中に廃棄物を圧縮することで容積を減らすことができます。また、埋立廃棄物が地上に排出されることもありません。

※TLT工法:Trash(ゴミ)、Lift less(無排土)、Tighten(締固め)

施工手順(一例)

  1. TLT機で埋立廃棄物を水平方向に締固めながら削孔を行います。
  2. 削孔が完了した自立孔に、周辺部の廃棄物をバックホウを使用して投入します。
  3. 特殊スクリューを反転することで、投入した廃棄物の締固めを行います。
図版:TLT工法施工手順
図版:減容化概念図

減容化概念図

図版:削孔状況

削孔状況

ACTMウォール工法(低排土粘土遮水壁工法)

表面遮水工がない最終処分場は、浸出水による地下水汚染の恐れがあるため、不透水層まで鉛直遮水を設けることで埋立廃棄物と地下水の縁を切ります。

ACTMウォール工法では、特殊角度翼装着水平多軸回転カッターを用いて地中に連続的なベントナイト混合土の遮水壁体を構築し、対象の埋立廃棄物を囲い込みます。遮水壁を不透水層に到達させることで、浸出水をシャットアウトします。

※ACTMウォール工法:Angle(角度)、Cutter(カッター)、Trench(溝)、Mixing(混合)

施工手順

  1. 油圧ショベルにてガイド溝を掘削します。
  2. 定規をガイド溝に設置し、掘削機の位置出しをします。
  3. 掘削機を貫入しながら掘削液と圧縮空気を噴射して掘削します。
  4. 掘削完了後、ACTM材を噴射し混合・攪拌しながら引き上げ造成させます。
  5. 掘削造成を繰り返し、片側より造成施工を行います。ラップ長は、土質・深度により変更することがあります。
図版:ACTMウォール工法施工手順
図版:最終処分場の遮水工

最終処分場の遮水工

図版:試験施工状況

試験施工状況

キャッピング技術

最終処分場に廃棄物を埋立てる場合、埋立廃棄物の種類・性状により悪臭の防止、廃棄物の飛散・流出防止、衛生害虫類の発生防止などから、埋立廃棄物を土で覆う「覆土」を行います。覆土には1日の作業終了時に行う「即日覆土」や、一定の埋立深さ・層に達した時に行う「中間覆土」、最終的に埋立処分が終了した場合に行う「最終覆土」があります。

この覆土に替えて覆土の機能を持たせたり、覆土と同時に使用して降雨の浸透を抑制したり埋立廃棄物の生物分解を促進させるキャッピング技術を紹介します。

多層構造型最終覆土層

多層構造型最終覆土層は、最終処分場の廃棄物を覆土する際に、廃棄物から発生するガスの通気機能、廃棄物への雨水の浸透を防ぐ遮水機能、さらに雨水を適切に排水する機能を備えた複数の層で構成される高機能なキャッピング技術です。遮水材には、一般的な遮水シートに加え、GCL(ベントナイト系遮水シート)を採用することも可能です。この技術は、埋立地の準好気性を損なうことなく、安全性や経済性に優れ、景観にも配慮した環境にやさしい構造であり、オープン型・被覆型のいずれの最終処分場にも適用できます。

図版:多層構造型最終覆土層の断面

多層構造型最終覆土層の断面

キャッピングシート(ガス通気・雨水制御シート)

廃棄物から発生するガスの通気機能と雨水制御機能を兼ね備えた、キャッピングシートを敷設するケースがあります。即日覆土の代替材として使用することで、埋立容量を増加、処分場の延命化に繋がります。

図版:キャッピングシートの原理

キャッピングシートの原理
『出典:通気・防水シートキャッピング工法研究会技術資料』

最終処分場の再生・閉鎖・跡地利用 インデックス


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