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プレスリリース

[2014/11/27]

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高低差100mまで垂直に搬送が可能な「スネークベルコン®」を開発

スネーク状の2枚のベルトで土砂を挟み垂直搬送可能な次世代の土砂運搬装置

鹿島建設株式会社
日本コンベヤ株式会社

 鹿島建設株式会社(社長:中村満義)と、日本コンベヤ株式会社(社長:西尾佳純、本社:大阪府大東市)は共同で、シールドトンネルの立坑などにおいて掘削土砂を地上に垂直搬送する、「スネークベルコン」を開発しました。「スネークベルコン」は、2枚のベルトをローラーを用いてスネーク状に配置し、上下方向のベルトの張力により発生する「押え付け力」を利用して、2枚のベルトの間に土砂を挟み込むというユニークな発想によって垂直に長距離搬送できる装置です。
 これまでの搬送システムでは不可能だった高低差100mの垂直搬送が可能となるほか、時間当たりの搬送量も格段にアップします。また汎用の平ベルトを利用することからメンテナンスも容易であり、今後の都市部における地下トンネルの大深度化や、高速施工に対応するシステムとして、本装置を積極的に提案していく方針です。

スネークベルコンの概念図

スネークベルコンの概念図

スネークベルコンの土砂搬送の原理

スネークベルコンの土砂搬送の原理

開発の背景

 これまでシールドトンネルの立坑等での土砂の垂直搬送では、水平ベルコンから運ばれた土砂を特殊な箱型形状のベルトコンベヤに入れて搬送する「箱型ベルコン」を採用することが一般的でした。しかしながら箱型ベルコンは、国内の実績では搬送能力が1時間あたり600t程度、搬送可能な高低差は40m余りが限度であり、またその複雑な形状から土砂が付着しやすく、清掃に非常に手間がかかるなどメンテナンスの面でも課題がありました。
 そこで、鹿島と日本コンベヤは、海外の鉱山などで鉱石運搬の実績があり、搬送能力、高低差、メンテナンス性を一挙に解決できるスネーク式コンベヤに着目し、開発を開始しました。

スネークベルコンの概要と特長

 日本におけるシールドトンネル特有の多種多様な性状を持った土砂搬送に適用させるため、ローラーの配置やスネーク形状の最適化など、装置構造に改良を加えた上で、模型試験や静的試験でシールド掘削土砂の挟み込みが可能なことを確認しました。次に都内のトンネル現場における実験を経て、直径12m級のシールドトンネルにおいて必要とされる土砂搬送が十分可能であることを実証しました。さらに、日本コンベヤ姫路工場に再度実験装置を設置し、連続運転性能、メンテナンス性能、各種土砂性状の搬送性などの確認実験を行い、それぞれ良好な結果を得ました。
 また並行して、高低差100m、1時間あたり1000t以上の搬送に向けた設計検討を進めた結果、今後予想される更なる大深度・大断面シールドトンネルにも、設計上十分に適用できることを確認しています。

実証実験装置全景(日本コンベヤ姫路工場内)

実証実験装置全景(日本コンベヤ姫路工場内)

スネークベルコン

スネークベルコン

下部供給部(2枚のベルトで土砂を挟み込む)

下部供給部(2枚のベルトで土砂を挟み込む)


 本装置の特長は以下の通りです。
  1. 搬送能力は、箱型ベルコンが1基あたり600t/h程度に対し、スネークベルコンは1000t/h以上
  2. 搬送高さは、箱型ベルコンが40m程度に対し、スネークベルコンでは100m程度まで可能
  3. 汎用の平ベルトを使用するため、ベルト付着物の清掃が容易でメンテナンス性に優れる
  4. 垂直搬送のみでなく斜め方向への搬送も可能なため、複雑な立坑形状にも適用可能
  5. 任意の高低差に対応可能
  6. 特殊部品がなく、汎用的なローラーと平ベルトにより構成されるため、故障時の修繕が容易

今後の展開

 鹿島では、今後更なる大深度化・長距離化によってより多量の土砂搬出が見込まれる都市部のシールド工事、搬送条件の厳しい山岳トンネルやダムなどの土木工事に本装置の適用を目指すとともに、建築工事における地下大規模掘削工事などにも積極的に提案する方針です。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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