[2021/05/25]
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世界初のハイブリッド型トンネル掘削機“NATBM”での掘進が完了
~黒部川電力新姫川第六発電所建設工事の導水路トンネル~
鹿島(社長:押味至一)がコマツ(社長:小川啓之)と共同開発したトンネル掘削機NATBM(ナトビーエム®)を初適用した黒部川電力新姫川第六発電所建設工事(新潟県糸魚川市)における導水路トンネル工事の掘進が完了しました。全長3.8㎞のトンネル工事のうち、貫通点手前に存在する蛇紋岩層境までをTBMモードで掘進した後、貫通点付近の地質が複雑になった蛇紋岩混在区間においてNATMモードに切り替え施工しました。1機のトンネル掘削機で2つのモードを使用した施工事例は、世界初となります。
NATBMは、トンネル施工において高速掘進が特長の「TBM」と、地質が複雑な日本の地山に合った「NATM」に対応可能な機能を兼ね備えたハイブリッド型のトンネル掘削機です。
本工事において、「高速掘進可能なTBMモード」と「不良地山に柔軟に対応するNATMモード」を併せ持つ「NATBM」の効果が確認できました。今後は、更なる施工の合理化に取り組むとともにTBM工事への適用を拡大していきます。
NATBM NATMモードへの切替え(発進坑内) |
NATMモードで掘削 |
NATMモードでの施工手順
- NATMモードで掘削を行うスペースを確保するためにマシンを後退
- カッターヘッドを開口して内蔵のバケット掘削機を出しNATMモードに切替え
- バケットで掘削し、掘削ズリは開口部から取り入れて後方に搬出
- 掘削後、掘削機先端を取り換えて、コンクリート吹付け、ロックボルト削孔
工事概要
工事名 | : 新姫川第六発電所新設工事のうち土木工事(Ⅱ工区) |
工事場所 | : 新潟県糸魚川市大字山之坊、大字小滝地内 |
発注者 | : 黒部川電力株式会社(出資会社 北陸電力50%・デンカ50%) |
施工者 | : 鹿島・佐藤特定建設工事共同企業体 |
工事諸元 | : TBMトンネル(φ4,750mm、L=3,718m)他 |
工期 | : 2017年7月~2022年10月 |
(参考)
TBMとNATMの優れた機能を兼ね備えた“NATBM掘削機”を開発

(2017年10月11日プレスリリース)
世界初のハイブリッド型トンネル掘削機“NATBM” 順調に掘進中

(2020年5月27日プレスリリース)
プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
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