SDGsと鹿島の事業活動
「全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、鹿島は社会・環境問題に対応し、社会に必要とされ、持続的に成長できる企業グループを目指しています。
7つのマテリアリティ(重要課題)
社会・環境課題のなかから、社会とともに持続的に成⻑し企業価値を向上させるために優先して取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しています。事業活動を通じた課題解決に向けた取組みは、SDGsの達成に貢献しています。
社会
新たなニーズに応える機能的な
都市・地域・産業基盤の構築
長く使い続けられる
社会インフラの追求
安全・安心を支える
防災技術・サービスの提供
環境
脱炭素・資源循環・自然再興
への貢献
事業継続の基盤
たゆまぬ技術革新と
鹿島品質へのこだわり
人とパートナーシップを
重視したものづくり
企業倫理の実践
取組み事例
社会
新たなニーズに応える機能的な
都市・地域・産業基盤の構築
新産業創造・発信拠点として世界と地域をつなぐ
「HANEDA INNOVATION CITY」
鹿島を代表とする羽田みらい開発株式会社は、羽田空港の第3ターミナルから1駅の「天空橋駅」に直結する、延床面積13万m2を超える複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」の整備・運営を進めています。日本の玄関口エリアの広大な敷地において、「先端」と「文化」の2つのコア産業の融合をテーマに、世界をリードする国際産業拠点の集積と日本独自の、食や音楽、アートや習慣などの文化の発信拠点となることを目指します。研究開発施設、先端医療センター、イベントホール、日本文化体験施設、飲食施設など多彩な複合施設を整備・運営するもので、未来志向の体験や価値を創出・発信する都市づくりを推進し、日本初のスマートエアポートシティを実現します。
(SDGsのターゲット:9-4、11-3)
資源循環と自然エネルギー利用で地域社会に貢献する
「しかおい水素ファーム」
株式会社しかおい水素ファームは、北海道河東郡鹿追町において、国内で初めてカーボンニュートラルな家畜ふん尿由来のバイオガスから作られる水素の製造・販売等のサプライ事業を展開しています。同社では、地球上の資源循環や自然エネルギー利用を目指す企業理念のもと、環境にやさしい水素のサプライ事業を軸とするビジネスモデルの確立と、事業の深化を図りながら、地域社会に貢献する企業づくりを進めています。
(SDGsのターゲット:11-3)
社会
長く使い続けられる
社会インフラの追求
道路橋床版更新工事に伴う交通規制等を低減する
「スマート床版更新(SDR)システム」を開発
高度経済成長期に整備された道路橋は、現在急速に劣化が進行しており、適切な維持管理および更新が喫緊の課題となっています。鹿島は道路橋床版更新工事に伴う交通規制等の大幅な低減を可能にする「スマート床版更新(SDR)システム®」を開発しました。工事の社会的影響(ソーシャルロス)を最小限にとどめ、社会インフラの長寿命化に貢献します。
(SDGsのターゲット:9-1)
建物を長く使い続ける制震技術の開発
地震国日本では、多くの超高層ビルは長周期地震動による大きく長い揺れの不安を抱えており、スクラップアンドビルドの一因にもなっています。鹿島では超高層ビル向けの制震改修技術として「D3SKY®(ディースカイ)」を開発し運用実績を重ねています。当技術はTMDと呼ばれる巨大な振り子型のおもりを屋上に設置することで建物全体の揺れを抑える技術です。屋上に装置を設置するため眺望の阻害や有効床面積の減少もなく、主な工事が屋外に限られるためテナントへの影響を大幅に低減することができます。新築の建物にも導入可能で、建物の規模・用途に応じ「D3SKY」シリーズとして豊富なバリエーションを揃えています。
(SDGsのターゲット:11-11b)
そのほかの取組み事例
社会
安全・安心を支える
防災技術・サービスの提供
ハード・ソフトの両面でお客様のBCPを支援
⼈々の暮らしを脅かす⾃然災害は企業活動にも多⼤な影響を与えます。鹿島はグループが有する建設周辺分野の技術力を結集して、ハード・ソフトの両⾯から各種自然災害に対する「リスク評価」「対策立案」「対策工事」「運用支援」等のサービスを提供します。社会や企業にとって最適なBCPをサポートすることでレジリエントな社会の実現に貢献していきます。
(SDGsのターゲット:11-11b)
建設業の使命としての災害復旧
災害復旧は建設会社の使命です。緊急時における適材適所の人員配置や資機材の調達とともに、技術・マネジメント力・機動力などの総合力で一刻も早い復旧工事の完遂を目指します。
(SDGsのターゲット:11-5、13-1)
そのほかの取組み事例
環境
脱炭素・資源循環・自然再興への貢献
生物多様性の保全、資源循環の推進
植物のようにCO2を吸い込むコンクリート「CO2-SUICOM」
「CO2-SUICOM®」(スイコム)はCO2排出量をゼロ以下に抑制する究極の環境配慮型コンクリートです。セメントの半分以上を特殊な混和剤(γ-C2S)や産業副産物に置き換えることで、コンクリートが固まる過程で内部にCO2を大量に吸い込み固定します。スイコム1m3が製造時に吸収するCO2の量は、高さ20mの杉の木が1年間に吸収するCO2に相当します。
さらなる適用拡大に向けて、現在、供給体制やコスト面、場所打ちへの対応などの課題に取り組んでいます。
(SDGsのターゲット:9-4、13-1)
秋田港・能代港洋上風力発電施設建設工事
⿅島は、秋田県が管理する港湾区域2ヵ所、秋田港および能代港に、ブレード直径117mの大型風車を13基と20基、合計33基設置する「秋田港・能代工洋上風力発電施設建設工事」を実施しました。今後、需要が見込まれる洋上風力発電施設工事への対応をさらに強化し、エネルギー問題の改善に貢献していきます。
(SDGsのターゲット:7-2、13-1)
脱炭素社会に貢献する環境配慮型建築
カーボンニュートラル実現への貢献として、ZEB(Zero Energy Building)の評価・認証取得の動きが活発化しています。鹿島は広い視点でZEBに取組み、省エネルギー建築であるとともに、安全・安心・ウェルネス・知的生産性などに寄与する空間を創出します。
また、森林資源の循環利用、建材製造時のCO2排出量削減を促進するために、木造・木質建築の普及に向けた取組みも推進しています。「ジューテック本社ビル」は、鹿島が開発した純木質耐火集成材「FRウッド®」を多層型建築物に初めて採用しました。
(SDGsのターゲット:9-4、13-1)
そのほかの取組み事例
事業継続の基盤
たゆまぬ技術革新と
鹿島品質へのこだわり
ICTを活用した次世代のスマート生産システム
⿅島は、生産性の向上や建設現場の働き⽅改⾰の実現に向けて、建築⼯事にかかわるあらゆる⽣産プロセスを変⾰する「鹿島スマート生産」を推進しています。「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「全てのプロセスをデジタルに」の3つのコアコンセプトのもと、先端ICT・各種ロボットの活用と現場管理手法の革新で、建設業をより魅力的で夢のあるものにしていきます。
(SDGsのターゲット:11-3、12-5)
現場の「工場化」を牽引する最新技術「A4CSEL®」
建設業界が直面する「人手不足」、「低い労働生産性」、「高い労働災害割合」を抜本的に解決するため、鹿島は、建設機械の自動運転を核とした次世代建設生産システム「A4CSEL®(クワッドアクセル)」の開発を進めています。少ない人数で複数の自動化建設機械を動かし、安全に施工を行うことを目指し、ダムやトンネル工事に適用を拡大しています。
(SDGsのターゲット:11-3、12-5)
事業継続の基盤
人とパートナーシップを
重視したものづくり
労働安全の確保、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
魅力ある建設現場に向けた就労環境の整備
持続可能な建設業を実現するために「次世代の担い手確保」は建設業が取り組むべき喫緊の課題です。鹿島はサプライチェーン全体の共存共栄を目指し、就労環境の整備や賃金水準の向上といった処遇改善を図りつつ、働く人にとって安全・安心な労働環境を追求し、建設業を魅力的な産業へと発展させていきます。
(SDGsのターゲット:8-5)
ダイバーシティ&インクルージョン
鹿島は性別や国籍、障がいの有無など、多様な属性や価値観を認めた上で、社員各々が能力を発揮できる労働環境を創造し、活力ある企業グループを目指しています。また、ワーク・ライフ・バランスを推進し、全ての社員とその家族が公私ともに健康で充実した生活が送れるよう、仕事と家庭を両立できる多様な働き方の実現をサポートしています。
(SDGsのターゲット:5-5)
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事業継続の基盤
企業倫理の実践
公正な事業慣行
⿅島は、コンプライアンスの徹底、リスク管理のための施策に基づく活動を通じて、公正で誠実な企業活動を推進します。
また、「鹿島グループ人権方針」を定め遵守に努めています。グループの役員・社員⼀⼈ひとりが⾼い倫理感をもって⾏動するとともに、サプライチェーン全体を通じて、お客様と社会からの信頼向上に努めます。
(SDGsのターゲット:16)
SDGsとは
世界を変えるための17の目標
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」を略したもので、2015年に国際連合(国連)で採択された国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。いわば、SDGsは地球人みんなで取り組むべき宿題です。この序文には「人間、地球及び繁栄のための行動計画である」と記され、2016~30年の15年間で達成する17の目標と169のターゲットからなる持続可能な開発目標(SDGs)が掲げられました。