今年で五〇二年の歴史を刻んだ日本三大奇祭のひとつ「西大寺会陽（えよう）」。二月中旬の冷え込みの厳しい中、福をもたらす宝木（しんぎ）を求めて、褌姿の男衆約九千人が、岡山市東区にある西大寺観音院に集います。沿道からの清めの水を浴びながら、「ワッショイ」の掛け声とともに、商店街から参道、境内を練り歩き、水で身を清める垢離（こり）取り場に浸かります。

クライマックスは新年の大祈祷・修正会（しゅしょうえ）の祈りが結願した二二時。境内の照明が一斉に落とされ、待ち構える男衆の汗と打ち水が白い湯気となって立ち上がる中、住職が御福窓より二本の宝木を投下すると、男たちの「ウオー」という争奪戦の勇ましい声が響き渡ります。
（中国支店）