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プレスリリース

[2020/06/24]

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硬質地盤の沈下掘削を可能とする水中掘削機を開発

~ オープンケーソン工法の適用範囲が飛躍的に拡大 ~

 鹿島(社長:押味至一)は、株式会社加藤建設(愛知県海部郡蟹江町、社長:加藤徹)、およびアジア海洋株式会社(東京都中央区、社長:柳井紳太郎)と共同で、オープンケーソン工法で用いる新たな水中掘削機を開発しました。本掘削機の適用により、これまで困難であったケーソン刃口部直下の硬質地盤の掘削が容易となるため、オープンケーソン工法の適用範囲(平面形状、深度、対象地盤)が飛躍的に拡大します。

硬質地盤対応水中掘削機

硬質地盤対応水中掘削機

硬質地盤に対応したオープンケーソン工法

硬質地盤に対応したオープンケーソン工法

開発の背景

 オープンケーソン工法は、ケーソンと呼ばれる円形や矩形の筒状構造物の内部を、地上からグラブバケット等を使用して水中掘削し、ケーソン自体の重量および圧入アンカーによる沈下荷重を利用してケーソンを所定の深さに沈設させるものです。
 本工法は地下での有人作業がないなど安全性に優れる一方、掘削地盤が硬質な場合、ケーソン刃口の直下を掘削しないとケーソンが沈下しません。しかし、バケットがケーソンに接触し、破損させてしまうおそれがあることから、刃口部直下を直接掘削できず、沈設前に地上から刃口部の硬質地盤を掘削が容易な砕石などに置き換える必要がありました。そのため、本工法には適用範囲が限定されたり、硬質地盤下でのコストの増加や工期の延長などの課題がありました。

水中掘削機の概要と特長

 本掘削機は、通常のグラブバケット等では直接掘削できない硬質地盤が出現した時に地上部から吊り下げ投入し、ケーソン刃口部直下の沈設に必要な範囲を掘削します。また、本掘削機を用いてケーソン中心部の硬質地盤を先行削孔して緩めることで、グラブバケット等での掘削作業の効率化が図れます。さらに、掘削土を本掘削機でケーソン中心側に集めることにより、水中サンドポンプやグラブバケット等を使用した地上への効率的な搬出が可能となります。
 本掘削機の主な特長は、以下のとおりです。

(1)機動性に優れ、メンテナンスも容易
 通常のケーソン工事で使用する掘削設備の一部である揚重クレーンで揚重、移動できるため、機動性に優れ、ケーソンの規模や平面形状に関係なく配置できます。また、本掘削機は掘削時の反力を自重で保持する機構であり、ケーソン本体に機械を固定する必要がないため、メンテナンスの際に地上への引上げが容易に行えます。

(2)各種センサーや高性能カメラを搭載
 施工に際しては、本掘削機の設置深度、平面位置、姿勢を各種センサーで把握し、高性能水中音響カメラ等を用いて精度よく掘削することが可能となります。

刃口部掘削イメージ

刃口部掘削イメージ

水中音響カメラによる画像例

水中音響カメラによる画像例

(3)硬質地盤対応とコストダウン
 本掘削機に用いるカッターヘッドは、一軸圧縮強度5N/mm2程度の硬質地盤を掘削できます。2020年3月に実施した模擬地盤での切削試験において、その掘削性能を確認しました。また、これまでオープンケーソン工法では、刃口部直下は地上部から硬質地盤部まですべての深度で事前に砕石への置換えが必要でしたが、本掘削機を使用することで置換えが不要となるため、コストダウンと工期短縮が図れます。

カッターヘッドの掘削試験状況

カッターヘッドの掘削試験状況

今後の展開

 今後は、水中での検証試験を行うとともに周辺技術開発を進め、実工事への早期適用を図っていきます。
 鹿島は、安全で環境に優しいオープンケーソン工法の適用範囲の拡大を目指し、今後も技術開発を推進して参ります。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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