イリア、介護施設を無償リフォーム インテリア業界19社と共に快適・安全な空間を創出 ~グループ会社の取組み~

イリアがリフォームした「ありすの杜きのこ南麻布」のダイニングキッチン
鹿島グループの総合インテリア企業イリア(ILYA CORPORATION)は2025年10月、介護施設「ありすの杜きのこ南麻布」(東京都港区)のリフォームを社会貢献活動の一環として無償で実施しました。超高齢社会に対応するため、社内ワーキンググループ(WG)で行ってきた研究・調査の成果を生かし、入居者が自立した暮らしを実現できる安全・快適な環境を提案しています。今後も、リフォームに参画した建材・家具メーカーや施工協力店など計19社とともに、インテリア業界が一体となって社会課題の解決に貢献するプロジェクトとして取り組んでいく考えです。
イリアは1985年の設立以来、設計・デザインから家具・什器・設備、アート作品の選定、施工まで総合的に手掛け、高水準の仕様や趣向性が求められるホテル、オフィスなどで多くの実績を残してきました。近年は年齢や性別の違い、障害の有無などに関わらず使いやすいユニバーサルデザインの考え方が浸透し、あらゆる施設に高齢者らへの配慮が求められる状況を踏まえ、顧客・時代のニーズに応じたインテリアの在り方を探っています。
今回のプロジェクトは、若手社員中心のWGが認知症や身体機能の変化を学ぶなか、イリア本社のある港区内の介護施設をリフォームする目標を掲げたことからスタートしました。地域貢献につなげるため港区社会福祉協議会に相談し、推薦を受けたのが「ありすの杜きのこ南麻布」を運営する社会福祉法人新生寿会(しんせいじゅかい)です。この法人は認知症ケアに早くから取組み、一人ひとりに最適なケアを提供することで「やりたいことを実現するための支援を行い、安心して生きることのできる施設運営」を実践しています。
その理念に共感したイリアは、社会貢献の趣旨に賛同した建材・家具メーカーや施工協力店の協力を得て、多くの入居者が日中集まるダイニングキッチンのリフォームを実施しました。高齢者や認知症の人の動作特性、関節の可動域などを調査した結果をもとに、ソファや椅子はシート高を低くし、ゆったりとしつつ沈みすぎない素材を使い、立ち上がりやすい設計を採用。フローリングは転倒リスクを軽減する滑りにくい加工を施し、入居者が安全かつ自由に動ける環境をつくる一方、天井・壁に調湿・消臭性能を持つ自然素材の珪藻土を使用するなど居心地の良い空間を実現しています。また、キッチンをアイランド化して調理中なども部屋全体を見渡せるようにするなどスタッフの働きやすさにも配慮。新生寿会からも「入居者により寄り添えるようになりました」と感想が寄せられました。

シート高を低くしたソファ(左)が並ぶダイニングは、アイランド化したキッチンから見渡せます
イリアは今回のリフォームを通じ、社員が高齢者の身体状況に適した家具の寸法や仕様、内装に関する知識を修得することで、オフィスやホテルへも適用する新たな「スタンダードデザイン」の確立を目指しています。今後も参画企業とともに港区内の介護施設を継続的に支援し、業界一体となってインテリアを通じた社会課題の解決と社会貢献の在り方を検討・実践していく考えであり、鹿島はその取組みを様々な形で周知・展開していきます。
※イリア プレスリリース
https://www.ilya.co.jp/_wp/wp-content/uploads/2025/12/cff7a8ccc26261e7c01015f3719a2096.pdf(PDF:680KB)
