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プレスリリース

[2018/10/25]

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埋戻材に軽量土を用い、高速道路本線函体の合理化施工を実現!

~ 阪神高速大和川線常磐工区開削トンネル工事 ~

 鹿島(社長:押味至一)は、大阪府堺市で施工中の阪神高速大和川線常磐工区開削トンネル工事において、高速道路本線函体上部の埋戻材に軽量なHGS気泡混合土(High Grade Soil、以下、HGS)を採用しました。これにより本線函体の頂版・底版の部材厚を薄くすることが可能となり、一般的な埋戻し土を使用した場合に比べ、躯体構築工および掘削工の合理化による工期15%短縮、コスト20%縮減を実現します。都市部の工事で約15万m3という大規模なHGSの打設は、国内初となります。

HGS埋戻し断面図

HGS埋戻し断面図


HGS打設状況

HGS打設状況

阪神高速大和川線 常磐工区開削トンネル工事

 阪神高速大和川線は、全長約10kmの自動車専用道路です。このうち本工事では、西除川(堺市北区)の直下に延長350mの本線函体と出入口ランプ376mを開削工法にて構築しています(出口ランプの一部は、非開削の矩形シールドトンネルで施工済み)。本線函体は最大掘削幅が41m、最大掘削深さが38mの広幅員・大深度で、躯体は1層2連から本線に接続する出入口ランプ部では1層3連に拡幅する、複雑な構造となっています。
 本工事は、阪神高速道路株式会社より設計・施工一括の総合評価落札方式で発注され、HGSを用いた埋戻しにより上載荷重の低減を図る、躯体構造の合理化を技術提案し、採用されました。本線函体部の構築後、ケミカルグラウト株式会社(東京都港区、社長:立和田裕一)、および小野田ケミコ株式会社(東京都千代田区、社長:井上勝己)の施工により、HGSを使用した埋戻しを2017年4月から順次行っています。


概要と特長

 HGSは、原料土に水とセメント等の固化材および気泡を混合して流動化・軽量化を図ったもので、これまで軟弱地盤上での盛土、橋台・擁壁の裏込め、構造物側部の埋戻し等に利用されています。当工事では構造物上部の埋戻材として現場に製造プラントを設置し、200~300 m3/日のHGS打設を行っています。軽量性、流動性および強度等の品質試験を定期的に実施し品質管理を徹底することで、ばらつきのない均質なHGSの製造が可能になり、その製造や品質の維持が難しいという課題を克服しました。さらにHGSに添加材(ベントナイト)を混合し透水性を低くすることで、硬化後の吸水による影響を抑え、長期にわたり安定した品質を確保します。
 なお、現場は都市部であり住宅に近接していることから、製造プラントに防音パネルを設置し、HGSの運搬には音の小さいスクイーズ式ポンプを適用する等、騒音・振動にも配慮しています。

HGSと一般的な埋戻し土の比較

HGSと一般的な埋戻し土の比較


住宅に近接した現場(製造プラント)

住宅に近接した現場(製造プラント)

品質の目標値

品質の目標値


■HGSの製造フロー

  1. 原料土と添加材(ベントナイト)、水を混ぜ、解泥し、密度を調整する
  2. 振動ふるいで10mm以下に粒度調整を行う
  3. ミキシングプラントでセメントを加え、練り混ぜる
  4. 事前に発泡させた気泡剤をブレンダーで混合し、打設ヤードへ圧送・打設する


今後の展開

 鹿島は建設業での将来的な熟練作業員不足の課題に対し、現場作業の省力化や生産性の向上を実現する構造物の合理化施工を、設計・施工一括方式の発注工事において積極的に提案していきます。また、本工事で適用したHGSによる埋戻し実績を活かし、都市部における様々な地下工事の生産性向上の1つのツールとして、展開していきます。


常磐工区開削トンネル工事 工事概要

工事名  : 常磐工区開削トンネル工事
工事場所  : 大阪府堺市北区常磐町1丁~同町2丁付近
工期  : 2008年6月17日~2020年3月31日
事業者  : 堺市
発注者  : 阪神高速道路株式会社
施工者  : 鹿島・飛島建設工事共同企業体


プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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