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プレスリリース

[2023/01/31]

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生物多様性や雨水の貯留・浸透に貢献する総合的なソリューションを提供

建物の屋上、壁面、外構の緑化技術により、防災・減災およびネイチャー・ポジティブに貢献

 鹿島(社長:天野裕正)は、建物の屋上、壁面、外構の緑化技術を最大限に活用した、生物多様性や雨水の貯留・浸透に貢献する総合的なソリューションの提供を開始します。今回新たに開発した外構緑地システム「DEW(デュ-)レインガーデンTM」と、既存技術を改良した屋上緑化システム「エバクールガーデン®」、ならびに壁面緑化システム「緑彩マルチパネル®.RT」を組み合わせて建物に採用することで、生物多様性の実現ならびに敷地外へ流出する雨水量の削減を可能にします。
 このたび、自社施設の建設に、これら3つの技術を初めて同時に採用しました。
 今後、これらの技術を普及展開し、より詳細なモニタリング・評価を行うことでさらなる性能向上を図り、地域の防災・減災およびネイチャー・ポジティブ※1の実現に貢献していきます。

※1 生物多様性の毀損に歯止めをかけ、自然を増やしていくこと

鹿島の雨水貯留・浸透型緑化システムのコンセプトと適用例

鹿島の雨水貯留・浸透型緑化システムのコンセプトと適用例

開発の背景

 都市域においては、豪雨災害のリスクを軽減するために雨水貯留・浸透機能の向上が求められており、通常は、敷地内に雨水貯留・浸透施設等を設置します。これに対し、近年は豪雨災害が頻発化・激甚化しており、雨水流出をさらに抑制する流域対策として、外構緑地の持つ保水機能の向上が求められています。
 また、ESG投資等の拡大に合わせ、生物多様性および雨水の貯留・浸透効果のある緑地に投資し、建物の環境認証を取得しようという企業の動きが活発化しています。

各技術の特長と効果

 当社は、建物の屋上、壁面、外構を最大限に活用することで、生物多様性や雨水の貯留・浸透に貢献する総合的なソリューションを提供します。

  1. 生物多様性に配慮した雨水貯留・浸透型の外構緑地システム「DEW※2レインガーデン」
  2.  雨水の貯留・浸透に高い効果を持たせつつ、現地掘削土の保水性を調整することで、様々な植物の生育を実現。生物多様性にも貢献可能な外構緑地システム。

    • DEWレインガーデンに用いる土壌は、現地掘削土に保水性に優れた土壌資材を最適に配合することで、保水性と浸透性を両立(下右図)。現地掘削土の廃棄量削減にも貢献
    • 保水性・浸透性を任意に調整できるため、多様な環境で生育する幅広い種類の植物を選択可能。その花や実を求めて鳥や昆虫等が来訪するため、生物多様性に貢献
    • 雨水は土壌層に速やかに浸透し、土壌層下位の空隙の多い砕石層に一時的に貯水され、その後、穏やかに地中に浸透。これにより、豪雨時における敷地内からの下水道への排水負荷低減、および地表から周辺道路へ流出する雨水抑制を実現
    • 浸透性の高い土壌構造により、一般的な草地の10倍にあたる200㎜/hの高い浸透能を実現
    • 1日あたり100㎜相当の降雨の場合、DEWレインガーデン土壌は、一般的な外構土の4倍の雨水貯留能力があることを屋外実証試験で確認

    • ※2 Diversity Eco Wellness

      DEWレインガーデン断面イメージ図と土壌模式図

      DEWレインガーデン断面イメージ図と土壌模式図

  3. 雨水貯留・蒸発散促進型の屋上緑化システム「エバクールガーデン」
  4.  鹿島が開発した軽量土壌「ケイソイル」の保水性を向上させ、貯水層と組み合わせることで雨水の貯留量を増大。ヒートアイランド現象の緩和にも貢献する屋上緑化システム。

    • 一般的な屋上緑化工法と比べて、2倍以上の雨水を貯留可能(下右図)
    • 植物への水やり(灌水)は、システム内に貯留した雨水を使用。水分センサが土壌の乾湿を感知し、渇水した場合のみ上水を給水する、節水型の灌水システムを搭載
    • 土壌層の下位に貯水層を広く設置することで、灌水用に雨水タンクを別途設ける必要がなく、デザイン性の向上およびポンプによる送水に要する電力の省力化に寄与
    • 屋上緑化に適した「固定式」のほか、バルコニーや玄関先、壁面にも設置可能なプランター型の「可動式」を新たに開発
    • エバクールガーデン断面図

      エバクールガーデン断面図

      エバクールガーデン雨水貯留量(土壌厚300mm、貯水層50mm)

      エバクールガーデン雨水貯留量
      (土壌厚300mm、貯水層50mm)

  5. 雨水貯留パネル型の壁面緑化システム「緑彩マルチパネル.RT※3」(特許出願中)
  6.  既開発の「緑彩マルチパネル」の背面に、雨水貯水タンクを新たに設置。雨水の貯水量を確保しながら、優れた意匠性を実現する壁面緑化システム。

    • 植物への灌水は、水分センサで土壌の乾燥を検知した時に、サブタンクからポンプで雨水を緑化パネルに供給
    • 雨水が不足する場合のみ、上水をサブタンクに給水・灌水する、節水型システムを搭載
    • 実証試験の結果、冬期は25日以上、夏期でも5日程度、貯水した雨水のみで灌水が可能なことを確認
    • 貯水タンクは、緑彩マルチパネルの背面に設置できるため、優れた意匠性を実現

    • ※3 山崎産業株式会社(大阪市浪速区、社長:土井俊二)との共同研究開発

      雨水貯水の仕組み(左図:雨水の流れ 右図:貯水の仕組み)

      雨水貯水の仕組み(左図:雨水の流れ 右図:貯水の仕組み)

今後の展開

 鹿島は今後、これら3つの技術を普及展開し、さらなる性能向上を進め、防災・減災およびネイチャー・ポジティブに貢献するとともに、生物多様性や環境認証の取得に寄与する様々な技術開発を進めていきます。


(参考)
新しい壁面緑化『緑彩マルチパネル®』を開発 商業施設に初適用 別ウィンドウが開きます
(2013年8月19日プレスリリース)

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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