電気や自動車のある生活が当たり前になってから、人々の生活には森林や自然との共生といった概念が薄れてきたといえます。森林の維持管理を継続し、自然の恵みを享受しながら人々が生活することを見つめ直す時が来ています。
植林し、手入れして育て、伐採してまた植えるという健全な生育サイクルと、伐採した樹木を利活用するサイクルをそれぞれ適切に保持していきます。
森林は、生物多様性の保全、気候変動の緩和、木材や紙の原料・きのこなどの食料・薪などの燃料の提供、水源涵養といった役割のほか、私たちに自然とのふれあいの場を提供しています。さらに、斜面崩壊・土石流の防止、洪水の緩和、海岸林による津波被害の軽減といった防災機能も担っています。このように、生態系を人々の暮らしを支える社会基盤として捉える「グリーン・インフラストラクチャー」や「生態系を用いた防災・減災」の考え方が世界的にも注目されています。
鹿島グループでは、木材を生かした建築の設計、施工、技術開発を行っています。木造建築への社会的ニーズが高まる中、オフィスや学校、美術館、音楽ホール、スポーツ施設などあらゆるタイプの建物に木をつかうことで、温もりのある空間を実現しながらカーボンニュートラルへ貢献することができます。社有林から伐出した木材や国産材を積極的に、鹿島や顧客の施設へつかうことにも挑戦し、川上から川下までの広い視野で木材利用に取り組んでいます。
森林から伐り出した樹木が建築物に使われるプロセスをご紹介します。
壁、天井への使用
家具への使用