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復興 ─災害廃棄物処理が順調に推移,石巻魚市場の再建はじまる

復興への足がかりとして,着実な進捗が期待された災害廃棄物処理が順調に進み,岩手・宮城両県では年内に処理がほぼ完了する予定だ。2011年秋に当社JVが受託した「災害廃棄物処理業務(石巻ブロック)」(宮城県石巻市,東松島市,女川町)では,国内最大級の中間処理プラントを建設し,粗選別や破砕選別,土壌洗浄・改質,焼却などの作業が行われてきた。約314万tは両県最大処理量である。宮城東部ブロック(塩竈市,多賀城市,七ヶ浜町),宮古地区災害廃棄物破砕・選別処理業務(岩手県宮古市,岩泉町,田野畑村)でも順調に処理が進み,年度内の完了を見込む。

仙台市と石巻市を海岸線に沿って結び,震災の影響で一部運休しているJR仙石線の復旧工事もはじまった。津波で流失した区間を500mほど内陸部に移設して復旧する。当社は東名・野蒜駅新ルートの陸前大塚方1.3kmで鉄道盛土・路盤と延長385mの高架橋下部・上部工を構築。2015年中の開通をめざして施工が行われている。

まちづくりでは,昨年着工した宮城県牡鹿郡女川町の復興まちづくり事業が進み,大型の重機を導入し造成工事を急ぐ。7月には,岩手県宮古市田老地区のまちづくり事業もはじまった。いずれも当社JVが,従来の調査,測量,設計,施工に加え,一体的にマネジメントを実施する事業である。

防潮堤工事も各地で進んでいる。CSG工法を採用した世界初の防潮堤が福島県いわき市の夏井地区海岸で完成。震災で発生したコンクリートがれきを用いることでも注目された。岩手県の陸前高田市では,海岸の災害復旧として延長1,871mの防潮堤築造が本格着工を迎えている。

産業の復興に向けては,石巻魚市場を再建する「石巻市水産物地方卸売市場石巻売場建設事業」(宮城県石巻市)が2015年6月の完成をめざして着工した。この事業では,屋根付きの岸壁を備えた閉鎖式の高度衛生管理型荷さばき場を整備する。建屋の長さは国内最大級の875m。被災地の多くは三陸海岸の豊かな漁場で,石巻市は震災前には水揚量3位を誇った全国屈指の水産都市。水産業の中心を担う市場の再建により復興に向けた動きが加速すると期待されている。

福島の除染作業では,当社JVが富岡町の本格除染を担当することが決まった。福島第一原子力発電所の安定化に向けた工事でも懸命の作業が続いている。

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写真:女川町で進む復興まちづくり事業を上空から

女川町で進む復興まちづくり事業を上空から

写真:造成が進む宮古市田老地区のまちづくり

造成が進む宮古市田老地区のまちづくり

写真:夏井地区海岸堤防工事

夏井地区海岸堤防工事

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図版:「石巻市水産物地方卸売市場石巻売場建設事業」完成予想パース

「石巻市水産物地方卸売市場石巻売場建設事業」完成予想パース

写真:陸前高田市で行われている防潮堤の築造工事

陸前高田市で行われている防潮堤の築造工事

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復興 TOPICS 2013

主なプロジェクト

【岩手県】
  • 宮古地区災害廃棄物破砕・選別等
    業務委託
  • 高田地区海岸災害復旧工事
  • 平成25年度田老地区整地工事
【宮城県】
  • 災害廃棄物処理業務(石巻ブロック)
  • 災害廃棄物処理業務
    (宮城東部ブロック)
  • 女川浜駅周辺工区整備工事
  • 石巻市水産物地方卸売市場
    石巻売場建設事業
  • 東北地方太平洋沖地震に伴う
    災害復旧(仙石線東名工区)
【福島県】
  • 夏井地区海岸堤防工事(竣工済)
  • 平成24年度田村市除染等工事
    (完了済)
  • 平成25年度富岡町除染等工事
    (その1)
  • 東京電力福島第一原子力発電所の
    安定化に向けた工事

Others

  • 放射線環境下での重機の自動化技術の実用化
  • 富岡町の除染に向け,制御用GPSを用いた
    装着式放射線モニタリングシステムなどを技術開発

図版:装着式の放射線モニタリングシステム

装着式の放射線モニタリングシステム
2.2kgの軽量化を実現

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