ホーム > 企業情報 > プレスリリース > 国内最長の沈埋函を高精度に沈設

プレスリリース

[2018/11/28]

416KB

国内最長の沈埋函を高精度に沈設

~東京港臨港道路 南北線工事~

 鹿島(社長:押味至一)は、国土交通省が整備を進める東京都の中央防波堤地区と有明地区を結ぶ東京港臨港道路南北線工事において、このほど国内最長となる長さ約134mの沈埋函(1号函)を高精度に沈設し、立坑と接合する作業を完了しました。
 本海底トンネルは、7つの函体を順次海中に沈設・接続する沈埋トンネル工法にて施工を進めています。このため最初の沈設となる1号函の施工精度によっては、その後沈設する函体が東西に振れる可能性があるなど品質に及ぼす影響が大きくなりますが、当初の目標値からほぼ誤差なく沈設でき、トンネル全体の品質確保に大きく寄与しました。

沈設場所に到着した沈埋函(1号函)

沈設場所に到着した沈埋函(1号函)

工事平面・縦断図

工事平面・縦断図 ※クリックで拡大します別ウィンドウが開きます

東京港臨港道路 南北線工事

 中央防波堤地区と有明・青海地区を結ぶ既存の青海縦貫道路では、コンテナ車両等の集中により交通量が容量を大きく上回り、渋滞が頻発しています。また現在中央防波堤地区では新しいコンテナターミナルの整備が進んでおり、コンテナ車両が今後も増加し、更なる渋滞が懸念されています。
 こうした状況を踏まえ、国土交通省は中央防波堤地区と有明地区を結ぶ臨港道路南北線の整備を進めており、鹿島はこのうち中央防波堤側の立坑、沈埋函(1号函)の製作・築造、及び陸上トンネルの建設を担っています。

沈埋トンネル工法

 沈埋トンネル工法とは、造船ドック等で製作した複数の沈埋函を海上に浮かせて曳航し、あらかじめ海底に掘った溝に沈めて接続することで、海底トンネルを構築する工法です。今回製作・沈設した沈埋函は、1函あたりの長さが約134m(幅約28m、高さ約8.4m)と、これまでに国内で製作された沈埋函の中では最長となります。

ドックで製作中の1号函

ドックで製作中の1号函

沈設精度

 1号函の沈設にあたり、事前に7函体の製作精度データを反映して到達立坑までのシミュレーションを行いました。その結果、発進立坑との接合部において東に30㎜程度振った地点に沈埋函を沈設することが最適と判断され、これを目標値としました。この目標値を満足するために、タワーに装備した複数のミラー位置を陸上の光波距離計でリアルタイムに測量しながら、函体を正確に沈設位置に誘導するシステムや、海中作業時に立坑から発信した超音波を沈埋函で受信することで互いの位置を正確に把握できる装置を駆使するなど、精度管理を徹底しました。これにより、目標値である東に30㎜程度振った地点に対し、東に51㎜振った地点に沈設できたことが、測定により確認されました。過去の工事事例では、沈埋函の沈設精度は目標値から水平方向に100㎜程度の誤差となることも多い中、高精度な沈設が実現しました。

1号函を沈設位置へ正確に誘導

1号函を沈設位置へ正確に誘導

 なお立坑工事においては、沈埋函との接合箇所をプレキャスト化し、船舶で曳航・設置する一括架設方式を採用しました。現場での溶接作業の手間を省略した結果、工事期間を約40日短縮しています。

 今後、2020年4月の竣工に向け、道床コンクリートなどの函内工事を行っていきますが、これまで同様安全・品質に万全を期して施工を進めてまいります。

工事概要

工事名  : 東京港臨港道路南北線中央防波堤内側地区接続部及び沈埋函(1号函)製作・築造工事
発注者  : 国土交通省 関東地方整備局 東京港湾事務所
工事場所  : 東京都江東区青海地先
工期  : 2016年4月13日~2020年4月3日
施工者  : 鹿島・東亜・あおみ特定建設工事共同企業体
工事諸元  : 立坑 1基、沈埋函(1号函) 1函 全長約134.0m、陸上トンネル L=97.5m


プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

ホーム > 企業情報 > プレスリリース > >国内最長の沈埋函を高精度に沈設

ページの先頭へ

ページの先頭へ