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プレスリリース

[2018/02/28]

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ステレオカメラを活用して配筋検査の大幅な省力化を実現!

~鉄筋の径、間隔、本数を自動で計測、ヒューマンエラーを排除~

 鹿島(社長:押味至一)は、日本電気株式会社(社長:新野隆)、オリンパス株式会社(社長:笹宏行)と共同で、ステレオカメラ※1とタブレット端末を連動させたコンクリート構造物の自動配筋検査システム(特許出願済み)を開発しました。配筋した検査対象をステレオカメラで撮影するだけで、鉄筋径、間隔、本数の自動計測が瞬時にでき、また検査前の準備作業も不要にします。
 本システムを活用することにより、配筋検査の大幅な省力化を実現するとともに、ヒューマンエラーの無い、確実な検査を行うことができます。

※1 立体写真撮影用のカメラ。対象物を異なる方向から同時に撮影することにより、
   その奥行き方向の情報も記録できる

ステレオカメラ(プロトタイプ)で配筋した検査対象を撮影すると連動したタブレット端末に自動計測結果が表示され、データが記録される

ステレオカメラ(プロトタイプ)で配筋した検査対象を撮影すると
連動したタブレット端末に自動計測結果が表示され、データが記録される

開発の背景

 コンクリート構造物における配筋検査は、施工を進める上で重要な位置づけにあるものの、その検査にあたっては事前の準備から検査後の報告書の作成まで、多くの時間と手間を要していました。特に、鉄筋径を区別するマーキングや、鉄筋の間隔を示すスケールスタッフの設置など、検査前の準備作業には多くの手間がかかっており、省力化が強く望まれていました。
 そこで、ステレオカメラと高度な画像処理技術を用いた自動配筋検査システムを開発、鹿島技術研究所における基礎的な計測精度実験と土木現場での適用実験を経て、その実用性を確認しました。

現状の検査前準備作業

現状の検査前準備作業

本システムの概要

 本システムは、タブレット端末と連動させたステレオカメラで検査対象を撮影するだけで、鉄筋の径、間隔、本数を自動で計測(判別)します。具体的な手順は、以下の通りです。

  1. ステレオカメラで検査対象を撮影する
  2. 3次元データがタブレット内部で自動生成される
  3. 生成された3次元データから配筋された鉄筋のみが検出される
  4. 検査範囲をタブレット画面上で指定する
  5. 画像処理技術により自動計測された「鉄筋径」、
    「間隔」、「本数」が画面上に表示される
  6. 計測結果はデータとして記録される

検出された配筋3次元データ

検出された配筋3次元データ


自動計測結果のタブレット画面

自動計測結果のタブレット画面 : 検査対象範囲を点線で囲むと縦横の鉄筋の間隔や
                    本数等の表が作成されるとともに写真上にも表示される

本システムの特長と効果

 本システムでは、写真を撮影するだけで配筋状態を自動計測できるため、鉄筋径の区別や鉄筋の間隔を示すための事前作業が不要となり、準備・計測・検査に要する人数や時間を1/3に省力化できるとともに、計測結果を電子データとして残すことで検査書類にも転用が可能となります。また、目視だけでは気づきにくいミスやヒューマンエラーを排除し、確実な配筋検査を行うことができます。

本システムと従来の配筋システムとの比較

本システムと従来の配筋システムとの比較※2 ※クリックで拡大します別ウィンドウが開きます



※2 検査1回あたりの工数は、標準的な鉄道高架橋工事を想定

今後の展開

 今後、本システムを土木現場における自主検査に適用して実績を蓄積するとともに、AI技術の活用による画像処理技術の更なる高度化や、検査報告書の自動作成機能の開発、ステレオカメラ・タブレット端末の小型・軽量化など、システムのブラッシュアップも進めていきます。
 また、発注者による立会検査への活用や、発注者・施工者双方が検査結果の画像を遠隔で共有するといった、更なる省力化も視野に開発を継続します。



プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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