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プレスリリース

[2022/01/26]

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CCU材料としての炭酸カルシウム微粉末を大量に混入した
高流動コンクリートを開発

~ i-Constructionによる作業の省人化とCO2の大幅削減を同時に実現 ~

鹿島建設株式会社
日本コンクリート工業株式会社

 鹿島(社長:天野 裕正)は昨年4月から、日本コンクリート工業株式会社(社長:塚本 博、以下「日コン」)とCO2を大幅に削減できる環境配慮型コンクリートの共同研究に取り組んでいます。
 この度、i-Constructionによる作業の省人化とCO2削減を同時に実現する技術を開発しました。これは、日コンが開発したCO2を固定化した炭酸カルシウム微粉末であるCCU(CO2回収・貯留)骨材・粉体素材「エコタンカル」と、鹿島が開発した高流動コンクリートに大量の炭酸カルシウム微粉末を混入する技術を組み合わせることで、コンクリート締固め作業の省人化と大幅なCO2削減を同時に可能とするものです。本コンクリートは、プレキャストコンクリートだけでなく、場所打ちコンクリートにも広く適用できます。

 コンクリートの主原料であるセメントは、製造過程で大量のCO2を排出するため、その削減に向けた取組みは建設業界全体における喫緊の課題となっています。これを解決するため、様々な環境配慮型コンクリートの研究が進められており、CO2を吸収して硬化するCO2吸収型コンクリートや、戻りコンクリート・残コンクリートにCO2を吸収させて炭酸カルシウムの微粉末を製造する技術などが開発され、既に商品化されています。しかしながら、これらの技術は,コンクリートの大幅なコストアップを伴い、普及に向けての課題となっています。
 他方、国土交通省が推奨している建設業の省人化および生産性向上のための取組み「i-Construction」において、高流動コンクリートの利点が見直されています。高流動コンクリートは、コンクリート打設時の締固めが不要で作業を省人化できることから、将来的には、コンクリート打設の自動化につながる技術として注目されています。

 日コンは、プレキャストコンクリート製品工場の排気ガスから回収した炭酸ガス(CO2)とコンクリート廃材のカルシウムによって製造される軽質炭酸カルシウム微粉末「エコタンカル」を開発しています。この「エコタンカル」を高流動コンクリートに大量に混入することで、コンクリート締固め作業の省人化と大幅なCO2削減が可能となります。具体的には、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを混入することでセメント量を減じ、かつ「エコタンカル」を1m3当たり313kg混入することで、通常のコンクリートに比べて256kg/m3のCO2削減が可能です。これにより、1m3当たり-5kgのカーボンネガティブを実現することになります。また、鹿島が開発した再生セメント「CemR3」(セムアールスリー)を用いた場合、さらなるCO2削減が可能です。

 今後、i-Constructionの観点から高流動コンクリートの適用が増えた場合、さらなる作業の省人化とCO2削減を同時に実現することが可能です。
 両社は今後も、技術立社の企業として、たゆまぬ技術革新に取り組み、これらの活炭素技術を駆使した脱炭素社会への移行、ならびに建設業の生産性向上に積極的に貢献していきます。

通常のコンクリートと高流動コンクリート打設時の状況比較

通常のコンクリートと高流動コンクリート打設時の状況比較

カーボンネガティブ説明図


<参考>
■炭酸カルシウム微粉末を大量に混入した高流動コンクリートの特徴
 https://www.kajima.co.jp/tech/c_urban_infra/material/index.html#body_04

■CCU材料 エコタンカル
 https://www.ncic.co.jp/products/environment/ecocaco3.html

■戻りコンを再びコンクリートに、究極の資源循環を実現(2016年11月24日プレスリリース)
 https://www.kajima.co.jp/news/press/201611/24a1-j.html


プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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