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プレスリリース

[2020/09/03]

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車両運行管理システム「スマートG-Safe®」がさらに進化

道路交通情報と連携し、所要時間予測と最適な運行ルート指示を実現

 鹿島(社長:押味至一)は、当社保有の車両運行管理システム「スマートG-Safe®」に、道路交通情報サービスの「VICS」(ビックス)を連携させ、機能を拡充しました。これにより、リアルタイムの道路交通情報を反映した所要時間の予測や、混雑を回避した運行ルートの指示が可能となり、工事車両による一般交通への影響を最小限にとどめるとともに、工事車両自体の運行も効率化されます。
 今般、本システムを、当社で施工中の横浜環状南線公田笠間トンネル工事(神奈川県横浜市)に適用し、その効果を確認しました。

※ VICS:Vehicle Information and Communication System
一般財団法人道路交通情報通信システムセンターが提供する渋滞や交通規制などの道路交通情報を、リアルタイムにカーナビゲーションに届けるシステム

道路交通情報サービスVICS


スマートG-Safeの車載端末画面
音声による最適運行ルート選定を促すアナウンス

スマートG-Safeの車載端末画面
音声による最適運行ルート選定を促すアナウンス

開発の背景

 鹿島は、2010年にGPS機能付き携帯電話を利用した、車両の速度監視・注意喚起システム「モバイルG-Safe®」を開発しました。その後、現場のニーズに合わせ、タブレット端末やスマートフォンを用いたスマートG-Safeに発展させ、工事車両の位置情報の把握、運行管理者と運転手の双方向通信、狭隘な工事用道路でのすれ違い管理、積載物の輸送・出来高管理など、逐次機能向上を図ってきました。
 近年、大型化する工事や都市部の工事において、工事用車両の運行計画の最適化、運行中の適正な管理、既存交通への影響低減に関するニーズが一段と高まってきており、車両運行管理システムについても更なる高度化が求められています。

システムの特長と概要

 従来のスマートG-Safeでは、あらかじめ条件設定した速度と走行距離から運行ルートの概略の所要時間を計算し、運行管理者の管理画面(PC、タブレット端末など)および車載端末(タブレット端末やスマートフォン)に表示していました。本システムでは新たにVICSの道路交通情報を連携させ、より正確な所要時間予測や渋滞状況に応じた適切な運行ルート指示を行う機能を追加しました。

進化版スマートG-Safeシステム構成図

進化版スマートG-Safeシステム構成図

  • 交通情報提供事業者から、運行ルートの所要時間表示に必要な情報をリアルタイムに取得。
  • 取得した区間所要時間をもとに、本システムでルート全体の所要時間、各車両の現在位置に応じた到着予測時刻を計算。
  • 運転手の車載端末に運行ルートを表示し、複数のルートがある場合は、それぞれ目的地までの所要時間を比較表示。(最短ルートの自動案内をすることも可能)
  • 走行中、運行ルート上に設けられたチェックポイントや分岐地点手前を通過するごとに、所要時間を更新。
  • 運行管理者の管理画面に、運行ルートの所要時間と各工事車両の到着予測時刻が表示され、ルートを管理者が指示することも可能。

進車載端末(スマートフォン)での所要時間表示

車載端末(スマートフォン)での所要時間表示


車載端末(スマートフォン)の設置状況

車載端末(スマートフォン)の設置状況

システムの効果

 本システムを横浜環状南線公田笠間トンネル工事に適用し、導入効果の検証を行いました。これまで運転手は、先行する車両から無線などで渋滞状況を確認し、ルートを選択していましたが、本システムにより、所要時間を定量的に確認し、自動表示される最適運行ルートを選択できるようになりました。また、運行管理者は現場ヤード内において、次のダンプトラックがいつ到着するのかといった情報を正確に把握し、受け入れ準備を円滑に行うなど、計画的な施工管理が可能となりました。

今後の展開

 今後、VICSだけでなく、プローブデータなどの多様な交通データと連携を図ることで、現場に最適な情報を提供していきます。
 正確な運行サイクルの管理による品質確保、運行指示の自動化・省人化による生産性向上、一般交通への影響低減による安全確保と環境負荷低減を目指し、本システムを積極的に展開していきます。

※ プローブデータ:
自動車の走行情報をもとにした道路交通情報。主な情報提供事業者は自動車メーカー、カーナビゲーションメーカーなど。VICSがセンサーのある主要道路に限られるのに対し、主要道路ではない広範囲な道路交通情報が取得可能

工事概要

工事名  : 横浜環状南線公田笠間トンネル工事
工事場所  : 神奈川県横浜市栄区公田町
発注者  : 東日本高速道路株式会社関東支社
施工者  : 鹿島建設・竹中土木・佐藤工業
   横浜環状南線公田笠間トンネル工事特定建設工事共同企業体
工事諸元  : 泥土圧式シールド工 覆工内径14.19m 施工延長3,448m およびU型擁壁
工期  : 2016年4月~2020年11月


(参考)
タブレットを利用した車両運行管理システム“スマートG-Safe”石巻ブロック災害廃棄物処理事業で大規模適用開始 別ウィンドウが開きます
(2012年9月5日プレスリリース)

車両運行管理システム「スマートG-Safe®」の機能を強化 別ウィンドウが開きます
(2015年7月8日プレスリリース)

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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