燃料費を大幅に削減できる高速濃縮・乾燥システム「V-CyCle」を開発 | プレスリリース | 鹿島建設株式会社

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プレスリリース

[2017/07/06]

742KB

燃料費を大幅に削減できる高速濃縮・乾燥システム「V-CyCle」を開発

最終処分場の水処理をはじめ、様々な分野の濃縮・乾燥工程でCO2排出量を半減

 鹿島(社長:押味至一)は、グループ会社の鹿島環境エンジニアリング株式会社(東京都港区、社長:池田豊)と共同で、ヒートポンプサイクルを採用した高速かつ高効率の濃縮・乾燥システム「V-CyCle」(ヴイシュクル)を開発しました。廃棄物最終処分場で発生する浸出水や、下水処理場・メタン発酵施設の脱水ろ過液、半導体・化学工業の廃水等から、塩分等の異物を除去する濃縮・乾燥工程において、加熱装置を切替えることで濃縮処理を効率化・高速化し、また発生した蒸気を回収・圧縮し熱として再利用することで大幅な低燃費を実現し、運転コストを削減します。
 運転コストの大幅な低減に繋がる本システムを、処分場をはじめとする各種産業の水処理を伴う施設に、積極的に提案していきます。

高効率濃縮・乾燥システム「V-CyCle」汎用機<br>(処理性能 最大1.6m<sup>3</sup>/h [圧縮機 約50kW×2基])

高効率濃縮・乾燥システム「V-CyCle」汎用機
(処理性能 最大1.6m3/h [圧縮機 約50kW×2基])

開発の背景

 廃棄物最終処分場では、雨水や散水による水分が廃棄物層を通過し、浸出水が発生します。これを場外へ排出あるいは場内で循環利用するためには、含まれる塩分等を除去することが求められますが、一般的には逆浸透膜を使ってろ過した後、加熱して水分を蒸発させることで「濃縮」、さらに「乾燥」することによって、塩分等を分離、除去します。
 従来、浸出水を濃縮、乾燥する工程においては、膨大な燃料を用いた熱エネルギーが消費されるため、施設の運転コストが増大し、また多くのCO2を排出するという課題がありました。

無放流型浸出水処理のイメージ

無放流型浸出水処理のイメージ

V-CyCleの特長

  1. 濃縮・乾燥工程を高速化 (従来比約1.5倍)
  2. 省スペース (従来比約75%)
  3. 燃料消費量削減 (従来比約1/3)
  4. CO2排出量削減 (従来比約1/2)
 ※一般的な初期濃度の浸出水を、汎用ジャケット式加熱器を用いて処理した場合との比較

 従来の濃縮・乾燥に用いる加熱設備として、蒸発器に接した「ジャケット式加熱器」と「外部加熱器」があります(下図)。「ジャケット式加熱器」を用いた場合は塩分が析出(固体として現われる)しても問題なく濃縮・乾燥を行えますが、熱交換速度が遅いという短所があります。一方「外部加熱器」では、熱交換速度は非常に速い反面、塩分が析出してしまうと設備自体に悪影響を与えるという問題があります。そこでV-CyCleは、濃縮の過程に応じて加熱設備の切替えを可能にしました。まだ塩分濃度が低い段階では「外部加熱器」を用いて効率よく加熱し、濃度が高まって塩分が析出する段階になれば「ジャケット式加熱器」による加熱に切替え、そのまま継続して乾燥まで行います。これにより、一台の設備で効率の良い処理が可能となり、高速化と省スペース化が実現します。

V-CyCleを用いた濃縮・乾燥工程のフロー

V-CyCleを用いた濃縮・乾燥工程のフロー  ※クリックで拡大します別ウィンドウが開きます

 また、V-CyCleは濃縮工程で蒸発した蒸気を回収し、圧縮機で昇温・昇圧し熱として再利用する「ヒートポンプ方式」を採用しています。そのため、従来技術に比べて加熱に必要な熱エネルギーが激減し、大幅な省エネ効果とCO2削減効果が期待できます。

従来のシステムとV-CyCleの熱消費の違い

従来のシステムとV-CyCleの熱消費の違い  ※クリックで拡大します別ウィンドウが開きます

実証試験の結果

 V-CyCleの小型機を製作し、実際に処分場で発生した浸出水を用いて濃縮・乾燥試験を行いました。その結果、既存の設備と比較して燃料消費量は約1/3、CO2排出量は約1/2にまで低減できることを確認しました。
 なお本実証試験は、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業・委託事業」において採択され、実施したものです。

V-CyCle小型機<br>(処理性能 最大0.15m<sup>3</sup>/h [圧縮機 約7.5kW×1基])

V-CyCle小型機
(処理性能 最大0.15m3/h [圧縮機 約7.5kW×1基])

CO<sub>2</sub>排出量グラフ<br>(1m<sup>3</sup>の模擬浸出水を処理した場合)

CO2排出量グラフ
(1m3の模擬浸出水を処理した場合)

今後の展開

 このシステムは運転コストの大幅な低減に繋がることから、処分場や下水処理場等の水処理を伴う施設の計画・建設から運営までを行うプロジェクトの提案に今後積極的に活用していきます。また食品・薬品・金属加工・半導体・化学工業ほかの廃液・廃水処理等、濃縮・乾燥工程を有する多くの工業分野にも適用可能であり、鹿島環境エンジニアリング株式会社を通じ、積極的に維持管理も含め幅広く販売していきます。
 鹿島はこのシステムを環境省が推進している「COOL CHOICE」への取組みの1つとし、その普及を図るとともに、これからも、エネルギーの有効利用と、低炭素社会の構築に貢献してまいります。

「COOL CHOICE」統一ロゴマーク

「COOL CHOICE」統一ロゴマーク


プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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