各地で道路整備が進んでいる。首都高速湾岸線と並行して海底道路トンネルを整備する「国道357号東京港トンネル工事」（東京都品川区）では，昨年12月に地上発進したシールドマシンが約1.5ｋｍの掘進を経て10月に地上到達を果たした。地上発進・地上到達による掘進は当社2例目。完成に向け，今後は二次覆工が行われていく。難度の高さで注目を集めるのが2011年に工事がスタートした「横浜環状北線交差部新設工事（横浜市神奈川区～鶴見区）」。この工事は，10鉄道路線と国道15号を立体交差する跨線道路橋を施工。複数の分岐と本線以外のランプ桁を含む曲線桁を架設する。現在，開通をめざして複数桁の同時架設を行っている。

東名高速道路に並行して首都圏と中部圏を結ぶ新東名高速道路では，愛知県内などで橋梁やトンネルの工事が進み，野田川橋や小阿寺川橋（いずれも新城市）が竣工した。名古屋と神戸を結ぶ新名神高速道路でも川下川橋（兵庫県宝塚市）が竣工。95ｍのハイピアと片側110ｍの張出し架設長は国内最大級である。首都圏3環状道路の工事も続く。首都圏中央連絡自動車道で新治工事・茂原南工事が竣工を迎え，東京外かく環状道路の千葉区間では国分工事や市川中工事（いずれも市川市）などの大型開削工事が進む。

鉄道関連では，新幹線の軌道上に高架橋を設置するJR東北縦貫線の工事がラストスパートに入った。完成すれば，上野駅̶東京駅間が新たなレールでつながれ，首都圏のネットワークが南北に強化されることになる。整備新幹線でも北陸新幹線や北海道新幹線，九州新幹線で工事が進んでいる。

治水や利水，発電などの機能拡張を図る既存ダムのリニューアル工事への着手も相次いだ。「長安口ダム改造事業」（徳島県那賀郡那賀町）では1月に，天ヶ瀬ダム（京都府宇治市）では6月に起工式が行われて本格着工に至った。2011年に着工した鶴田ダムも順調に工事が進み，5本の新設管のうち3本の削孔を開始した。

海外では，台湾の「大林高港電力シールド」の工事に着手したほか，「エチオピア・幹線道路Phase IV（2期）」がはじまった。この工事はエチオピア最大の農業地帯を通る幹線道路のうち約40ｋｍの道路を改修するもの。当社は1999年のフェーズIから工事を手掛け，今回の工事が最後の未改修区間となる。2015年に完成する予定である。