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建設業界にBIM(ビム)ブームが到来しています。
新聞・雑誌では,BIMの解説やゼネコン・設計事務所各社の取組みなどが,頻繁に紹介されるようになりました。
当社では,2010年から建築管理本部内に関連チームを立ち上げ,体制整備を進めています。
BIMの概念や当社の活動内容について,担当者に解説してもらいましょう。

一般的BIMの概念

「BIM」は,Building Information Model(ing)の略称。2次元の図面情報から様々な3D-CADソフトを連動させ, 3次元の建物モデルとその属性情報を統合認識させた建物データベースです。意匠・構造・設備の設計情報はもちろん,CGやパースの作成,環境・施工計画のシミュレーション,部材の数量算出なども可能で,時間軸情報(工程)をいれて4D,コスト情報を入れて5Dにも表現することができます。

写真:BIMは,プロジェクト関係者のコミュニケーションツールとして活用されている

BIMは,プロジェクト関係者のコミュニケーションツールとして活用されている

〈企画〉⇒〈設計〉⇒〈見積〉⇒〈施工〉⇒〈保守〉といった建築生産業務の各種プロセスの情報を一元管理することで,プロジェクト関係者がデータを共有して相互に活用でき,各部門における様々なフェーズでの重複作業を低減,生産性向上を図り,高品質な建物を顧客に提供することができるというものです。

BIMは,2002年に欧米の主要CADメーカー3社が提唱し,2005年の米国建築家協会の大会で発表され,徐々に日本へも普及の波が押し寄せてきました。しかし我が国では,業界各社のBIMに対する認識,取組み方法やその仕組み,ITインフラの整備などが多種多様であり,言葉だけが先行している状況が否めません。“日本型BIM”の確立には,業界をあげての取組みが必要と思われます。

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3次元DB CADへ早期着目

当社は,BIMという言葉すら存在しない1997年から,市販の3D-CADを当社用にカスタマイズし,建築・構造・設備の各設計データを統合する3次元のDB(データベース)CADの開発に着手していました。設計-見積-施工の各フェーズで分断されていた各種データを,DB CADを利用して一元管理するシステムを構築し,2001年から運用してきました。この独自システムにより,3Dモデルによるデータ共有の有用性については,早くから確認しています。

この経験を活かし,BIMの波が押し寄せるいま,当社は次の段階として,より生産効率を上げることに着目し,2010年度にBIMの概念について整理し,建築管理本部内に3D-CAD推進チームを設置。新たな活動をスタートしています。

鹿島版BIM

当社は,2007年度より建築施工部門において,「新しい生産体制の構築」を重点施策として展開しています。企画設計段階から現場担当者がプロジェクトに参加し,設計者-施工者協働で効率的な施工法を検討していく「フロントローディング」を推進。BIMをその支援ツールとして位置づけ,2011年度より,設計部門で使用していたBIMソフト(Graphisoft社製・ArchiCAD ver'14)を全支店の建築施工部門にも導入し,操作教育を開始しています。

当社のBIMは,一般的に言われる建築生産業務の全てを3次元モデル化して一元管理するというものではありません。現状の技術では,情報収集および整理に時間やマンパワーがかかり,かえって生産効率を妨げ,高コストになりかねないからです。

鹿島版BIMは,コスト意識の高い施工部門(現場)が中心となり3次元モデルデータを作成し,工事関係者(施主・設計者・施工者・協力会社)間相互のコミュニケーションツールとして使用します(鹿島版BIM概念図参照)。〈プレゼンテーション〉〈ディテール検証〉〈顧客・設計との合意形成〉〈不具合場所の早期発見〉〈図面作成の生産効率化〉〈概算数量の把握〉〈施工検討〉〈安全の見える化〉など,プロジェクトごとに最適な活用方法を使い分けます。既に全国の現場で活用を開始しており,様々な効果が検証され,現場作業の高効率化が実証されています。

おそらく数年後には,BIMモデルによる建築生産が当たり前の時代になるでしょう。当社では早期社員教育を推進し,よりBIMの機能を有効活用する方策を検討していくとともに,業界の連携にも貢献していきたいと考えています。

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鹿島版BIM概念図

図:鹿島版BIM概念図

当社のBIMは,施工部門が中心となり,〈プレゼンテーション〉〈ディテール検証〉〈顧客・設計との合意形成〉〈不具合場所の早期発見〉〈図面作成の生産効率化〉〈概算数量の把握〉〈施工検討〉〈安全の見える化〉など,各々のプロジェクトの必要性に最適な3次元モデルデータを作成します。

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建築業界のイノベーションを目指して 建築管理本部 建築技術部3D-CAD推進チーム 矢島和美 担当部長

ここ最近,BIMという言葉が,顧客をはじめ,設計者や施工者,そしてそれを取り巻く様々な専門業者間でも使われ始めています。シンガポールでは,国をあげてBIMの活用を開始しており,建築許可申請は全てBIMで行うといった方針を出しており,日本でも国土交通省を中心に,官民学各分野で活用方法の検討や一部の公共工事での実証が開始されています。

当社でもBIM活用の有用性を認識し,社内各部門よりメンバーを集結。様々な活用方法に対する技術開発・検証を行い,BIMソフトを全支店建築施工部門へ導入し,操作教育を開始しました。現在まで20物件程で活用を実施し,効果が検証されています。2012年中にはほとんどの設計・施工物件で活用を開始できるよう,施工部門,設計部門,技術研究所,各支店建築部と協働で環境整備にあたっています。

今後BIMは,建築業界最大のイノベーションに繋がる可能性があります。顧客をはじめ,設計事務所,さらには関係専門工事業者と足並みをそろえ,互いのメリットを追求しながら大きく推進していくつもりで活動をしております。

写真:(前列右から)建築管理本部・堀内グループ長・浅尾CADオペレーター・矢島担当部長,東京建築支店・末吉担当主任,建築設計本部・須賀CADオペレーター・玉井チーフ (後列右から)建築管理本部・櫻井部員・城所課長・橋本部員・土肥課長・富田部員・山越課長・納見部員,建築設計本部・松崎CADオペレーター,ITソリューション部・伊藤次長

(前列右から)建築管理本部・堀内グループ長・浅尾CADオペレーター・矢島担当部長,東京建築支店・末吉担当主任,建築設計本部・須賀CADオペレーター・玉井チーフ
(後列右から)建築管理本部・櫻井部員・城所課長・橋本部員・土肥課長・富田部員・山越課長・納見部員,建築設計本部・松崎CADオペレーター,ITソリューション部・伊藤次長

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