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プレスリリース

[2023/07/06]

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「水災害トータルエンジニアリングサービス」により自社施設の水害対策に着手

~鹿島技術研究所西調布実験場の外周に止水壁などを設置~

     鹿島(社長:天野裕正)は、2022年10月に提供を開始した「水災害トータルエンジニアリングサービス」により、多摩川に近接する技術研究所西調布実験場(東京都調布市)で、最適な水害対策を検討し、このたび着手しました。本サービスの構成要素である[予測][予防][対応]の各フェーズにおける、今回の主な検討事項および計画概要は以下のとおりです。

    [予測] リスク評価
  • 最新の降雨データに加え、気候変動の影響を考慮した降雨条件による洪水氾濫解析結果を基に想定浸水深を決定
  • [予防] 対策立案・対策工事
  • 施設の重要度と行動タイムラインを踏まえ、敷地全体を浸水から守るため、敷地外周を止水ラインに決定
  • 敷地外周に止水壁を設置するにあたり、鉄筋コンクリート(RC)造止水壁のほか、一部に執務環境改善および周囲への圧迫感を和らげるガラススクリーン止水板を採用
  • 浸水が発生すると自動的に立ち上がる起伏式止水板を出入口に設置
  • 排水管からの逆流を防ぐ二重逆流防止弁(特許出願中)を採用
  • 止水板起伏後も敷地内外の往来が可能な浸水時避難口(特許出願中)を設置
  • [対応] 運用支援
  • 様々な機会で行動タイムラインを見直し、スパイラルアップ

 今後、当社グループ一丸で「水災害トータルエンジニアリングサービス」のさらなる内容拡充と普及展開を図り、お客様のBCPに最適なサービスをワンストップで提供することで、レジリエントな社会の実現に貢献していきます。

「水災害トータルエンジニアリングサービス」による鹿島技術研究所西調布実験場での水害対策

「水災害トータルエンジニアリングサービス」による鹿島技術研究所西調布実験場での水害対策

背景

 鹿島技術研究所の主要な実験施設を有する西調布実験場は、近くを流れる多摩川の洪水時浸水想定区域に位置しています。東日本に甚大な水害をもたらした2019年の台風19号が襲来した際には、実験場から最も近い石原水位観測所での水位が氾濫危険水位を大幅に超え、越水が懸念されました。今後、気候変動等で降雨量がさらに増大するリスクもあることから、当社グループの「水災害トータルエンジニアリングサービス」により、施設機能を維持するための水害対策を実施することとしました。

水害対策の概要

 水害対策の主な検討事項および、今般実施する計画概要は以下のとおりです。

「水災害トータルエンジニアリングサービス」フロー

「水災害トータルエンジニアリングサービス」フロー


    1.[予測]リスク評価
  • 水害ハザードマップ
     国土交通省「浸水ナビ」において、河川計画の基礎となる計画規模降雨時の最大浸水深は49cmと推定されており、西調布実験場は浸水リスクの高いエリアです。
  • 水害ハザードマップ

    水害ハザードマップ

  • 浸水深の設定
     本施設の地形特性を考慮の上、近年の降雨の激甚化や気候変動による将来的な降雨量の増大も勘案した洪水氾濫解析により最大浸水深を算出しました。今回、余裕を見込み、設計浸水深を1.5mに設定しました。
  • 洪水氾濫解析結果

    洪水氾濫解析結果

      2.[予防]対策立案
    • 止水ラインの検討
       守るべきものの重要度に応じて止水ラインを設定します。本施設の場合は敷地内に複数棟が存在し、何れの棟にも大型で高額な実験機器があるため、敷地外周を止水ラインとしました。

    止水ライン(赤線)

    止水ライン(赤線)

    • 行動タイムラインの検討
       河川増水や台風接近時において、浸水を防ぐポンプの設置やバルブの閉鎖、発災後の設置設備の撤去などを時間軸上にプロットした「行動タイムライン(防災行動計画)」を策定し、実際に配置できる人員を勘案した実行可能な計画としました。

    台風襲来時行動タイムライン

    台風襲来時行動タイムライン

  • 近隣への配慮
     鉄筋コンクリート造止水壁で敷地外周を囲うことによる圧迫感を和らげるため、敷地外周にある樹木の内側(本施設側)に止水壁を設けるとともに、一部にガラススクリーン止水板を使用します。なお、一連の対策については近隣の方々へ事前説明を行い、ご理解を頂いています。

    3.[予防]対策工事

     設備配管や建物・塀の基礎などの埋設物の詳細調査を行い、実施設計に反映させることで、より効果的な対策を実現します。対策工事は、2023年9月に着工し、2024年10月に完了予定です。



    4.[対応]運用(運用支援)
     対策工事完了後は、計画立案の際に検討した行動タイムラインを、BCP訓練で定期的に見直すことでスパイラルアップさせます。また、台風接近時にも実施・検証・見直しを行い、より実効性の高いものにするとともに、得られた知見を本サービスのレベル向上に活かしていきます。

    行動タイムラインのスパイラルアップ

    行動タイムラインのスパイラルアップ

    今後の展開

     今後、今回の対策を通じて得られた知見を活かし、「水災害トータルエンジニアリングサービス」の拡充に繋げるとともに、さらなる普及展開を図ります。当社グループ一丸となって、災害発生に備えた合理的なサービスをワンストップで提供し、お客様のBCPを最適にサポートすることで、レジリエントな社会の実現に貢献していきます。

    鹿島グループの「水災害トータルエンジニアリングサービス」

    鹿島グループの「水災害トータルエンジニアリングサービス」


    (参考)
    水災害に対するトータルエンジニアリングサービスを提供開始 別ウィンドウが開きます
    (2022年10月24日プレスリリース)

    プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
    その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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