[2025/05/16]
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第32回鹿島美術財団 財団賞・優秀賞を決定
公益財団法人鹿島美術財団(理事長:鹿島公子)は、第32回「鹿島美術財団 財団賞・優秀賞」の受賞者を決定しました。
「鹿島美術財団 財団賞」は、美術研究の一層の振興を目的として1994年に創設され、以後毎年、助成者の研究成果をまとめた論文(同財団刊行『鹿島美術研究』に掲載)の中から特に優れたものを選考の上、贈呈されます。第28回からは表彰制度を拡充し、「優秀賞」を新設しました。このような、優れた美術研究に対して贈られる賞は国内に数少ないことから、「國華賞」(朝日新聞社関連)と並び、美術研究者の大きな関心が寄せられています。
このたび、2024年刊行の『鹿島美術研究』(年報第41号別冊)に掲載され、所定の要件を満たした論文の中から、6名の選考委員が審査を行い、「財団賞」、「優秀賞」の各賞を選定しました。受賞者には、賞状と副賞(財団賞:100万円、優秀賞:50万円)が本年5月15日(木)の授賞式にて授与されました。
鹿島美術財団は、美術の振興をはかり、もって我が国の文化の向上、発展に寄与することを目的に1982年に設立されました。全国の若手・中堅の美術研究者を主な対象に、美術に関する調査研究助成、出版や国際交流の援助、ならびに美術講演会開催などの普及、振興活動を行なっています。その活動実績は、これまでに約2,970件、総額約24億8,000万円にのぼります。2024年には、ボストン美術館が所蔵する日本美術品調査への助成支援とその成果公表など、同館との約30年にわたる協働事業が高く評価され、公益社団法人企業メセナ協議会が主催する「メセナアワード2024」において優秀賞を受賞しました。
財団賞 受賞者
《日本・東洋美術部門》河合 由里絵 (かわい ゆりえ)
(和宗総本山四天王寺学芸員、神戸大学大学院人文学研究科博士課程後期課程)
研究主題:「扇面法華経冊子」の研究
―制作状況と図様転用を中心に―
《西洋美術部門》
工藤 弘二 (くどう こうじ)
(ポーラ美術館学芸員)
研究主題:「セザンヌ」展(1936年、オランジュリー美術館)について
―文化遺産の連続性としての没後30年記念展―
優秀賞 受賞者
《日本・東洋美術部門》大島 幸代 (おおしま さちよ)
(研究代表者、大正大学文学部専任講師)
研究主題:陸信忠再考
―新出の「阿弥陀三尊像」を手がかりに―
《西洋美術部門》
平野 文千 (ひらの ふみち)
(成城大学大学院文学研究科博士課程満期退学)
研究主題:ホアキン・ソローリャ 作品に見る切り取られた景色
―ジャポニスムと写真をめぐる考察―
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