地震

日本は、環太平洋変動帯に位置し、世界の0.25％という少ない国土面積と比較して、マグニチュード6以上の地震発生回数の割合は、全世界の18.5%と極めて高いものとなっています。阪神大震災や熊本地震など、それまで地震が頻繁に起こらない地域でも大きな被害を発生させる地震が起きています。日本はまさしく地震列島なのです。

津波

津波を引き起こすと言われている南海トラフ地震や千島海溝地震の発生確率は高いと想定されています。国の被害想定では、南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、関東から九州にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを越える高さの津波が襲来するとされており、東日本大震災以降、ハード・ソフト両面からの対策が進められています。

写真：毎日新聞社／アフロ

液状化

砂地盤は通常時、砂粒子がお互いに結合し、その間を地下水が満たした状態で安定していますが、地震時は揺れが繰り返されることで砂粒子が地下水中に浮いたような状態になります。これを液状化といい、砂粒子が地下水と共に地上に噴き出し、構造物の沈下・傾斜やマンホールの浮き上がりなどが発生します。緩く堆積した砂地盤や海岸沿いの埋立て地盤では特に注意が必要です。

火山

我が国は世界有数の火山国であり、雄大な景観や数多くの温泉、地熱エネルギーなどの恵みをもたらしています。その一方で火山は、噴火活動に起因する降灰や噴石、火砕流や溶岩流、熱泥流を引き起こします。また、火山活動によって形作られる特徴的な地形や地質は土石流や落石といった様々な災害を引き起こす原因にもなっています。

気候変動

地球温暖化は、地球全体の大気や海洋に変化をもたらし、私たちの社会に大きな影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。日本に対する影響では、猛暑日の増加、短時間強雨の発生回数の増加などが予想されており、深刻な気象災害が発生する可能性があります。

台風

日本は、世界で最も台風が発生する海域である北西太平洋に面しており、強大な台風が襲ってくる危険性が高い国の一つです。過去最大級の台風が上陸した場合、猛烈な強風と大雨を伴うことが予想され、建物やインフラの損壊、土石流、洪水などの甚大な風水害を広範囲にもたらす可能性があります。

提供：アフロ

高潮

台風や発達した低気圧が沿岸部を通過する際、気圧の低下と風による海水の吹き寄せ効果により、海面が上昇することを高潮といいます。気候変動に伴う平均海面の上昇や台風の強大化により高潮の災害リスクは増加しており、平成30年の第21号台風では、大阪港などでは過去最高潮位が観測されました。

写真：読売新聞／アフロ

洪水

近年、急激な気候変動に伴い毎年のように河川が氾濫し、甚大な洪水被害が発生しています。河川はひとたび氾濫するとその影響範囲が広いため、流域全体を考慮した整備・対策が必要となります。今後も、大規模な気象災害は多発すると考えられており、洪水対策は重要な課題となっています。

集中豪雨

発達した積乱雲は、短時間に強雨を伴うため、河川や水路が短時間で増水するなどの急激な変化により、重大な事故を引き起こすことがあります。また、前線や台風によって南洋から湿った空気が流入すると、積乱雲が同じ場所で次々と繰り返し発生することで大雨となり、土砂災害などの甚大な災害が発生する可能性があります。

写真：アフロ

大雪

北海道、東北、本州の日本海側の地方など日本の国土の約51%が国土交通省による豪雪地帯に指定されており、過去に建物倒壊などの豪雪被害が繰り返し発生しています。また、平成26年の関東甲信地方での大雪のように豪雪地帯以外でも被害が発生する可能性があります。

突風

台風接近時や梅雨などの前線通過時には、竜巻や強雨に伴う突風が発生することがあります。竜巻や強雨に伴う突風は、日本のどの場所でも発生する可能性があり、家屋の倒壊や鉄道車両・自動車の転覆、飛来物の衝突による器物破損などの大きな被害をもたらします。

出典：豊橋市

土砂災害

自然斜面だけでなく、切土・盛土や擁壁といった人工斜面でも、降雨・地震・風化などによって深刻な土砂災害が発生しています。土砂災害が発生すると、道路・ライフラインの寸断により早期災害復旧が難しくなるため、住民生活や企業活動といった社会・経済・環境に深刻な影響をもたらします。