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プレスリリース

[2017/12/19]

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小型地盤調査車「miniGeo®」を開発、運用を開始

支持層を正確に把握する機能はそのままに、狭小地や不整地にも対応

 鹿島(社長:押味至一)は、複雑な支持層の分布を高い精度で調査できる小型地盤調査車「miniGeo」(ミニジオ)を新たに開発、運用を開始しました。miniGeoは、当社独自技術による地盤調査車「GEO-EXPLORER®」(ジオ・エクスプローラー)を、狭小地や不整地にも対応できるよう、主な機能はそのままに小型化したもので、正確な支持層確認へのニーズに応えるべく、積極的に活用していきます。

小型地盤調査車「miniGeo」

小型地盤調査車「miniGeo」

開発の背景

 軟弱な地盤に建物を構築する場合、硬質な支持層にまで杭を確実に到達させることが必要であり、高品質で合理的な建物基礎の設計・施工には、敷地の地盤状況を正確に把握することが不可欠です。しかし一般的なボーリング調査だけでは、費用・工期の制約からその調査点数が限定され、特に傾斜や起伏の大きい複雑な支持層を正確に把握することは難しいのが実状です。
 昨今、支持層を正確に把握することの重要性が幅広く認識される中で建築主の意識も高まっており、また国土交通省は昨年、基礎ぐいの設計に際しては地盤調査を十分に行い、支持層を正確に確認することが重要なことを改めて示しています。
 鹿島は、地盤情報を精度高く得ることができる地盤調査車GEO-EXPLORERを1994年に開発、また2010年には、地盤分布をさらに早く、正確に調査できる新たなシステムを搭載した新型車を導入しています。これまで約250件の実績を積み重ねてきましたが、さらなる調査需要の高まりを受け体制を強化するとともに、狭小地や不整地にも対応できるよう、小型調査車の開発に取り組みました。

miniGeoの特長

 miniGeoでは、回転打撃ドリルで地盤を削孔する際に必要なエネルギーの大きさを指標として地盤の硬さを調べる、当社独自の「MWD(Measurement While Drilling)検層方式」を採用しています。これはGEO-EXPLORERと同じ方式であり、また調査能力も同等です。一般的なボーリング調査と比較して、調査時間は約1/10という大幅な短縮を実現しています。
 また、狭小地など大型車両が入りにくい場所での運用を可能にすべく、車両の長さは約1/2、総重量も約1/3にまで小型化に成功、汎用の10トントラックで運搬することができます。さらには走行装置をクローラとすることで、不整地や地表面が軟弱な場所における機動性も大幅に向上させています。
 加えてminiGeoでは、インターネット上のクラウドサーバとのデータ連携や、GNSS衛星測量などICT技術の活用により、計測・データ処理能力も向上させました。これはGEO-EXPLORERにも展開しています。

「miniGeo」と「GEO-EXPLORER」の大きさの比較

「miniGeo」と「GEO-EXPLORER」の大きさの比較

実際の調査適用

 当社が設計施工を担う静岡県の新築工事において、事前の地盤調査にminiGeoを適用しました。この敷地は整地する前であり、GEO-EXPLORERでは走行性の確保に一手間が必要でしたが、miniGeoは多くの地点で速やかに調査を行い(2日間で18地点)、起伏が大きく複雑な支持層の分布状況を、詳細に把握することができました。

「miniGeo」による調査状況

「miniGeo」による調査状況

調査結果(支持層上面深度 3Dコンター)

調査結果(支持層上面深度 3Dコンター)

今後の展開

 鹿島は、早く、正確に支持層が確認できる当社独自の地盤調査システムGEO-EXPLORERとminiGeoの積極的運用により、増加する調査需要に応えていくとともに、今後も引き続き、基礎・地盤工事の合理化と品質向上に努めてまいります。

(参考)
新型「GEO-EXPLORER」が誕生 別ウィンドウが開きます
(2010年12月22日プレスリリース)

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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