VOICE | 01

リーダーは語る。
未来の土木で
鹿島が担う
使命とは!?

鹿島建設株式会社
常任顧問
高田 悦久 YOSHIHISA TAKADA

自動化で土木業界の課題を解決

私たちがA⁴CSELで目指すのは、現場の生産性・安全性の飛躍的な向上です。従来の土木現場では、その作業の多くを人の手に頼っていました。しかし現在、労働人口の減少や熟練技術者の高齢化など、土木業界は深刻な人手不足に陥っています。また、人が作業を行うことによる低生産性や労働災害の多発も、業界が抱える大きな課題といえるでしょう。

昔の土木業界では、後世まで残る構造物をつくることに、誇りと格好良さを感じていました。しかし現在、吹きさらしでの過酷な作業に、若い人は果たして生きがいを感じるでしょうか。労働人口が減少するならば、土木業界は若い世代を惹きつける魅力のある業界に生まれ変わらなければなりません。生産性を向上させ、労働時間を短縮し、給与を増やす。業界の課題に対する本質的な解決策として私たちが考えたのが、AI・ICTを駆使した作業の自動化です。最適化したプログラムに基づき、複数の建設機械が自動かつ自律的に稼働。現場に人が入らないので、当然労働災害も起こり得ません。機械の能力を100%発揮させることで、最大の施工効率が実現するのです。

自動化と見える化の両輪で現場の工場化を推進

自動化によって、土木業界は、かつての労働集約型から情報集約型へと変革を遂げることになります。核となるのは施工計画の最適化。これからは職人の経験や勘よりも、シミュレーションや実績データにより最適なプログラムを構築し、ブラッシュアップしていく技術が求められるようになるでしょう。

また、施工そのものと同時に、施工管理の生産性も上げていかなければなりません。鹿島では自動化施工推進室に加えて生産性推進部を新たに設置。工程やコスト、安全性などあらゆるデータを蓄積して管理の見える化を進め、最適な現場管理へとつなげています。

最適計画による施工の自動化とデータによる管理の見える化、この2つを両輪として、現場の工場化を進めていきたいと思っています。

パイオニアとして業界の変革を牽引

2020年には秋田県の成瀬ダム堤体打設工事において、A⁴CSELが本格的に稼働します。この工事が成功すれば、土木業界全体への刺激となり、自動化の競争が加速するでしょう。「自動化でこれだけのことができる」と内外に示すことで、業界が危機感をもって変わるきっかけになるはずです。IT業界をはじめとした他産業からの技術移転も活発になり、開発のスピードも上がると確信しています。

私たちが取り組んでいるのは、100年後を見据えたものづくり。現場の生産性と同時に安全、品質を向上させる自動化は、社会的にも非常に大きな意義をもちます。鹿島は現場の工場化を進め、自動化のパイオニアとして、土木業界の変革を牽引していきます。

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