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プレスリリース

[2025/10/09]

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CO2-SUICOM製の大型ブロック擁壁を高速道路工事に初適用

~CO2-SUICOMの適用範囲を拡大し、カーボンニュートラル社会の実現へ~

 鹿島(社長:天野裕正)は、CO2を吸収・固定するコンクリート「CO2-SUICOM®」(シーオーツースイコム)を用いて製造した大型ブロック擁壁を開発・実用化し、新名神高速道路建設工事において初めて適用しました。
 これまでCO2-SUICOMは、小型のプレキャストコンクリート製品(PCa製品)を中心に展開してきましたが、このたび材料や配合、製造方法を見直したことにより、大型のPCa製品の製造が可能となりました。本工事では、大型ブロック擁壁180個の設置を予定しており、全ての設置が完了すると従来製品を使用した場合と比較して、1.4tのCO2を吸収・固定でき、セメント量を低減する効果と併せると約13tのCO2削減を実現します。
 今回、大型ブロック擁壁が実用化され、大型PCa製品への展開の準備が整ったことにより、CO2-SUICOMの適用範囲が拡大し、より多くの建設工事での使用を提案することが可能となりました。今後もCO2-SUICOMの市場拡大および普及を積極的に進め、持続可能で安全・安心なインフラを構築するとともに、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

図版:施工が完了している法面

施工が完了している法面

図版:CO2-SUICOM製の大型ブロック擁壁

CO2-SUICOM製の大型ブロック擁壁

適用したCO2-SUICOMの概要

 CO2-SUICOMは、セメントの一部を産業副産物に置き換えることでCO2を削減するとともに、炭酸化養生することによりコンクリートに配合した材料γ-C2SがCO2を吸収・固定化する技術です。これまでCO2-SUICOMは、小型PCa製品が中心で、部材全体にCO2を吸収させることでカーボンネガティブを達成していました。
 一方、大型PCa製品では、CO2削減量とコストのバランスが取れた新たな配合グレード「CO2-SUICOM(E)」を設定し、CO2を吸収させる範囲をコントロールして、部材全体ではなく表層部分に限定することで、断面の大きな部材においても、比較的短時間でCO2を吸収・固定することが可能となりました。  

炭酸化深さを測定

炭酸化深さを測定

※ CO2を封入した槽内でコンクリートを養生し、安定した環境でCO2を吸収・固定させる方法

大型ブロック擁壁の適用によるCO2削減量

 今回開発した大型ブロック擁壁は、従来製品に比べて1個当たり、セメント材料の置換により約64kgのCO2を削減し、炭酸化により約8kg のCO2を吸収・固定、合計約72kgのCO2を削減しています。高速道路工事の一部である総延長約420mの法面に本製品180個の設置が完了すると、CO2削減量は約13t、CO2固定量は1.4tとなり、大型PCa製品を大量に使用することで、大幅なCO2削減が実現できます。

図版:大型ブロック擁壁の施工状況

大型ブロック擁壁の施工状況

図版:高速道路工事の法面の一部に適用

高速道路工事の法面の一部に適用

今後の展開

 鹿島は今後、CO2-SUICOMの製品ラインアップや製造拠点を拡充するとともに、様々な工事への適用を進めて、迅速に社会実装することで、カーボンニュートラル社会の実現に一層貢献してまいります。

(参考)
環境配慮型コンクリート「CO2-SUICOM®(シーオーツースイコム)」 別ウィンドウが開きます

動画でみる鹿島の土木技術 「カーボンニュートラル(CN)」
CO2-SUICOM® カーボン低減型大型PCa製品の開発
別ウィンドウが開きます

CO2吸収コンクリートに新たなグレードを設定し、大型PCa製品を開発 別ウィンドウが開きます
(2024年5月9日プレスリリース)

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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