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プレスリリース

[2020/09/01]

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高性能制震オイルダンパーHiDAXの耐力を大幅にアップグレード

~従来型の2台分に相当する最大減衰力4000kN型のHiDAX-eを開発~

 鹿島(社長:押味至一)は、センクシア株式会社(社長:笠原伸泰)の協力のもと、建物用制震オイルダンパーHiDAX-eをアップグレードし、1台で従来型の2台分に相当する最大減衰力4000kNの高耐力型を開発しました。必要な装置台数や設置スペースの削減が可能になるため、建築計画や設備計画との整合が容易であり、建物の使い勝手を損なうことなく、耐震性能の大幅な向上を実現します。
 新開発の4000kN型HiDAX-eは、当社が施工を進めている新築工事への採用が予定されています。

新開発の4000kN型HiDAX-e

新開発の4000kN型HiDAX-e

従来型と新開発型の比較

開発の背景

 鹿島は2000年に、オイルダンパーに組み込んだ制御弁を独自の制御則で電気制御することで、制震効率(振動エネルギー吸収効率)を一般のオイルダンパーの約2倍に向上させた高性能オイルダンパーHiDAX-sを開発しました。また、2005年にはコストパフォーマンスに優れる電気不要の主力装置であるHiDAX-e、更に2015年には、世界初のエネルギー回生システムを導入したHiDAX-Rを開発しました。このHiDAXシリーズは40棟を超える超高層ビルに適用され、地震・強風観測により優れた効果も実証されており、高性能制震装置の代名詞として高い評価を得ています。
 この度、従来型では2000kNが最大であった減衰力を2倍の4000kNに拡大した高耐力型HiDAX-eがラインナップに加わりました。従来型2台分の性能を1台で発揮できるため、設置個所や設置スペースを削減することができ、建築計画や設備計画の自由度を高めることができます。

技術上のポイント

  • 内部の油圧機構、ボディや取り付け部の最適設計を行うことで、装置直径の増加を340mmから430mmへ25%に抑えながら、2倍の耐力向上を実現しました。
  • HiDAXならではの振動エネルギー吸収効率を実現する油圧回路部分には、これまでの実績とノウハウがそのまま継承されており、高い性能と信頼性を誇ります。
    実大装置の加力実験により、最大減衰力が約2倍に向上したことが確認されています。

従来型の約2倍の減衰力を発揮することを実験で確認(黄色の履歴面積が吸収エネルギー量を表す)

従来型の約2倍の減衰力を発揮することを実験で確認
(黄色の履歴面積が吸収エネルギー量を表す)

効果と特長

  • 従来型に比べてやや大型化したとはいえ、直径430mmのボディは柱幅に十分収まるコンパクトなサイズであり、従来のオイルダンパーと同様な扱いが可能です。
  • 風揺れから大地震まで、様々なレベルの揺れに有効なHiDAXならではの優れた性能は従来型と同様です。揺れの継続時間の長い長周期地震動の対策技術としても最適です。

今後の展開

 電気不要で一般のオイルダンパーの約2倍のエネルギー吸収効率を発揮するHiDAX-eは、当社の制震システムのラインナップの中でも主力機種として位置付けています。今後は、エネルギー回生型のHiDAX-Rなど、HiDAXの全シリーズに、この4000kN用プラットフォームの適用を拡大していく予定です。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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