森林を知る

南北に長い日本列島では多様な気候帯があり、さらには地形や標高の違いにより、様々な樹木が分布しています。そのため、自然条件や地域の実情に合った形で適切に整備・保全されることが重要です。
例えば、広葉樹からなる里山林では、薪や炭などの燃料、山菜等の食糧など様々な用途に利用されてきました。そこには、森林が生態系サービスを循環させながら、林業等を通じて人々が自然を享受できるバランスがありました。改めて最適なバランスを考えるためには、まず森林の現状を知り、読み解くことが不可欠です。

はじめに 森林の一生

私たちは日本の国土の3分の2を占める森林によって戦後復興と高度経済成長期を支えられてきました。森や木々は私たちに美しい景色と安らぎをもたらし、伐採された木の幹は建築用として柱や内装材に形を変え、枝や葉、樹皮などは燃料としてエネルギーにも姿を変えます。

通常、木が成長し、伐期を迎えるには30〜50年の長い年月がかかります。主に人工林では、伐採した後には再造林することで次の世代がまた林業を営んで、木材等を活用することができます。森林がもつ役割や木の価値を損なうことなく享受するためには、人の手によって適切な管理が必要であると私たち鹿島グループは考えています。

図版:40年以上にわたり、建築用材の生産と、水源涵養・生物多様性保全に配慮した施業・管理を継続している日影山

40年以上にわたり、建築用材の生産と、水源涵養・生物多様性保全に配慮した施業・管理を継続している日影山

取組み紹介 デジタル山林管理

森林上空を飛行するドローンと、森林内を自律飛行するドローンを活用した高精度なデータ化技術を用い、森林の詳細な点群データ情報を取得して、森林の樹種やボリューム、位置、樹高などを解析・測定する技術を開発しました。これにより、森林のデジタルツインが構築でき、デジタル空間上で、広範囲にわたる森林内の樹木1本1本の生育状況や下草の有無など詳細な情報を高精度かつ立体的に可視化することができます。

図版:森林上空からのデータ取得

森林上空からのデータ取得

図版:上空から取得・解析した点群データ

上空から取得・解析した点群データ

図版:森林内自律飛行ドローンによるデータ取得

森林内自律飛行ドローンによるデータ取得

図版:森林内自律飛行ドローンで取得・解析した点群データ AIにより幹(黄)、葉や枝(紫)、草本(緑)に分類

森林内自律飛行ドローンで取得・解析した点群データ
AIにより幹(黄)、葉や枝(紫)、草本(緑)に分類

取組み紹介 森林づくり計画のための
多面的機能の評価

計測によって得られたデータに、鹿島の独自の自然環境調査技術を組み合わせて、対象森林の課題やニーズによって2次解析を行い、森林づくり計画の提案、森林経営・活用を総合支援する「Forest AssetTM」の提供を開始しました。これにより、生物多様性や森林の水源涵養機能を高めるプランなど、木材生産機能以外の森林が持つ潜在的な付加価値を最大化するプランを立案して、J-クレジット制度や自然共生サイト認定の申請に繋げることができます。

図版:科学的なアプローチによる森林づくり方針案

科学的なアプローチによる森林づくり方針案

森林をつなぐ
鹿島グループの取組み

GREEN KAJIMA

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