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プレスリリース

[2020/05/26]

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耐火被覆吹付ロボットを実工事に適用

ハイブリッド耐火被覆工法との併用でよりスマートな施工を実現

 鹿島(社長:押味至一)は、鹿島フィット株式会社(東京都港区、社長:永野隆彦、以下鹿島フィット)、株式会社万象ホールディングス(福島県双葉郡富岡町、社長:吉川孝則)と共同開発した耐火被覆吹付ロボットを、東京都内で施工中の建物の耐火被覆工事に実適用しました。本ロボットと既開発のハイブリッド耐火被覆工法の併用により、作業環境の改善ならびに生産性の向上を実現しました。
 当社は今後、「鹿島スマート生産」の実現に向け、同工法と本ロボットの実工事への適用を推進していきます。

耐火被覆吹付ロボットによる施工状況

耐火被覆吹付ロボットによる施工状況

開発の背景

 建物の柱や梁などの構造部材に鉄骨を用いる場合、火災時の倒壊を防止するため、鉄骨表面に耐火被覆を施すことが義務付けられています。当該施工では通常、作業員がロックウールとセメントスラリーを混合した被覆材を鉄骨に吹き付けます。その際に多くの粉じんが発生するため、作業時には防じんマスクや防護服などの着用が必要となり、夏季においては熱中症の恐れがあるなど、作業員の負担が大きいことが課題でした。
 当社が推進中の「鹿島スマート生産」では、「作業の半分はロボットと」をコアコンセプトの一つに位置付け、厳しい環境下での作業や、自動化により品質や効率にメリットが得られる作業などを対象に、自動化・ロボット化を進めています。耐火被覆吹付作業もこれに該当することから、2019年に耐火被覆吹付ロボットを開発、その性能向上を図ってきました。

耐火被覆吹付ロボットの特長

 本ロボットの特長は以下のとおりです。

  • 汎用7軸マニピュレータを採用。人と同様の動きを再現することで高品質な吹付けを実現。
  • 高さ5.5mまでの吹付けが可能。
  • BIMデータを基に鉄骨の形状に合わせて自動で吹付け。梁一本の吹付けを連続して自動的に実施可能。
  • 密度の高い高耐熱粒状綿の採用により、吹付後の鏝押え作業が不要。
 既開発のハイブリッド耐火被覆工法を適用することで、本ロボットを効果的に活用することが可能となります。梁の下フランジ部は、耐火被覆の脱落の恐れがあることに加えて、施工中に被覆材の飛散が特に多く発生する箇所のため、作業員が高耐熱ロックウールフェルトを着実に巻き付けます。残りのウェブと上フランジ部はロボットによる自動吹付けを行います。
 これにより、作業員が高所作業車に搭乗する時間が大幅に減り、さらに被覆材の飛散を約3割低減することができるため、作業環境の大幅な改善を実現します。また、ロボットが自動で吹付けを行う間、作業員はより高い技能が必要な箇所の被覆作業を行うなど、ロボットと人が協働することで生産性の向上と高品質な施工を実現します。

※通常の粒状綿に比べて繊維が細く短いため、密度が高く熱収縮率が小さい。
 本材料単体での国土交通大臣認定(1~3時間耐火)は2017年1月に取得済み。

耐火被覆吹付ロボット

耐火被覆吹付ロボット

ハイブリッド耐火被覆工法イメージ図

ハイブリッド耐火被覆工法イメージ図

現場での実適用

 このたび、実現場の鉄骨梁に対して、ハイブリッド耐火被覆工法の適用と耐火被覆吹付ロボットによる自動吹付けを行いました。その結果、吹付後の出来形は人による作業と同等の品質であることを確認しました。なお、本ロボットの操作を含む全ての耐火被覆吹付作業は、当社のグループ会社である鹿島フィットが担当しました。

耐火被覆の施工状況(下フランジ部のロックウールフェルトはビニールで養生)

耐火被覆の施工状況(下フランジ部のロックウールフェルトはビニールで養生)

今後の展開

 今後、「鹿島スマート生産」の実現に向けて、耐火被覆吹付ロボットのさらなる性能向上を図り、人とロボットの協働による耐火被覆吹付作業を全国の建築現場に展開していきます。

(参考)
建築の生産プロセスを変革する 「鹿島スマート生産ビジョン」 を策定 別ウィンドウが開きます
(2018年11月12日プレスリリース)

2種の耐火被覆材を効率よく活用したハイブリッド耐火被覆工法を開発 別ウィンドウが開きます
(2019年2月26日プレスリリース)

イメージ動画

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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