コーラルネットで再生したサンゴ群集から一斉産卵を確認
慶良間海域で貴重な瞬間を記録
鹿島は、コーラルネット®工法を用いて再生したサンゴ群集において、独自に開発した海中自動撮影システムを用い、一斉産卵の様子を捉えました。
再生サンゴ群集からの一斉産卵が撮影された事例は極めて限られており、今回の撮影によって、コーラルネットによるサンゴ再生が持続的なサンゴ礁形成、ひいてはネイチャーポジティブへの貢献につながる重要な知見が得られました。

再生サンゴの一斉産卵の様子(2026年6月3日、海中自動撮影システムの映像)
2012年9月に慶良間諸島に接近した台風17号は、沖縄県慶良間諸島・座間味島周辺海域に分布する枝状サンゴ群集の大部分に壊滅的な被害をもたらしました。鹿島は当時、現地ダイビング協会の協力のもと、コーラルネットを活用したサンゴ再生試験を実施しました。
台風により折損し海底に散在していたサンゴ片をコーラルネットに取り付け(特別採捕許可取得)、海底に設置した結果、ネット上でサンゴが着生・成長し、現在では群集が拡大しています。

2012年台風17号襲来によるサンゴ群集の崩壊

コーラルネット設置状況(2012年12月)

拡大した再生サンゴ群集とサンゴ産卵撮影システム(2026年5月)
※環境省の認可のもと設置
慶良間諸島では、サンゴの一斉産卵は例年6月の満月前後の深夜に行われ、卵と精子が一体となった「バンドル」が海中へ放出されます。バンドルは海面で受精し、プラヌラ幼生となって約1週間海中を漂った後、海底に定着して新たなサンゴへと成長します。
今回の撮影により、再生サンゴから放出された卵が新たなサンゴ群集の形成に寄与する可能性があることを確認しました。今後は、現地調査と数値シミュレーションを組み合わせ、サンゴ群集の分布拡大メカニズムの解明および再生手法の高度化に取り組みます。
鹿島は「鹿島環境ビジョン2050plus」のもと、脱炭素・資源循環・自然再興の3分野がもたらす相乗効果を見据え、目標と行動計画を推進しています。サンゴ再生技術は、海の生態系の回復のための「自然再興」を支える取り組みの一つです。鹿島はこの技術を生かし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。




