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プレスリリース

[2019/08/29]

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首都直下地震を想定したBCP訓練を実施

人員・物資の輸送にヘリコプターを活用

 鹿島(社長:押味至一)は、2019年8月28日、首都直下地震など各地で起こり得る最大級の地震を想定したBCP訓練を、全社一斉に実施しました。
 本社及び首都圏4支店では、訓練の都度震源地を東西南北に変えており、今回は首都圏南部、川崎市直下を震源とする地震(M7.3、最大震度7)を想定しました。訓練はインフラの被害や広範囲に亘る液状化、帰宅困難者の発生、さらには社長が本社(東京都港区)に不在という状況を想定し、発災当日から数日間の対応を中心に行いました。また、横浜から東京南部に甚大な被害が発生したという想定のもと、関東支店(さいたま市大宮区)を支援支店に、東京土木支店(東京都港区)、東京建築支店(同)、横浜支店(横浜市中区)をそれぞれ受援支店に指定し、連絡体制の確立と被災情報の共有の他、人員と物資の輸送にヘリコプターを活用するなど、より実践的な訓練を実施しました。
 

震災対策本部会議の状況

震災対策本部会議の状況

 鹿島は、建設産業が担う災害復旧という社会的使命を果たすため、災害発生時に起こり得る様々な事態を想定し、本社ならびに支店・工事事務所が実践的かつ効果的な訓練を行うことにより、企業としての“防災力”、“事業継続力”のさらなる向上を図ってまいります。

主な訓練内容

● ヘリコプターを活用した輸送訓練

 首都直下地震による広域災害が発生し、鉄道や主要道路が寸断された場合でも、一刻も早く現地を調査し復旧作業を開始するため、人員と物資の輸送手段を確保する必要があります。当社では昨年、船舶による人員輸送を訓練しましたが、今年はヘリコプター(6人乗)を活用した訓練を実施しました。
 具体的には、被害が少なく支援支店に指定した関東支店が、甚大な被害を受けた東京土木・東京建築・横浜の3支店に対して、ヘリコプターによる支援を計画するとともに、実際につくばヘリポート(茨城県つくば市)から東京ヘリポート(東京都江東区)まで、調査・復旧の人員輸送と、初動段階で需要が高まる無線機器等の補給を行いました。
 なお、今年4月には社長ほか震災対策本部員がヘリコプター飛行訓練を実施しており、有事の際の機動力として備えています。

ヘリコプターを活用した訓練状況

ヘリコプターを活用した訓練状況

● 社長不在時の代行体制による震災対策対応

 例年、BCP訓練では震災対策本部長である社長の指揮命令のもと、応急対策等の活動訓練を行っていましたが、今年は社長が出張で本社に不在という状況を想定し、副社長(小泉建築管理本部長)が本部長の職務を代行して全社を指揮する訓練を実施しました。

● 支店ビルが使用できない場合の代替戦略

 当社では、震災時に建物の被災状況を即時に把握できる建物安全度判定支援システム「q-NAVIGATOR®」を、本社・支店の全ての建物に設置しています。
 横浜支店における訓練では、「q-NAVIGATORにより支店ビルの構造的な安全性は確認されたものの、建物周辺の火災、損壊、液状化により全館避難が必要」というケースを想定し、代替拠点である鹿島磯子寮(横浜市磯子区)に支店対策本部を立ち上げる手順を確認しました。加えて、社外からの復旧要請に対応するため、不足する人材や資機材を本社に要請し、全国から受け入れる態勢を確認しました。

● リアルタイムハザートマップの活用

 実際の地震では、訓練どおりに被害が発生するとは限らないため、発生直後に被害の大きな地域や物件を見定め、調査・復旧活動を開始する必要があります。当社の技術研究所が中心となって作成した「リアルタイムハザードマップ」は、実際に発生した地震の観測データから推計される建物等の被害を、地震発生から20分以内に地図上に表示します。今回の訓練では、この情報を全国の震災対策本部関係者に配信し、揺れの大きかった竣工物件や施工中現場への人員派遣、ならびに二次災害防止対策の検証等を行いました。

● 工事現場における初動対応

 当社では、工事現場における初動対応として、作業員の避難や現場被害の点検のほか、仮設足場の倒壊や危険物の流出といった二次災害防止を図るため、「震災時における現場対応指針」を策定しています。今回、同指針をもとに対応項目の点検を行い、避難・帰宅抑制計画の確認など、工事現場が初動時に取るべき行動をより掘り下げて整理し、関係者間で共有しました。
 また、都内のモデル現場では、タワークレーンのオペレータや高層階の作業員に緊急地震速報の携帯電波が届かないリスクを想定し、高所でも受信可能なFM電波による通信を試行したほか、クレーンでの資材揚重中に地震が発生した際の退避手順など、より具体的なケースを想定した訓練を行いました。

● 約2万人参加の安否登録訓練

 「従業員安否システム」を活用した従業員と家族の安否登録訓練を行いました。今回は午前8時発災の想定で、従業員は通勤中もしくは勤務中で家族と離れた環境にあると思われることから、「家族との連絡」に力点を置き、実際にSNS等で家族と連絡を取り、その連絡手段についても登録する訓練としました。訓練結果として、当社従業員約1万人の安否は4時間で99%、国内全グループ会社の従業員約1万人を含めた約2万人の安否は6時間で96%確認できました。

 以上の訓練結果について報告を受けた押味社長から、「実際に首都圏で大きな地震が発生した際、現場や道路はどのような状態になり、必要な人や資機材を調達、輸送するときの障害は何か。最悪のケースを想定し、その中でも私たちが災害復旧の使命を果たしていける備えが重要だ。災害時の対応力は、高い意識と絶え間ない訓練があってこそ磨かれていく。今一度、様々なケースを想定し、さらに高度な災害対応を目指してほしい」という総括がありました。

 

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その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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