[2026/03/09]
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AGF鋼管打設作業において切羽作業範囲の無人化を実現
AGF鋼管供給システムの開発と鋼管接続装置の改良により安全性と生産性をさらに向上
鹿島(会長兼社長:押味至一)は、古河ロックドリル株式会社(東京都千代田区、社長:山口正己)、株式会社ケー・エフ・シー(東京都港区、社長:田村知幸)、株式会社トーキンオール(神奈川県川崎市、社長:吉田基一)と共同で、山岳トンネル工事の補助工法であるAGF工法(注入式長尺鋼管先受け工法)のうちソケット型AGF鋼管打設作業の機械化システムを2023年11月に開発しました。
このたび、新たにAGF鋼管供給システムを開発するとともに、鋼管接続装置を改良し、横浜高速鉄道株式会社発注の「みなとみらい21線車両留置場建設工事(土木工事)」に試験導入し、効果を検証しました。その結果、AGF鋼管打設作業において、肌落ち災害のリスクが高いとされる切羽作業範囲※1の無人化※2を実現し、労働災害の低減が可能であることを確認しました。
※1 切羽天端から45度の範囲
※2 ロッドの回収作業時を除く
AGF鋼管供給システムの全景
アーム部からドリルジャンボに鋼管が渡される様子
開発の背景
山岳トンネル工事では、トンネル上部の安定性確保や地表面の沈下抑制を目的に、補助工法としてAGF工法を採用するケースが数多くあります。従来のAGF工法は、技能者が切羽作業範囲に長時間立ち入り、鋼管の準備から打設作業までを行います。AGF鋼管打設作業時は切羽に穿孔水が浸透し、岩盤の劣化や、鏡吹付けコンクリートのひび割れが発生する恐れがあるため、肌落ち災害のリスクがあります。そこで、当社らは、2023年11月にソケット型AGF鋼管打設作業の機械化システムを開発し、技能者の負荷を軽減するだけでなく、施工人員25%の削減を実現し、肌落ち災害のリスク低減も図りました。しかし、接続する鋼管を誘導する技能者1名とAGF鋼管供給装置の操作を担当する技能者1名が切羽作業範囲に残る課題がありました。
AGF鋼管打設作業の機械化システムの改良
切羽作業範囲の無人化を実現するために、2023年11月に開発したAGF鋼管打設作業の機械化システムに、①「AGF鋼管供給システムの開発」、②「鋼管接続装置の改良」を加えました。- AGF鋼管供給システムの開発 2023年11月に開発した「新型楽ダナ」のラック部(赤枠部)とアーム部(青枠部)を分離し、ラック部をドリルジャンボの後方に、アーム部をドリルジャンボの前方に配置し、その間をローラーコンベアで繋いだ「AGF鋼管供給システム」を開発しました。これにより、AGF鋼管を切羽作業範囲に立ち入ることなく自動供給できます。ラック部からの鋼管取り出しならびにローラーコンベアでの送り出しはドリルジャンボ後方の安全な場所で遠隔操作します。また、ラック部はトラックの荷台に載せたままでよく、吊り降ろす必要がありません。
- 鋼管接続装置の改良 「鋼管接続装置(セッターⅡ型)」は、2023年11月に開発した「連結機構付きガイドシェル」に既打設管を把持する機構を追加したものです。既打設管と新設管の両方を把持できるため強制的に打設軸を合わせ、ドリフタで鋼管を押し込み連結させます。これにより、打設軸を合わせるために行っていたバスケット上の技能者による誘導が不要となりました。
今回開発した「AGF鋼管供給システム」
鋼管接続装置(セッターⅡ型)の概要図
鋼管接続装置(セッターⅡ型)で連結する様子
現場への導入と検証
本システムを、「みなとみらい21線車両留置場建設工事(土木工事)」に試験導入し、機能の確認および検証を行いました。その結果、機械化前の従来工法と同等の準備時間で、ロッドの回収作業を除き、AGF鋼管打設作業時の切羽作業範囲内の無人化を実現しました。また、AGF鋼管準備から打設までの、技能者の切羽作業範囲への立ち入り時間を従来工法と比較して約90%削減できること、さらに人手による鋼管接続作業が不要となるため、安全性・生産性のさらなる向上に寄与することを確認しました。今後の展開
鹿島は今後、AGF鋼管打設後のロッド回収作業までを含め、切羽作業範囲への技能者の立ち入りゼロを目指し、AGF工法のさらなる機械化・省人化を進めていきます。併せて、AGF鋼管打設作業の機械化システムを、山岳トンネル工事の自動化施工システム 「A4CSEL for Tunnel(クワッドアクセル フォー トンネル)」と連携させることで、山岳トンネル工事の自動化施工技術の開発を加速していきます。工事概要
| 工事名称 | : | みなとみらい21線車両留置場建設工事(土木工事) |
| 工事場所 | : | 神奈川県横浜市中区 |
| 発 注 者 | : | 横浜高速鉄道株式会社 |
| 施 工 者 | : | 鹿島・東亜・奈良特定建設工事共同企業体 |
| 工事諸元 | : | トンネル延長 横坑 324.3m、本坑複線区間98.7m、本坑併設区間262.3m×2本 設計掘削断面積 横坑83.5m2、本坑複線区間145.4m2、本坑併設区間86.7m2+89.2m2 |
(参考)
動画でみる鹿島の土木技術 山岳トンネル
施工人員25%減と作業負荷軽減を実現 山岳トンネル工事の補助工法を完全機械化
(2023年11月29日プレスリリース)
山岳トンネルの自動化施工システム「A4CSEL for Tunnel」が完成!
(2024年7月31日プレスリリース)
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