2013年，開発関連では，保有資産の有効活用と社内技術部門・グループ会社との相互連携による新たなビジネス機会の創出をめざし，開発事業本部と建築設計本部・環境本部ならびに鹿島建物総合管理が協同し，太陽光発電事業に着手した。当社が運営するゴルフ場「那須ちふり湖カントリークラブ」（栃木県那須郡那須町）に隣接する約3haの所有地に，最大出力約2MWの大規模太陽光発電設備を整備し，発電電力の全量を売電するものである。4月から行われてきた工事がこの11月に完了。年間発電量は約200万kWh，一般家庭約550世帯分を想定している。

また，設計・施工における当社の技術力を発揮する新たなフィールドとして，PFI事業へ積極的に取り組んできた。国・自治体の庁舎，図書館・ホール・体育館などを備えた文化複合施設をはじめ，既存の機能を維持しながら改修・新築を行う病院，浄水場の設備更新事業，学校給食センター，ごみ処理施設，国立大学法人の教育研究施設・学生寮など，全国各地，幅広いジャンルでプロジェクト入手に成功している。2013年は，「京都市立病院」（京都市中京区）の新館，「横浜市戸塚駅西口再開発公益施設」（横浜市戸塚区），「宮城県教育・福祉複合施設」（宮城県名取市），「八千代市学校給食センター西八千代調理場」（千葉県八千代市），「東雲合同庁舎」（東京都江東区）が順次竣工・開業を迎え，さらに今年度末および来年度の竣工の物件も多数控えている。また新たに3件の新規案件を落札し，12月現在，計画・施工中の案件を含めると，国内プロジェクトの累計実績は42件を数えることとなった。わが国にPFI法が施行されてから10年を超え，事業手法も多様化する中で，法施行当初からPFIに取り組んできた当社の経験と実績が大いに開花した1年だったと言えよう。

さらに，民間における都市機能更新需要が顕在化。当社は9月に「勝どき五丁目地区第一種市街地再開発事業」の新築工事（当社設計・施工）を着工した。同再開発事業では，当社が特定業務代行者となり，約1.9haの計画地に共同住宅・商業・公益施設などで構成される3棟・総延べ約16万5,000m²の大型複合施設を建設する予定。今後，首都圏では新たな再開発プロジェクトの進行が見込まれる。