[2016/02/24]
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「R-SWING®工法」 3連揺動型掘削機が完成!
・ユニットの組み合わせにより、矩形の小~大断面に対応可能!
・ユニットの転用により、掘削機の製造コストを大幅に縮減!
・施工現場での組立・解体作業が容易で安全!
鹿島(社長:押味至一)は、都市部の地下立体交差などを構築するアンダーパス工法「R-SWING®工法」の3連揺動型の幅広タイプ掘削機を製作し、2016年5月より、地下鉄日比谷駅と現在建設中の新日比谷ビル間の連絡通路約40mの掘進施工に使用します。この3連R-SWING機は、別の工事で使用した2連のR-SWING機を転用したもので、掘削機の製造コストを大幅に縮減しました。また、ユニット間の接続を全てボルト締めとすることで、組立時の溶接や解体時のガス切断作業が不要となり、現場での組立、解体作業を極めて短工期かつ安全に行うことが可能です。
R-SWING工法の開発背景
都市部の交通渋滞がもたらす周辺環境への影響に対し、対策の一つとして道路の地下立体交差化が進んでいます。また、都心の再開発プロジェクト等においては、テナントの利便性向上のため、建物と駅を地下でつなぐ地下連絡通路のニーズが高まっています。
これらの建設工事にあたって、地表面から掘り下げる従来の開削工法では、地上に交通規制が多く発生してしまうこと、またシールド工法などの非開削工法では、発進・到達立坑の用地確保が難しいことや短い距離の工事ではコストが割高になってしまうこと、土被りの小さい箇所には適用が難しいことなど、いくつかの課題がありました。
そこで、地上発進・地上到達が可能で、トンネルへのアプローチ部とアンダーパス部を一度に構築できる矩形(四角形)断面の揺動型掘削機を用いた、R-SWING工法が開発されました。
R-SWING工法は、掘削機の上部に装着した屋根(ル―フ)を突き出した状態で先行掘削することにより、地盤沈下などを防止し、周辺環境への影響を最小限に抑えながらトンネルを構築することができます。
R-SWING機の特徴
[1]基本ユニットの組み合わせにより小断面から大断面まで対応可能
掘削機本体部(青色部:幅2.3m×高さ2.7m)とルーフ部(赤色部:幅2.3m×高さ0.9m)の基本ユニットを必要に応じてブロックのように組み合わせ、小断面から大断面まで、用途に応じた断面調整を可能にする、ユニークな構造となっています。
なお、本掘削機の製作は、鹿島グループのカジマメカトロエンジニアリング(東京都港区 社長:鶴岡 松生)が担当しました。
[2]施工現場での組立、解体作業の簡素化
一般的なシールド工事では、掘削機の組立は溶接作業によって、また解体はガス切断作業でそれぞれ行いますが、両作業ともに作業時間を要するという課題があります。
R-SWING機は、各ユニット間をボルトのみで短時間に接合できる機構としたため、従来の掘削機で多くの時間を要した組立・解体工程と比較し、約50%の大幅な工程短縮が可能となりました。
今後の展開
鹿島は、地下立体交差工事などにおいて、小断面から大断面までの様々なニーズに対応したR-SWING工法を、今後も積極的に提案してまいります。
日比谷連絡通路土木工事 工事概要
事業主 | : 三井不動産株式会社 |
発注者 | : 東京地下鉄株式会社 |
工事名 | : (仮称)新日比谷計画事業と日比谷線及び千代田線日比谷駅鉄道施設整備等に伴うその2土木工事 |
工事場所 | : 東京都千代田区有楽町1丁目地先 |
工期 | : 2014年12月26日~2017年8月25日 |
施工者 | : 鹿島建設株式会社 |
※参考
新たなアンダーパス工法「R-SWING工法」を開発! (2011年9月12日プレスリリース)
プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。