巡航RCD工法をさらに高速化する打設技術を開発 | プレスリリース | 鹿島建設株式会社

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プレスリリース

[2015/11/05]

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巡航RCD工法をさらに高速化する打設技術を開発

五ケ山ダム(福岡県)においてコンクリート打設工程の約4ヶ月短縮を実現

 鹿島(社長:押味至一)は、福岡県五ケ山ダム堤体建設工事において、重力式コンクリートダムの合理化施工方法である巡航RCD工法のさらなる高速化を実現する技術開発を行いました。
 本工事では、巡航RCD工法を適用する範囲について、当初計画工程の20.6ヶ月に対し3.8ヶ月(約18%)の大幅短縮を達成しました。

五ケ山ダム全景(2015年7月)

五ケ山ダム全景(2015年7月)

巡航RCD工法施工状況(2015年1月)

巡航RCD工法施工状況(2015年1月)

開発の背景

 近年、重力式コンクリートダムの建設工事は、RCD(Roller Compacted Dam-concrete)工法が主流となり、ケーブルクレーンに限られていたコンクリートの搬送がダンプトラックでも行われ、また、ブルドーザや振動ローラなどの汎用機械による施工が可能となるなど、施工の高速化が進んできました。さらに、打設速度の速い内部コンクリート(RCD用コンクリート)を、打設速度の遅い外部コンクリート(有スランプコンクリート)よりも先行して施工することで、全体の打設速度を向上させる「巡航RCD工法」が(一財)ダム技術センターにより開発され、五ケ山ダムはこの巡航RCD工法を初めて全面的に採用し、施工を進めました。
 巡航RCD工法のさらなる高速化のためには、内部コンクリートを先行して施工するために発生する端部締固め作業を効率よく行うこと、またコンクリート打設リフト間のインターバルをできるだけ短縮することが求められます。そこで鹿島は、これを解決するために、端部締固めの合理化施工技術とリフト間連続施工技術を開発し、五ケ山ダム堤体建設工事に適用しました。

開発技術の概要

(1)プレート型端部締固め機の開発
 内部コンクリートの端部締固めは、従来は油圧ショベルで法面を整形した後、二面拘束型専用機を用いて作業していましたが、この専用機に法面形状をフィットさせる必要があり、事前の整形に時間を要していました。そこで、一面拘束型のプレート型端部法面締固め機(Flat Plate Compactor 以下、FPC)を開発し、試験施工でその出来上がり品質を確認した上で、実施工に適用しました。
 FPCには法面整形バケットも併せて装備したことにより、法面整形用の油圧ショベルが不要になりました。また、端部締固めを一面ずつ実施することで、精度の高い法面整形が不要となるため、施工速度の向上も可能となりました。

FPCによる端部締固め   

FPCによる端部締固め

(2)SP-TOM用ベルトコンベヤ式ディストリビュータの開発
 五ケ山ダム堤体建設工事におけるメインのコンクリート運搬設備は、ダム左岸側の傾斜に沿わせた円管を回転させながら、コンクリートを連続的に大量搬送できる「SP-TOM」です。従来、SP-TOM搬送管の先端部分にダンプトラックの荷受け場所(ダンプトラック待機場所)を設置すると、ダンプの足元にある外部コンクリートが硬化するまでは次リフトのコンクリート荷受け作業が行えず、そこにインターバルが発生し、打設速度向上の阻害要因となっていました
 そこで、外部コンクリート打設範囲をまたいでコンクリートの出荷を行える「SP-TOM用ベルトコンベヤ式ディストリビュータ(以下、ディストリビュータ)」を開発しました。これにより外部コンクリートの工程に左右されず、荷受けが可能になりました。また、平面的にも旋回可能としているため、荷受け場を固定することなく、連続的にコンクリートを出荷できるようになりました。

SP-TOM用ベルトコンベヤ式ディストリビュータ

SP-TOM用ベルトコンベヤ式ディストリビュータ

五ケ山ダム設置状況

五ケ山ダム設置状況

 ディストリビュータの導入により、従来手法で必要だったリフト間の打設インターバル時間が省略できるだけでなく、2リフト同時施工が可能となりました。その結果、従来技術と比較して1リフトあたり約29%の打設速度向上を達成しました。

2リフト同時施工イメージ図   

2リフト同時施工イメージ図

今後の展開

 これらの技術を適用した結果、五ケ山ダム堤体建設工事では、巡航RCD工法の1リフトあたり約29%打設速度を向上するとともに、コンクリート打設全体としては約18%の工期短縮を達成しました。
 鹿島は、RCD工法において今後標準工法となる巡航RCD工法を、大型ダムのみならず、中小規模のダムへの適用も視野にさらなる技術開発を行い、今後の重力式コンクリートダムの合理化施工に貢献していく方針です。

工事概要

工事名  : 五ケ山ダム堤体建設工事
工事場所  : 福岡県筑紫郡那珂川町大字五ケ山
発注者  : 福岡県
施工者  : 鹿島・飛島・松本特定建設工事共同企業体
工期  : 2012年6月~2018年3月
巡航RCD工法打設期間  : 2014年4月~2015年7月(16.8ヶ月)
工事諸元  : 重力式コンクリートダム、堤高102.5m、堤頂長556m、堤体積93.5万m3


プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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