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KAJIMAダイジェスト

concept 大崎電気工業 埼玉事業所新工場

写真:北側外観

北側外観。既存工場の素材を継承した外装は,長年ものづくりを続けてきた工場の連続性を表現した
(Photo: エスエス東京 島尾 望)

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家庭用電気メーター内に通信機能をもたせることで,余剰電力の削減を図る次世代電力計「スマートメーター」を製造する新工場である。敷地は江戸時代に防風林,屋敷林として植林された武蔵野の雑木林や,川越街道のけやき並木に囲まれた緑豊かなエリアに位置する。建物は物流空間と製造空間を合わせた3階建ての組立工場で,温湿度・清浄度など高い空間性能とエネルギーマネジメント,高床荷重・微振動に対応した構造をもち,様々なレイアウト変更にも対応可能となっている。

従来のアナログ式からデジタルメーターへの転換と環境配慮という,新工場のもつ2つの理念にもとづいたデザイン展開をめざした。外装は長い歴史をもつ既存工場建物の素材を継承し,コンクリート打放しと金属パネルというテクスチュアや精度感の異なる素材を使い,「スマートメーター」をイメージさせている。居室間をつなぐグラフィックは交流電源の視覚化であり,緩やかな誘導計画と次世代の電力計を連想させるデザインとした。高度な空間性能の実現のため無窓が基本であるが,働く人にとって優しく親しみのある空間とするため,武蔵野の雑木林や荒川といった豊かな自然環境のイメージを色彩計画として取り込んだ。工場特有の冷たくなりがちな空間にうるおいを与え,この工場の目指す環境への尊重を建物全体で体現することを意図した。
(藤村 正・星野時彦・戸部智一郎)

写真:製品である「スマートメーター」をイメージした西側外観

製品である「スマートメーター」をイメージした西側外観

写真:クリーン性とフレキシビリティが確保された製造室

クリーン性とフレキシビリティが確保された製造室。武蔵野側の壁は緑色,荒川側の壁には水色を配し,無窓の空間にうるおいを与える

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 写真:居室間をつなぐグラフィックは,交流電源を連想させる

居室間をつなぐグラフィックは,交流電源を連想させる

 写真:1階エントランスホール

1階エントランスホール。温もりのあるフローリング,コンクリート壁など異なる素材が調和する

写真:藤村 正(ふじむら・ただし)

藤村 正(ふじむら・ただし)

建築設計本部
本部次長
主な作品:

  • 小林製薬中央研究所
  • 秋葉原ダイビル
  • かえつ有明中高等学校
  • キヤノン川崎研究所
  • 三洋電機加西事業所

写真:星野時彦(ほしの・ときひこ)

星野時彦(ほしの・ときひこ)

建築設計本部
チーフ
主な作品:

  • 八海山雪室
  • オムロンヘルスケア新本社
  • キヤノン川崎研究所
  • 田園調布雙葉学園聖堂

写真:戸部智一郎(とべ・ともいちろう)

戸部智一郎(とべ・ともいちろう)

建築設計本部
チーフ
主な作品:

  • キヤノン光学技術研究所(2期)
  • 大分キヤノン大分事業所(G棟)
  • 東雲合同庁舎

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