[2018/01/24]
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引くだけ配筋「ラクラクロールマット工法」を土木工事に初適用
~コンクリート工事の生産性向上を実現~
鹿島(社長:押味至一)は、株式会社スギウラ鉄筋(愛知県豊明市、社長:杉浦令於)と共同で、コンクリート工事における配筋作業が大幅に省力化できる「ラクラクロールマット工法(特許出願中)」を開発し、国内の土木工事に初めて適用しました。
ラクラクロールマット工法は、予め展開用ロープを仕込んだロール状のユニット鉄筋を、作業員が引きながら広げるだけで配筋作業が完了するものです。作業の大幅な省力化により作業員の肉体的負担が格段に軽減されるとともに、作業時間も従来と比べて約半分にまで短縮され、安全性と生産性の向上が図れる画期的な工法です。
なお本工法は、デンマークの機械メーカーであるPEDAX(ペダックス)社が開発した、特殊機械で製造する先組み鉄筋(ロールマット)の施工方法「ロールマット工法」を改良したものです。
開発の背景
特に、面積が広い土木構造物の配筋作業においては作業が長期にわたり、また太径の鉄筋を用いると非常に重いため、鉄筋のユニット化による配筋作業の省力化が強く望まれていました。
また、熟練作業員の高齢化に伴い、建設業界で懸念されている将来の担い手確保の観点からも、作業員の肉体的負担の軽減に向けた取り組みは喫緊の課題となっています。
ロールマット工法
ラクラクロールマット工法
今回開発した「ラクラクロールマット工法」では、工場でのロールマットの製造段階において、予め展開用のロープを鉄筋と一緒に巻き込んでおくことで、現場に搬入後、作業員が所定の位置でロープを引くだけで簡単に展開、配筋することを可能にしました。従来のロールマット工法と比べ、不安定な姿勢でロールを押す必要がなくなり、作業員の肉体的負担がさらに軽減されるとともに、配筋作業のより高い安全性が確保できます。
「ラクラクロールマット工法」の特長は、以下のとおりです。
- 太径の鉄筋で重量がある場合でも、無理なく引いて配筋することが可能
- 鉄筋上での不安定な配筋作業が減るため、足の踏み外しやつまずきなどによる災害のリスクが軽減
- 前傾姿勢でロールマットを展開する必要がなくなるため、作業員の肉体的負担が軽減
- 作業員が配筋範囲全体を見渡せるため、従来の手押しによるロールマット工法に比べて、配筋精度が向上
現場での適用実績
ラクラクロールマット工法を、新名神高速道路高槻インターチェンジ中工事、および東京外環自動車道市川中工事において適用しました。従来の配筋作業と比較して、作業時間が約半分となり、その効果が確認できました。
現場の適用実績は、以下のとおりです。
今後の展開
鹿島は、ラクラクロールマット工法の現場適用を今後も継続し、展開方法の改善や、運搬・設置作業の効率化をすすめるとともに、コンクリート工事全体のさらなる生産性向上にむけ、様々な技術開発を行っていきます。
工事概要
工事名 | : 新名神高速道路 高槻インターチェンジ中工事 |
発注者 | : 西日本高速道路株式会社 |
場所 | : 大阪府高槻市 |
工期 | : 2015年4月~2018年11月 |
施工者 | : 鹿島建設株式会社 |
工事名 | : 東京外環自動車道 市川中工事 |
発注者 | : 東日本高速道路株式会社 |
場所 | : 千葉県市川市 |
工期 | : 2010年11月~2018年6月 |
施工者 | : 鹿島・大林・鉄建特定建設工事共同企業体 |
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