ホーム > 企業情報 > プレスリリース > 循環型まちづくりを目指す、狛江版CSA発足準備協議会を設立

プレスリリース

[2015/11/9]

469KB

循環型まちづくりを目指す、狛江版CSA発足準備協議会を設立

鹿島、狛江市が新しい都市農業モデルの実証試験を実施します

 鹿島(社長:押味至一)は、狛江市(市長:高橋都彦)とともに、狛江版CSA発足準備協議会を立ち上げ、国土交通省「集約型都市形成のための計画的な緑地環境形成実証調査(※1)」に対し「循環型まちづくりのための農空間の活用方法に関する実証調査~狛江版 CSA~」を提案し、採択されました。 来年2月までの予定で、狛江市内において地域が支援する都市農業モデルの実証試験を行っています。     

狛江CSAのコンセプト図     

狛江CSAのコンセプト図

設立の背景

 CSA (地域が支える農業/Community Supported Agriculture) の取組みは、欧米を中心に、消費者が地場の生産物を定期的に直接購入し、地域の農業を支援するシステムとして拡大してきました。 最近では、生産物の売買だけでなく農作業の手伝いなどを通して、生産者と周辺のコミュニティを結びつけ、より強固な関係を築く取組みが試みられています。 今回、東京都区部に隣接する東京都狛江市をフィールドとして、市内の農業従事者、飲食店、学校等のご協力の下、食品残渣の循環利用や農地・公園の循環型維持管理を試験的に実施しています。 これは、農地や農業を循環型まちづくりに活用する狛江オリジナルのCSAを提案するものです。

実証試験の概要

 実証試験では、(1)循環型の農業 (2)環境負荷を低減する農業 (3)地域に支えられた農業 をコンセプトに、主に以下の3つの取組みを通じて、狛江市民と農業従事者をつなぐ新しい仕組みづくりを行っています。

1. ミミズコンポスト
 農地から発生する野菜残渣や近隣の飲食店から発生する調理屑などをミミズによって短期間で堆肥化します。ミミズ堆肥を使って農業生産を行うことで、市内で発生する生ごみを減量し、地産地消の野菜を生産する循環型農業となります。

ミミズコンポスト      

2. コーヒー滓ヒラタケ栽培
 市内の飲食店から発生する、通常はゴミとして廃棄されてきたコーヒー滓を回収し、ヒラタケの培地として再利用する菌床栽培を実施します。収穫したヒラタケは市内の飲食店で使うことにより新しい資源循環の仕組みを構築できます。また、使用済みの菌床は良質な肥料として農地へ戻し循環利用しています。

コーヒー滓ヒラタケ栽培      

3. ヒツジ除草
 ヒツジによって市内の農地や緑地の除草を行う他、農地から発生する野菜屑を処理します。機械除草による騒音や植物性廃棄物、CO2の排出をなくすトリプルゼロの除草を行いながら、農産物非食用部の処理も行える循環型の取組みです。

ヒツジ除草      

これまでの成果

 7月に開始したヒツジ除草は、3頭の雌のヒツジが市内のブルーベリー観光農園をベース基地に、市内の公園や駅前広場、神社の除草管理に貢献しています。畑では主に雑草と、傷んで商品として出せない野菜屑や収穫段階で発生する葉っぱや茎など、農産物の非食用部を餌として消費しています。また近隣の公園などには歩いて移動し、1頭1日当たり約10平米ほど除草を行います。
 加えて、定期的に羊を題材とした環境教育を開催し、市民や近隣の保育園児童を対象としてヒツジクイズや触れ合いイベントを実施(※2)しているほか、市内の緑地で要請があると「出動」し、除草を行っています。
 ミミズコンポストは、畑から発生する雑草や野菜屑のほか、市内のレストランの調理屑を処理しており、7月の試験開始以来3か月間で約200kgの生ごみを処理しました。処理の過程で発生するコンポストは今後肥料として農地で利用予定となっています。また、コーヒー滓ヒラタケ栽培は、市内の珈琲専門店およびレストランから毎週コーヒー滓を回収し、一定期間消毒した後にそれを培地としてヒラタケを栽培しています。おおよそ2~3か月で収穫が可能となり、コーヒー滓重量の約50%分のヒラタケが収穫できる予定です。     

ヒツジ除草と触れ合いイベントの様子     

ヒツジ除草と触れ合いイベントの様子

今後の展開

 狛江版CSA発足準備協議会は農業従事者、飲食店関係者、市民が参加する中間報告会を10月2日(金)に狛江市役所にて開催しました。今後、市内の小学校で循環型まちづくりと農業に関連する環境教育を実施するとともに、ヒツジは10月中旬まで、ミミズコンポストとコーヒー滓ヒラタケは来年2月まで試験を継続する予定です。また、来年2月7日(日)に本協議会が開催する最終報告会を一般公開する予定です。
 鹿島では、農の持つ資源循環、景観維持など多目的機能に注目し、持続可能なまちづくりに展開していきます。今後も、自然環境、経済、社会の調和のとれたまちづくりを進めることで、地域活性化に寄与するとともに、自然と共生した国土づくりに貢献してまいります。


※1 国土交通省HP:
  「平成27年度 都市と緑・農が共生するまちづくりに関する調査」に関する提案の選定結果について 別ウィンドウが開きます

※2 ヒツジの展示に関しては第一種動物取扱業者である株式会社都市環境エンジニアリング(登録番号14東京都展第004451号)が実施しています。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

ホーム > 企業情報 > プレスリリース > 循環型まちづくりを目指す、狛江版CSA発足準備協議会を設立

ページの先頭へ

ページの先頭へ